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2016年2月14日に帰国!
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ケンゾー   イクエ


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ひとつの民族が消えた街

2014.09.16 06:27|コソボ☞EDIT
久しぶりに風邪をひいてしまったケンゾーです。
すこし熱があるので母直伝の秘策で療養中。
その秘策とは・・・とにかく厚着をして寝て汗をかく!
子どものころから熱が出た時は汗かき作戦だった。
40歳になる今でもこの技を使ってるんだけど、妻の反応は「ふ~ん・・・」。
冷ややかな妻を横目にありったけの服を着込んで必死に汗かき中!

セルビアからの独立をほぼ成し遂げ、一見すると平和な生活を取り戻したかに見えるコソボ。
けれど、いったん殺し合いにまで発展してしまった民族・宗教対立は、まだまだここに住む人々に深い影を落としている。

きょうは朽ち果てようとしている世界遺産のセルビア正教会があったプリズレンから、首都プリシュティナへ移動。
バスの車窓から広い敷地をもつKFOR(NATO主体の国際部隊)の駐屯地が見える。

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ここはドイツの部隊だろうか。
コソボ紛争終結から15年。
他国の部隊が撤退する日はいつやってくるのか。

プリズレンからプリシュティナまでは4ユーロ。
およそ1時間半でプリシュティナのバスターミナルに到着。

プリシュティナ

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新しい街に到着したとき、最初に乗り越えないといけないハードルがある。
それは、ホテルまでどうやって行きつくかということ。

駅もバスターミナルも繁華街も一か所に集まっていて、どこに行くのも徒歩圏内っていう小さな町だと心配無用。
大きな街でもメトロやトラム、外国人にも路線が分かりやすいバスがあれば大丈夫。
問題なのはその中間。
ターミナルや駅から公共の交通手段があるのか分かりにくい、そして歩くには街が大きすぎる場合。

プリシュティナはまさにそういう中途半端な街。
バスターミナルからホテルまでおよそ4km。
バックパックを背負って歩くにはちょっと遠い。
けれどバスターミナルの周囲にはタクシーの姿しか見えない。
幹線道路まで出ると客待ちしてる乗合いワゴンが見つかったんだけど、言葉が通じなくてどれが街のセンターに行くのかさっぱり分からない。

しばらく奮闘したんだけど諦めて、普段は使わないタクシーに乗ることに。
どうでもいいことなんだけど、タクシーを使っちゃうとなんだか「負けた」感じがするんだよね。
「あ~あ、まだまだダメだなあ」なんて思ってしまう。

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バスターミナルからホテルがあるセンターまで値切って3ユーロ。
あとでホテルのオーナーに聞くと「3ユーロで乗れたんならいいほうだよ」って言われたけど、やっぱりタクシーは贅沢な乗り物だ。

ネットで予約した宿は「HOSTEL PRISHTINA」
団地のような建物の一室で、看板も小さくてパッと見はここにゲストハウスがあるなんて分からない。

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部屋は6ベッドドミトリーで1ベッド8ユーロ。
Wi-Fi、キッチンありで、共有スペースも居心地がいい。

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コソボ紛争の際には激戦地となったプリシュティナ。
深刻なダメージを受けた街は、いまだに復興の道半ばにある。
そんなプリシュティナの街の一画にあるのが・・・

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ビル・クリントン元アメリカ合衆国大統領の銅像。
セルビアを空爆し、独立を後押ししてくれたクリントンとアメリカはコソボでは英雄扱い。

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ちなみに、この銅像が置かれている前の通りは「ビル・クリントン ストリート」。
ここまでアメリカ大好きな国もほんとに珍しい。
ほかにも、自由の女神が屋根の上にのっかってる、その名も「VICTORY」というホテルもある。

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宿の近くにあるマーケット。
いまはラマダン(イスラムの断食月)中なんだけどなかなか活気がある。

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人で賑わうマーケットを見ると景気がいいように見えるけれど、コソボはヨーロッパ最貧国のひとつ。
自分たちでは生活が成り立たず、25%の世帯が国外に住む親類縁者からのお金に頼っているんだそう。

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プリシュティナの目抜き通り。
両サイドにブティックやレストランが並んだまだ真新しい通り。

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路上にはアクセサリーやおもちゃを売る露店が並んでいる。
どの国でも見かけるよくある光景。

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風車に風船、ほのぼのした微笑ましい光景。
でも国旗柄の風船は珍しい。
青いコソボと赤いアルバニア。
こんなところにまで見え隠れする民族意識。

キャーキャー叫びながら噴水で遊ぶ、紛争後に生まれた子どもたち。

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その子どもたちの背後には、紛争でなくなったアルバニア人の写真が掲げられている。

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電光掲示板で次々に映し出される犠牲者のプロフィール。

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忘れてはいけない悲劇だけど、紛争を知らない子どもたちに過度な民族意識を芽生えさせ、争いを煽ることがないように願うのみ。

紛争前はプリシュティナの人口の15%ほどいたセルビア人。
NATO軍がセルビアを空爆しはじめると、セルビア人がアルバニア人を虐殺。
紛争後セルビア軍が撤退すると、逆にこんどはアルバニア人がセルビア人を虐殺。
ほとんどのセルビア人は逃げ出し、現在プリシュティナにセルビア人はほぼいないんだそう。

セルビア人がいなくなったプリシュティナから離れることおよそ10km、数少ないセルビア人たちが暮らすグラツァニッツァという村に世界遺産になっているセルビア正教の修道院がある。
ホテルのオーナーに乗合いワゴンでの行き方を教えてもらったけれど、乗ったワゴンがぜんぜん違うところに行ってしまった。
他の客は降りてしまって、そのままワゴンのおじさんがグラツァニッツァまで送ってくれることになった。
ワゴンを5.5ユーロでチャーター。
20分くらい車を走らせると突然街中にセルビアの国旗が翻るようになった。
セルビア人の村、グラツァニッツァに入ったみたい。

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ゲートや境界線などはないけれど、コソボにあってコソボではないセルビア人が住む小さな村。
村にはキリル文字があふれ、通貨もセルビアディナールが使われているんだそう。

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そんな小さなセルビア人コミュニティの中にあるのが世界遺産のグラツァニッツァ修道院
趣きのある石造りの塀には鉄条網が張り巡らされている。

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1310年に建てられたグラツァニッツァ修道院。
ビザンチン建築の傑作と言われているんだそう。

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内部は上から下まで鮮やかなフレスコ画で埋め尽くされ、厳かな雰囲気に包まれている。

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観光客に混じってKFORの軍人たちの姿も。
教会と軍服、宗教と争い・・・歴史的には切っても切れない繋がりがあるけれど、どうしても違和感をぬぐいきれない。

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芝生が青々と茂る庭園で結婚写真を撮影しているセルビア人カップル。
きっといま、幸せの絶頂にいる笑顔のふたり。

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小さな村で肩身の狭い思いをして生きているコソボに住むセルビア人たち。
どうかこの笑顔が永遠に続きますように。
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