最後の晩餐 in ケニア
ピータン以外とくに嫌いな食べ物はないケンゾーです。
べつにピータンが食べられなくてもまったく支障はないし、じつは最初に食べたピータンが激マズだっただけで普通のピータンならひょっとして美味しいと思うかも。
あとは、強いて挙げるとしたら高菜かな。
あの臭いがいまいち好きになれない。
野沢菜の漬け物は大好きなんだけどね。
でも日本食に飢えてる今だったらおいしく食べられるだろうなあ。
レンタサイクル代1人960円だけでお手軽にサファリを楽しんだケンゾーとイクエ。
さすがにライオンやゾウは見られなかったけど、野生動物をびっくりするほど至近距離で観察することができたから満足。
ウガンダに向けて移動を再開することに。
とりあえず隣町のナクルまで移動。
ナクルは大きな街なのでウガンダの首都カンパラ行きの国際バスが発着してるんじゃないかな。
ナイバシャ湖畔~ナイバシャ~ナクルとマタツを乗り継いでいく。
ナイバシャまでは100シリング(約120円)、ナクルまでは200シリング(約240円)。

日暮れに到着したナクルでは一晩泊まるだけ。
安宿はマタツ乗り場の目の前にいくつか並んでいる。
チョイスしたのは「PEKARS LODGE」。

ダブルルーム1泊800シリング(約980円)。
建物や室内は古いけれどきちんと掃除されていて清潔。
タオルと石けんが用意されていて嬉しい。

ナイロビのWi-Fi完備のバックパッカー御用達の宿に比べて、ケニアの一般のホテルは安い。
ナイロビ初日に泊まったホテルも日本のビジネスホテル並みのクオリティーでダブルで2000円弱だった。
外食費も安いし、スーパーの商品も安いし、ほかのアフリカ諸国よりも都会だけどけっして物価は高くない。
ふだん速乾タオルを使っているので、たまにフワフワのタオルを使うと気持ちよくてしあわせになる。
貧乏旅行をしていると幸せのハードルがびっくりするほど低くなる。
バスがすぐに出発した、冷たい飲み物が買える、お湯が出る、便座が壊れてない・・・。
現状に我慢し、あるもので満足するようになるとほんの些細なプラスαで幸せを感じることができる。
このハードルの低さを日本に持ち帰ったら、今までと違った生活を送れるんだろうけど、まあ無理だろうねえ。
たぶん3日で何でもあることがあたり前の思考回路に戻るだろうね、残念だけど。
バスルームは質素。
便座は壊れて無い。
まあ、このレベルのホテルで便座が付いてるなんてことはまずないから驚きもしない。

だけどまったく予想もしてなかったプラスαが。
なんとお湯シャワーが浴びられる!

ケニアに入ってから見かけるようになった瞬間湯沸かし式シャワー。
見た目はちゃちいけどちゃんとあったかいシャワーが浴びられる。
ああ、しあわせだあ。
ケニアの街は危ないイメージがあるけど、ナイロビ以外の地方都市はそんなに危ない感じはしない。
ここナクルは人口36万人の比較的大きな街。
それでも日が暮れて出歩いている人も多いし、ナイロビの商店には必ずついていた客と店員を隔てる鉄格子はこの街の店には取り付けられていない。
予定ではあした国境を越えることになるので今夜はケニア最後の夜。
いつもその国最後の食事はちょっと気になる。
マズいものを食べて出国したらその国の印象が悪くなる気がするので、せっかくなら美味しいものを食べたい。
なにか良さげなレストランがないかなあと物色していると、中華料理屋を発見!
そうだ、リーズナブルな中華料理屋を見つけた時もしあわせだ。
店員は現地人だけど、よく観察するとコックはちゃんと中国人。
よーしよし、久しぶりの中華、テンションが上がる ♪
メニューが多くて決められない。
あ~、選べるって素晴らしい!
許されるのであれば一口ずつでいいから全メニューを食べたい。
あ~決められないよ!
慎重に真剣に悩んだ末、豚肉の炒め物とナスの炒め物、そしてチャーハンに決定。
3品とビール1本で1490シリング(約1820円)。
久しぶりの贅沢な食事だ。

味はね・・・中華万歳!!
ほんっとにウマかった。
やっぱり豚肉はいいね。
豚肉を食べてるときにいつも思うのは、宗教的に豚肉が食べられない人たちは可哀想だなあってこと。
こんなにおいしいものが食べられないなんて。
まあ、食べたいのを我慢してる訳ではなくて忌み嫌ってるから大きなお世話だと思うけど。
イスラム教の国じゃなくても、習慣的に豚肉を食べない国も多い。
豚の見かけやにおいが原因なのかも。
エチオピアでも豚肉を食べる機会はなかった。
エジプト、スーダン、エチオピアと豚肉なしで生活していたからひさしぶりの豚肉!

