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ケンゾー   イクエ


2007年10月 結婚
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先生が登校拒否ってどういうこと?!

2015.01.10 06:01|ウガンダ☞EDIT
子どものころ初めてもらったお年玉で買ったものは・・・覚えていないケンゾーです。
なんだったかなあ、それこそコマとか凧じゃなかったかなあ。
今の子どもたちはDSのソフト?それももう古いのかなあ。
いま日本では何が流行ってるんだろう?

カバレで体育教師として活動しているケンタの家にお世話になっているケンゾーとイクエ。
ケンタが受け持つ授業があるということなので見学させてもらってもいいか聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「もちろんOKですよ!
 でも授業できるかなあ。
 生徒が来るといいんだけど。」


え?どういうこと?
見学うんぬんの前に生徒が来ないとかあり?

じつはウガンダは学歴社会。
意外かもしれないけど、ウガンダだけでなく途上国と呼ばれている国では学歴で就ける仕事が左右されることが多い。
みんな少しでもいい大学に入学するために勉強している。
毎年進級試験があり、点数が足りないと有無を言わさず留年させられるスパルタなシステム。
しかも各学校を卒業するためには国家試験に合格する必要がある。
小学校を卒業するにも試験に合格しないといけないっていうんだから大変。

すべては国家試験に受かるため。
必然的に国家試験にない科目は扱いが低くなってしまうことに。
体育の授業はその最たるもの。
「試験に出ない体育なんて無駄だ」
「体育の時間をほかの授業にまわしてほしい」
そう考えている生徒は多いし、先生の中にも体育を煙たがっている人がいるのが実状。

日本では考えられないけど、体育の授業をボイコットして出てこない生徒はふつうにいるんだそう。
普段からまず授業として成立するかどうか、そこからはじめないといけないのが途上国での体育の授業の実態。

さらに今は試験期間中。
「2、3人来ればいいほうかなあ。
 誰も来ないってこともぜんぜんあります。」

そう笑顔で言うケンタ。

正直『体育隊員』と聞いたときは「毎日生徒と楽しく体を動かしていればいいからラクな活動だなあ」なんて思っていた。
みんなサッカーが大好きだし、勉強よりも体を動かすことのほうが当然好きだと考えていた。
でも実際は想像以上に大変。
まず授業ができるかどうか、そこからはじめないといけないとは。
そんな環境でモチベーションを保つのは大変なことだと思う。

きょう予定している授業はバレーボール。
何人きてるかなあと校庭に行って見ると・・・

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けっこう来てる!
15人くらいいるんじゃない。
これでクラスの1/3くらいの生徒なんだそう。
でもちゃんとバレーボール成立するよ。
よかったねケンタ。

体育の授業が導入されてまだ歴史が浅いウガンダ。
体操服なんてものはない。
みんな制服で体育の授業を受ける。
授業と言ってもとくに指導をする訳でもなく、ケンタ自身も加わってバレーボールを楽しむ。

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赴任したさいしょの頃は、毎回ほとんど生徒が来てくれなかったんだそう。
たとえ来たとしてもサッカーしかしたがらない生徒たち。
なんとかサッカー以外のスポーツの楽しさを伝えようと試行錯誤してきたケンタ。
けれど赴任して半年、とうとう心が折れてしまった。
すべてが思うようにいかずボロボロになったケンタがとった行動、それは登校拒否。

生徒に教えるはずの先生がまさかの登校拒否。
日本から遠く離れたウガンダの地で、たった独り悩みに悩んだ末にケンタが出した答えは現実逃避だった。
学校には行かず、ひたすら家に籠る毎日。

「活動もせずに逃げる自分が許せない」。
そんな後ろめたさも常に感じていたので、誰からも見られないように隠れるように生活した。
学校の敷地内に家があり、窓からはほかの先生や生徒たちが見える。
食べ物がなくて外に出るときは誰にも見つからないようにそーっと出て、夜になって暗くなってから家に戻った。

いちど、いっしょにケンタと夜になって家まで帰っていたときのこと。
真っ暗で道が見えずイクエがライトをバッグから取り出していたら「僕はもうあのときに慣れました。暗闇でも家に帰れるんです。」と言ったのが印象的だった。

現実逃避とは言ってもテレビもネットもないがらんとした部屋。
自分に何が足りないのか、自分に何ができるのか、ひたすらに自分と向き合う日々。

何もする気が起きず、3日間何も食べなかったこともあったんだそう。
現実から目を背け悩みに悩んだけれどケンタは逃げ出さなかった。
登校を拒否することじつに1か月半、自分なりの答えを見つけたケンタは校長先生に手紙を書いたんだそう。
どうして学校に行けなくなったのか。
1か月半何を悩んでいたのか。
自分の心の内を包み隠さず言葉にして校長先生に託すことにした。
1か月半登校拒否していたケンタを校長先生はしっかり受け止めてくれたんだって。