アツアツとろとろのナスもウマい!
そう言えば、食べ物が激マズで散々だったモンゴルから中国に移動して最初に食べたナス料理にも涙が出るほど感動したなあ。
いやあ、ケニア最後の夜はいい夜になった。
ナクルからウガンダの首都カンパラまで国際バスがあったのはあったんだけど、出発が昼のみ。
カンパラに到着するのが夜になってしまうので刻んで行くことに。
まずはマタツで国境の街ブシアをめざす。

マタツ乗り場に足を踏み入れると客引きがうじゃーっと寄ってくる。
ここの客引きは手を掴んだり荷物を強引に車に積み込もうとするなどかなりタチが悪い。

ケンゾーとイクエも客引きの勢いに圧倒されてすぐに車を決めてしまった。
ブシアまで1人1000シリング(約1220円)払ったんだけど、落ちついて考えるとちょっと高い気がする。
他の客のチケットを盗み見すると900とか800っていう数字が見てとれる。
う~ん、この人たちはブシアの手前で降りるのかもしれないけど、ぼられてる可能性も大だ。
他にもブシア行きのマタツがないか探していると2台見つかって、しかも安い。
しまったなあ、ケニアのマタツはちゃんと行き先が表示されているので、客引きに惑わされずにちゃんと1台ずつ値段を聞いて回ればよかった。

それでも諦めきれずに返金交渉を試みるイクエ。
一度払ってしまったものは返ってこないだろうとケンゾーは諦めてたんだけど、なんと200シリング取り返してきた。

イクエを取り囲んで話を聞いていたほかの客引きたちが、車掌に「返してあげなさい」って言ってくれたんだって。
やるなあ34歳。
だてに歳を重ねてきた訳じゃない。
ときどき「え?マジで!?」っていうような行動力を発揮することがある。
けっきょくブシアまで1人900シリングになったんだけど、交渉すれば800シリングでもいけると思う。
問題は料金よりも時間。
満席にならないと発車しないんだけど、肝心の乗客がぜんぜん集まらない。
朝7時にマタツ乗り場に行ったのに気付けばもう11時!
車のエンジンさえ架けられずに4時間も経ってしまった。
完全に車のチョイスミスだ。
11時過ぎにようやくマタツが走りだした。
これじゃあ今日中に国境越えるのは厳しいかもしれない。
きのう最後の晩餐だと思って奮発したのに・・・。
ウガンダへ向けて西へと走るマタツ。
だんだん緑が濃くなってきた。
もうサバンナって感じじゃないね。


午後3時、ほぼ中間地点の街キスムに到着。
はあ、またここで客待ちをするのかなあと思っていたら「早く降りて!車チェンジだ!」とまさかの乗り換えを宣言された。

やられた!どうせブシアまで直行じゃないんだったらキスム行きのマタツに乗ったほうがよかったよ。
ブシアよりも近いキスム行きのほうが人もすぐに集まって早く出発してたはず。
アフリカではたまにこういうことがある。
直行と言われて乗ったけれど、実は乗り換えないといけない。
運賃は最初に支払っているので新たに払う必要はなく、車掌が次の車掌に乗客と金を引き渡す。
結局ここでも出発するまで待つはめに。
1時間のロス。
もう今日中に国境を越えるのは絶望的だ。
国境の街ブシアへ向けてようやく走りだしたマタツ。
ただ座席に座ってるだけだけど長い一日だ。
ウガンダに近づくにつれ木々が高くなりうっそうと生い茂るようになってきた。
アフリカというよりは東南アジアに近い雰囲気。


ウガンダは国土の大半が標高1000m以上の山岳地帯。
サバンナが広がるケニアとは景色も気候もガラッと一転する。
トラックやトレーラーの数が増えてきて、とうとう路肩を埋め尽くすほどに。
午後7時、国境の街ブシアに到着。

もう今夜は国境を越えるのは危険なのでケニア側で泊まることに。
いやあ、旅ってほんとに予定通りには進まないなあ。
まあ、それが醍醐味でもあるんだけどね。
国境付近にホテルはけっこう点在している。
2000円くらい出せばきれいなWi-Fiつきのホテルもあるけれど、きのう最後の晩餐を食べたケンゾーとイクエにそんな選択肢はもちろんない。
選んだのはサファリとは恐らくなんの関係もない「Safari Hotel」。

ベッドが置いてあるだけのシンプルな部屋で1泊500シリング(約610円)。
最初は600シリングと言われたけれど「500は?」と言ったら笑顔で「まあ、いいか」と言ってくれた。
ケニアでは値下げ交渉であっさり引き下げてくれることが多い。
トイレ・シャワーは部屋に付いてるけれど、もちろん水シャワー。

今夜こそケニアでの最後の晩餐。
ホテルの周囲を探しまわるも、時間が遅くてほとんどの店が閉まっている。
選ぶなんて事はできず、唯一見つけたのはローカルな食堂。
いままでウガリ(トウモロコシやキャッサバの粉をお湯でこねて蒸したもの。東アフリカの広い範囲で主食として食べられている)は避けてきたんだけど、最後の最後にご対面と相成った。
「ケニアで国民食のウガリを食べないで去るのもなんだし、最後に経験しとくか。」


地元の人たちはウガリを手に取って寿司のシャリのようにニギニギと握って団子状にして食べる。
手つきがほんとに寿司を握ってるみたいで、パッと見おいしそうな錯覚を覚えるんだけどはっきり言ってマズい。
味がまったくしないので食べる意味が分からない。
色は白くて米っぽいんだけど、米の代わりにはぜんぜんならない。
個人的にはまだインジェラのほうがマシだなあ。
イクエは「甘くない『かるかん』」と言ってるけど、それはないなあ。
けっきょく苦い思い出となったケニア最後の夜。
でも、じつはこれは序章にしか過ぎなかったんだよねえ。
ウガリとの辛い闘いが待っていることを、この時は知るよしもなかったケンゾーとイクエだった。
べつにピータンが食べられなくてもまったく支障はないし、じつは最初に食べたピータンが激マズだっただけで普通のピータンならひょっとして美味しいと思うかも。
あとは、強いて挙げるとしたら高菜かな。
あの臭いがいまいち好きになれない。
野沢菜の漬け物は大好きなんだけどね。
でも日本食に飢えてる今だったらおいしく食べられるだろうなあ。
レンタサイクル代1人960円だけでお手軽にサファリを楽しんだケンゾーとイクエ。
さすがにライオンやゾウは見られなかったけど、野生動物をびっくりするほど至近距離で観察することができたから満足。
ウガンダに向けて移動を再開することに。
とりあえず隣町のナクルまで移動。
ナクルは大きな街なのでウガンダの首都カンパラ行きの国際バスが発着してるんじゃないかな。
ナイバシャ湖畔~ナイバシャ~ナクルとマタツを乗り継いでいく。
ナイバシャまでは100シリング(約120円)、ナクルまでは200シリング(約240円)。

日暮れに到着したナクルでは一晩泊まるだけ。
安宿はマタツ乗り場の目の前にいくつか並んでいる。
チョイスしたのは「PEKARS LODGE」。

ダブルルーム1泊800シリング(約980円)。
建物や室内は古いけれどきちんと掃除されていて清潔。
タオルと石けんが用意されていて嬉しい。

ナイロビのWi-Fi完備のバックパッカー御用達の宿に比べて、ケニアの一般のホテルは安い。
ナイロビ初日に泊まったホテルも日本のビジネスホテル並みのクオリティーでダブルで2000円弱だった。
外食費も安いし、スーパーの商品も安いし、ほかのアフリカ諸国よりも都会だけどけっして物価は高くない。
ふだん速乾タオルを使っているので、たまにフワフワのタオルを使うと気持ちよくてしあわせになる。
貧乏旅行をしていると幸せのハードルがびっくりするほど低くなる。
バスがすぐに出発した、冷たい飲み物が買える、お湯が出る、便座が壊れてない・・・。
現状に我慢し、あるもので満足するようになるとほんの些細なプラスαで幸せを感じることができる。
このハードルの低さを日本に持ち帰ったら、今までと違った生活を送れるんだろうけど、まあ無理だろうねえ。
たぶん3日で何でもあることがあたり前の思考回路に戻るだろうね、残念だけど。
バスルームは質素。
便座は壊れて無い。
まあ、このレベルのホテルで便座が付いてるなんてことはまずないから驚きもしない。

だけどまったく予想もしてなかったプラスαが。
なんとお湯シャワーが浴びられる!