こんな人に言いづらい過去を告白してくれたケンタ。
聞いててちょっと泣きそうになった。
たった独りでよくがんばったと思う。

ケンタは新卒採用の隊員。
体育大学を卒業してそのまま隊員になった。
教員免許は持っているけれど、教えた経験はない。
教員どころか社会人経験もない。
そんな23歳の青年が、なにもかもが日本と違うウガンダで孤軍奮闘するのは並大抵のことじゃないと思う。
しかも生徒もほかの先生も必要としていない体育の授業。
逃げ出さず答えを自分で見つけたことはスゴいことだ。

青年海外協力隊員はなにも特別な人たちなんかじゃない。
みんなふつうの生身の人間。
日本の常識が通用しない異国の地で大なり小なり日々悩みながら、すこしでも地元の人たちの力になれたらとがんばっている。

協力隊が使う用語のなかで「任短」という言葉がある。
「任期短縮」の略で、活動を2年間続けられずに早めに帰国すること。
実際そういう隊員は珍しくない。
任短の理由で多いのが心の病い。
慣れない環境での暮らし、理想と現実とのギャップ、悩みを誰にも打ち明けられないし誰もわかってくれない、逃げ場もなくリフレッシュする方法がなくストレスは溜まるいっぽう・・・。

日本で暮らしている人のなかには「税金を使って日本の代表として海外に派遣されているのにそんなに弱音を言ってどうする!」と批判する人もいるかもしれない。
でも、協力隊の置かれた環境を知らずに軽はずみにそう批判することはできない。

協力隊になるときに希望の派遣先を聞かれはするけれど、望み通りの国に派遣される人はわずか。
ケンタもウガンダを希望していなかった。
「ウガンダってどこにあるの?どんな国?」そんな状態で行ったこともない国でいきなり2年間生活することになる。
しかも派遣地は田舎。
日本人はおろか外国人もほとんど住んでいない。
行ったこともない日本の田舎の村に突然よそ者としてたったひとりで入って暮らしていくことさえ大変なのに、その大変さをはるかにうわまわっている。

登校を拒否した末にふっ切れたケンタ。
10か月経ったいま、毎回8割くらいの生徒が授業に参加するようになったんだって。

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バレーボール一筋だった、同じく体育教師で別の街で活動中のサイカちゃんも加わって、生徒たちもゲームを楽しむ。
少しずつかもしれないけど、ケンタの思いは伝わっていってるんじゃないかな。
だってみんな楽しそうだもん。

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とは言っても文化や考え方が日本とはまったく違うからほんとに大変そう。
別の女子校で教えているサイカちゃんが言う。
「普通、日本ではバレーボールをしてメンバーがアタックを決めたら『いいね!』って褒めるし、ミスしたら『ドンマイ、大丈夫よ〜!』『次がんばろう!』って励ますでしょ。
それがこっちでは全然ないんですよ。
メンバーがミスしたらその子が落ち込むまで怒ったり文句言ったりするの。
個人競技じゃないのにね。」


ケンタたちがバレーボールをしている間、数人の生徒が横で勝手にサッカーをしていた。
このボールはケンタの私物で貸しているもの。

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授業が終わって帰ろうとしたら破れてぺちゃんこになったボールが放置されていた。
使っていた生徒は放ったらかしで知らんぷり。
どうしたのか問いただしても人ごとのような反応。
「だってボールがボロくて破れたから」と言うだけ。

ウガンダの人々は子どもから大人まで謝ることをしないんだそう。
100%非があってもぜったいに謝らない。
日本だと考えられないけどそれがここの常識。

ケンゾーとイクエは、ボールを破ってもただ放置して逃げるだけの生徒に対して腹が立った。
となりにいたサイカちゃんは「でも謝らせることをしてもムダ。こっちが疲れるだけですから。」と言っている。

そういうもんなんだと頭では分かっていてもやっぱりムカつくし、ケンタも最初は謝らせようと努力していたんだって。
でもケンタはそれをヤメたんだそう。
「自分は謝ることを教えるために来てる訳じゃないし、文化を変えるために来てる訳でもない。」
でも、口で言うのは簡単だけどそれって大変だと思うよ。
こっちも人間だもん、なかなか割り切れないよね。


酒が大好きなケンタ。
週末になるとひとりで街に繰り出し、地元の人たちと酒を酌み交わしているんだって。
そんなケンタ行きつけのバーに連れて行ってもらうことに。

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うん、ローカル感満載でいい感じ。
さすが入り浸ってるだけあって、ケンタは店員やほかの客ともすっかり溶け込んでる。

登校拒否の期間もよく飲みに来ていたんだって。
ケンタにとって酒を飲むことが唯一の逃げ場だった。
酒を飲みながら学校とは関係のない地元の人とたわいのない事を喋って笑うことで、なんとか持ちこたえることができたんだろう。

ケンタが通りを歩けば、たくさんの人が話しかける。
「いまの誰?」って聞くと「飲み友だちです」とケンタは言う。
たくさんできた友だちは、いまのケンタの財産。
彼らの存在があることで、登校拒否中もウガンダ人を嫌いにならずにすんだ。

ふだんは毎日3食学校の食堂で食事をしているケンタ。
毎日毎日ほぼ同じメニューだけどぜんぜん飽きないんだって。
学校のウガリがNo.1だと力説するケンタ。

じつはほかの隊員と同じく、ケンタも最初はウガ飯があまり好きじゃなかったんだそう。
でもウガ飯しか選択肢がないから食べるしかない。
しかたなく食べ続けること3か月、変化は突然おとずれた。

ある日を境にウガ飯の美味さに目覚めたんだって。
「昨日まで食べていたのとまったく同じものなのに違う味がする!」
「え?!これってこんなに美味しいものだったの?」
ウガンダ隊員はそれを『イーティングハイ』と呼んでいるんだそう。

自分の限界を超えて走り続けているとおとずれるランニングハイ。
それまで苦しくてしかたなかったのに、脳内モルヒネが分泌されて気持ちよくなってしまう。
ランナーを別の次元へと導くランニングハイ。

ウガンダ隊員はもれなくイーティングハイを経験するんだそう。
変化が数か月でおとずれる人もいれば半年かかる人もいる。
いずれにしてもイーティングハイになるとウガ飯なしでは生きていられないウガ飯LOVEになるんだそう。
一線を越えた者だけが知ることのできる世界。
まあ、知りたくないけど・・・。

ビールを飲みながらウガ飯について熱く語るケンタ。
ウガリもマトケ(食用バナナ)も好きだけど、ウガリのほうがちょっと上をいってるんだって。
ゼスチャーを交えて嬉しそうに語るケンタ。

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イーティングハイって、脳内モルヒネで味覚が麻痺しちゃってるだけなんじゃないの?って思うけど、ウガンダで生きていくうえでは必要不可欠なことなのかもしれない。
人間ってスゴいね。

食べ物がウガ飯しかないので、お腹が減ったときに思い浮かべるのはウガ飯。
「お腹がすいた〜。ウガ飯食べた〜い!」って必然的になるんだって。

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料理が苦手なケンタ。
いくらイーティングハイを会得したとは言え、さすがに日本食も恋しいだろうということで天ぷらを作ることに。
コンロはないので暖炉で火をおこす。

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ネタはヘルシーに野菜のみ。
炭火は火加減が難しいけど、なんとかうまく揚げることができた。

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ケンタ、お味は?
「なにこれ?モチモチだー!」

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え、なに?天ぷらでモチモチってどういうこと?
そんなアホな、と一口食べてみる。
「うわ、ほんとや、めっちゃモチモチ!」

衣がサクサクじゃなくてモッチモチ。
今までにない食感だけど悪くはない。
どうも小麦粉だと思ってたものが「メイズ」というウガリの原料の粉だったみたい。
ウガ飯LOVEなケンタにはちょうど良かったかも。

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夜、家の外に出ると満天の星空が広がっている。
一眼レフを持っているケンタに星の撮影の仕方を教えてあげると「うわっ、すげーすげーすげー!」と大興奮。
いつまでも星空にレンズを向けていた。

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ああ、純粋で熱くていいヤツだなあ。
日本帰国まであと1年。
楽しみながら走り切ってほしいな。
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Comment

はじめまして

お二人のブログを1ヶ月ほど前から読み始めてやっとここまできました!
観光地をまわるだけでなく、その国の歴史や文化を知ろうとする旅の記事は読んでいてとても楽しく、いろいろな事を考えさせられます。
海外協力隊も今まではグループで活動していて、苦労はしてもそれなりに楽しくやっていると思っていました。
1人で町(集落?)に行かされることもあるんですね…    
想像を絶する苦労も多々あると思いますが隊員の方には頑張ってもらいたいです。

長くなりましたが帰国の時まで楽しく、安全な旅を続けてください!

ひろとさま

一ヶ月でここまでたどり着いてくださってありがとうごさいます。

そうなんです。
とくにアフリカの隊員は孤独です。
水汲みもしないといけないし、暮らしていくだけで大変です。
そのうえ、現地の人と活動まで。
苦労も多いけど、みんないきいきとがんばっていました。

若い人には隊員になることをお勧めしたいです。
世界一周よりいいと思います(笑)

これからもわたしたちの旅をブログを通して楽しんでいただけたら嬉しいです。
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