ケニアに入ってから見かけるようになった瞬間湯沸かし式シャワー。
見た目はちゃちいけどちゃんとあったかいシャワーが浴びられる。
ああ、しあわせだあ。
ケニアの街は危ないイメージがあるけど、ナイロビ以外の地方都市はそんなに危ない感じはしない。
ここナクルは人口36万人の比較的大きな街。
それでも日が暮れて出歩いている人も多いし、ナイロビの商店には必ずついていた客と店員を隔てる鉄格子はこの街の店には取り付けられていない。
予定ではあした国境を越えることになるので今夜はケニア最後の夜。
いつもその国最後の食事はちょっと気になる。
マズいものを食べて出国したらその国の印象が悪くなる気がするので、せっかくなら美味しいものを食べたい。
なにか良さげなレストランがないかなあと物色していると、中華料理屋を発見!
そうだ、リーズナブルな中華料理屋を見つけた時もしあわせだ。
店員は現地人だけど、よく観察するとコックはちゃんと中国人。
よーしよし、久しぶりの中華、テンションが上がる ♪
メニューが多くて決められない。
あ~、選べるって素晴らしい!
許されるのであれば一口ずつでいいから全メニューを食べたい。
あ~決められないよ!
慎重に真剣に悩んだ末、豚肉の炒め物とナスの炒め物、そしてチャーハンに決定。
3品とビール1本で1490シリング(約1820円)。
久しぶりの贅沢な食事だ。

味はね・・・中華万歳!!
ほんっとにウマかった。
やっぱり豚肉はいいね。
豚肉を食べてるときにいつも思うのは、宗教的に豚肉が食べられない人たちは可哀想だなあってこと。
こんなにおいしいものが食べられないなんて。
まあ、食べたいのを我慢してる訳ではなくて忌み嫌ってるから大きなお世話だと思うけど。
イスラム教の国じゃなくても、習慣的に豚肉を食べない国も多い。
豚の見かけやにおいが原因なのかも。
エチオピアでも豚肉を食べる機会はなかった。
エジプト、スーダン、エチオピアと豚肉なしで生活していたからひさしぶりの豚肉!

アツアツとろとろのナスもウマい!
そう言えば、食べ物が激マズで散々だったモンゴルから中国に移動して最初に食べたナス料理にも涙が出るほど感動したなあ。
いやあ、ケニア最後の夜はいい夜になった。
ナクルからウガンダの首都カンパラまで国際バスがあったのはあったんだけど、出発が昼のみ。
カンパラに到着するのが夜になってしまうので刻んで行くことに。
まずはマタツで国境の街ブシアをめざす。

マタツ乗り場に足を踏み入れると客引きがうじゃーっと寄ってくる。
ここの客引きは手を掴んだり荷物を強引に車に積み込もうとするなどかなりタチが悪い。

ケンゾーとイクエも客引きの勢いに圧倒されてすぐに車を決めてしまった。
ブシアまで1人1000シリング(約1220円)払ったんだけど、落ちついて考えるとちょっと高い気がする。
他の客のチケットを盗み見すると900とか800っていう数字が見てとれる。
う~ん、この人たちはブシアの手前で降りるのかもしれないけど、ぼられてる可能性も大だ。
他にもブシア行きのマタツがないか探していると2台見つかって、しかも安い。
しまったなあ、ケニアのマタツはちゃんと行き先が表示されているので、客引きに惑わされずにちゃんと1台ずつ値段を聞いて回ればよかった。

それでも諦めきれずに返金交渉を試みるイクエ。
一度払ってしまったものは返ってこないだろうとケンゾーは諦めてたんだけど、なんと200シリング取り返してきた。

イクエを取り囲んで話を聞いていたほかの客引きたちが、車掌に「返してあげなさい」って言ってくれたんだって。
やるなあ34歳。
だてに歳を重ねてきた訳じゃない。
ときどき「え?マジで!?」っていうような行動力を発揮することがある。
けっきょくブシアまで1人900シリングになったんだけど、交渉すれば800シリングでもいけると思う。
問題は料金よりも時間。
満席にならないと発車しないんだけど、肝心の乗客がぜんぜん集まらない。
朝7時にマタツ乗り場に行ったのに気付けばもう11時!
車のエンジンさえ架けられずに4時間も経ってしまった。
完全に車のチョイスミスだ。
11時過ぎにようやくマタツが走りだした。
これじゃあ今日中に国境越えるのは厳しいかもしれない。
きのう最後の晩餐だと思って奮発したのに・・・。
ウガンダへ向けて西へと走るマタツ。
だんだん緑が濃くなってきた。
もうサバンナって感じじゃないね。


午後3時、ほぼ中間地点の街キスムに到着。
はあ、またここで客待ちをするのかなあと思っていたら「早く降りて!車チェンジだ!」とまさかの乗り換えを宣言された。

やられた!どうせブシアまで直行じゃないんだったらキスム行きのマタツに乗ったほうがよかったよ。
ブシアよりも近いキスム行きのほうが人もすぐに集まって早く出発してたはず。
アフリカではたまにこういうことがある。
直行と言われて乗ったけれど、実は乗り換えないといけない。
運賃は最初に支払っているので新たに払う必要はなく、車掌が次の車掌に乗客と金を引き渡す。
結局ここでも出発するまで待つはめに。
1時間のロス。
もう今日中に国境を越えるのは絶望的だ。
国境の街ブシアへ向けてようやく走りだしたマタツ。
ただ座席に座ってるだけだけど長い一日だ。
ウガンダに近づくにつれ木々が高くなりうっそうと生い茂るようになってきた。
アフリカというよりは東南アジアに近い雰囲気。


ウガンダは国土の大半が標高1000m以上の山岳地帯。
サバンナが広がるケニアとは景色も気候もガラッと一転する。
トラックやトレーラーの数が増えてきて、とうとう路肩を埋め尽くすほどに。
午後7時、国境の街ブシアに到着。

もう今夜は国境を越えるのは危険なのでケニア側で泊まることに。
いやあ、旅ってほんとに予定通りには進まないなあ。
まあ、それが醍醐味でもあるんだけどね。
国境付近にホテルはけっこう点在している。
2000円くらい出せばきれいなWi-Fiつきのホテルもあるけれど、きのう最後の晩餐を食べたケンゾーとイクエにそんな選択肢はもちろんない。
選んだのはサファリとは恐らくなんの関係もない「Safari Hotel」。

ベッドが置いてあるだけのシンプルな部屋で1泊500シリング(約610円)。
最初は600シリングと言われたけれど「500は?」と言ったら笑顔で「まあ、いいか」と言ってくれた。
ケニアでは値下げ交渉であっさり引き下げてくれることが多い。
トイレ・シャワーは部屋に付いてるけれど、もちろん水シャワー。

今夜こそケニアでの最後の晩餐。
ホテルの周囲を探しまわるも、時間が遅くてほとんどの店が閉まっている。
選ぶなんて事はできず、唯一見つけたのはローカルな食堂。
いままでウガリ(トウモロコシやキャッサバの粉をお湯でこねて蒸したもの。東アフリカの広い範囲で主食として食べられている)は避けてきたんだけど、最後の最後にご対面と相成った。
「ケニアで国民食のウガリを食べないで去るのもなんだし、最後に経験しとくか。」


地元の人たちはウガリを手に取って寿司のシャリのようにニギニギと握って団子状にして食べる。
手つきがほんとに寿司を握ってるみたいで、パッと見おいしそうな錯覚を覚えるんだけどはっきり言ってマズい。
味がまったくしないので食べる意味が分からない。
色は白くて米っぽいんだけど、米の代わりにはぜんぜんならない。
個人的にはまだインジェラのほうがマシだなあ。
イクエは「甘くない『かるかん』」と言ってるけど、それはないなあ。
けっきょく苦い思い出となったケニア最後の夜。
でも、じつはこれは序章にしか過ぎなかったんだよねえ。
ウガリとの辛い闘いが待っていることを、この時は知るよしもなかったケンゾーとイクエだった。