ハンガリー「ブダペストの街」☆☆ 沈没者続出の街の美
夫婦とも日本からもってきていたシューズが同程度に痛んで穴が空き、夫は7000円くらいで新しい靴を買ったいっぽう、エジプト人のおっちゃんに200円くらいで修理してもらったイクエです。
いつまでもつかなあ。
カウチサーフィンを使ったホームステイのはずなのに、家の主はそこに住んでいなくて空き部屋をふたりだけで自由に使わせてもらっているイクエとケンゾー。
部屋はきれいだし気兼ねなくふたりだけで過ごせるし、居心地がよすぎてほとんど外出せずに部屋でくつろいでばかりいる。

でも、それはもったいない!
この歴史ある美しい建物が建ち並ぶブダペストは世界遺産になっているのだから。

いまでこそ「ブダペスト」と呼ばれるハンガリーの首都。
昔は「ブダ」と「ペスト」と言う街に分かれていた。
ブダペストの街の真ん中にはドナウ川が流れていて、この川の西側がブダ、そして東側がペスト。
まずは商業の街として栄えたペスト側から探索スタート♫
ペスト側でもっとも大きくて壮麗な建物がこちら。
この建物なんだと思う?

1885年から1902年にかけて造られたネオゴシック様式のこの美しい建物。
なんと現役の国会議事堂!
内部には691もの部屋があって、絵画や彫像などの調度品で埋め尽くされているうえ、トイレまでも細かい装飾がなされているのだそう。
このルネッサンス風の赤い屋根のドームは高さが96メートルあって目立つので、まさに街のシンボル。
お城のようでもあるし、大きな教会のようでもある。
赤いドームはイタリア・フィレンツェの大聖堂に似ている。

ドームの高さがなぜ96メートルなのかというと、ハンガリーができた896年にちなんでいるから。
896年にここに定住しはじめたマジャル民族はハンガリー人の祖先。
もともとマジャル民族は、ウラル山脈の東側に住んでいた遊牧民だったのだそう。
いわばアジア人。
ハンガリーのまわりのほかの国はラテン系やスラブ系だけど、ハンガリーだけ異質の存在。
だからハンガリーは「ヨーロッパに投げられたアジアの石」なんて言われることもあるんだって。
今では混血も進んでハンガリー人はアジア顏ではないけれど、それでも赤ちゃんのお尻には蒙古斑があってアジア人のなごりがあるのだとか。
それに、名前も日本と同じように名字・名前の順番なんだって。
そんなハンガリーの旗が国会議事堂には掲げられていた。

街の中でこの旗をよく見かけるんだけど、最初は「なんでイタリアの旗がこんなに多いんだろう」なんて失礼なことを思っていた。
色はいっしょだけど、イタリアは横縞じゃなくて縦縞。
豪華な国会議事堂の前には民族博物館。
むかしは最高裁判所として使われていた。

民族博物館の前には、地面と同じ高さに水が張られている。
向こう側は階段状になっていて一段低い場所に下りられるようになっているというシンプルな設計なんだけど、遠くから見ると人が水の中を歩いているみたいに見える。
こういう仕掛けが国会の前にあるという遊び心がいいね。

ブダとペストが合併したのは1873年。
それまではお隣オーストリアのウィーンに力で負けていたけれど、合併してから勢いのついたブダペストは合併後数十年で飛躍的な発展をした。
人口ではウィーンを超すまでになったんだって。

といってもやっぱりウィーンのほうが華やかだし、観光地としてもそれほどメジャーじゃない。
でもブダペストには日本人が大好きなアレが点在している。

コレ!
ウィーンのシェーンブルン宮殿を彷彿とさせる黄色い壁の横長の建物。
1913年につくられたこの施設。
入口を入ると、広い中庭のようなところに出る。
そこには・・・。

宮殿のような黄色い建物に囲まれて存在しているのはプール!じゃなくて温泉!!
じつはハンガリーは温泉大国。
ここブダペストには100以上の源泉があって、公衆浴場も50か所くらいあるんだって。
なかでも、このセーチェニ温泉は華麗な建物と広くて開放的な温泉が大人気。
でも利用料はけっこうお高くて1回2000円以上しちゃうから、窓から見学だけさせてもらった。
観光客のみなさんは、プールサイド(温泉サイド?)にビキニで寝転んでリラックスしていた。
奥には足湯のようなスペースも。
お湯に浸かったり、寝転んで休憩したり。
一日中楽しめる場所だけど、日焼けしそう。

この温泉を有名にしているのが、プールの中にチェス盤が取り付けてあること。
お湯に浸かったまま、頭を抱え込んでチェスに興じるおじさんたち。

このセーチェニ温泉はローマ時代の公衆浴場をイメージしてつくられたんだって。
ローマ時代から公衆浴場は市民たちの憩いの場、出会いの場、おしゃべりの場、だったんだろうね。

ブダペストのペスト側を見たので、こんどはブダ側へ行ってみよう!
ペスト側は平らな土地だけど、ブダ側は丘が続く丘陵地帯。
さらに、商業で栄えたペスト側は交通量も多く活気があるけど、ブダ側は王宮がそびえて落ちついた雰囲気。
丘の上には上品な建物が並び、ペスト側にはない気品さがあふれている。

街の中央にドナウ川が流れているブダペストではクルーズも人気。
ゆっくりと変わる景色を優雅に船上から楽しむのもいいかも。
橋を渡ってブダ側に着いて、最初に目に入ったのはさきほど紹介した対岸の国会議事堂。
離れるほど美しく見える。
川沿いに建つという立地が、ますます華麗さを引き立てている。

丘になっているブダ側。
古い建物に沿うように階段があり、上へ上へとのぼっていく。

高くそびえる白い塔に、カラフルな屋根の建物はマーチャーシュ教会。

1541年にオスマン朝に占領されたときは、この教会はモスクに改装されたのだそう。
けれどオスマン朝が撤退してからは、ふたたびカトリック教会に。
波乱の歴史を生き抜いてきた建物。

もうそろそろ陽が沈むころ。
青かった空が、色を落としはじめる。
太陽の光を受けて輝いていた白亜の教会も、柔らかいグレーに。

落ちついたたたずまいのブダの街が、ますます上品さを帯びる時間帯。
この街の魅力が引き出される夕暮れ時。


昔はこのあたりには魚市場があったのだそう。
その場所に建つ石灰石でつくられた要塞、漁夫の砦。
ここからは夕陽を浴びる川向こうのペストの街を見下ろせる。

「ドナウのバラ」と例えられることもあるブダペスト。
夕陽に照らされる国会議事堂は、たしかにドナウ川のほとりに咲き誇るバラのよう。

川沿いに停泊している長い船は、ホテル。
ずっとここに停泊し、宿泊客を迎えている。
街の中の2本の塔に大きな丸屋根の建物は、聖イシュトヴァーン大聖堂。
1905年に造られたもので、8000人を収容できる大きな教会。

夕陽を受けるブダペストの街も美しいけど、日が落ちてからも新たな魅力を見せてくれる。
太陽の光に代わって、あたたかいオレンジの灯りがこの街を照らす。


日本のようにギラギラしたネオンサインや高層ビルの窓からもれる蛍光灯の光がない。
だからこそ、ライトアップされた街のランドマークたちが夜でも主役になれる。

存在感たっぷりで威厳のあるたたずまいの王宮。
街を静かに見下ろしている。

ドナウ川に架かるくさり橋。
ブダとペストを結ぶ橋は9本あるけど、第二次大戦のときにはすべて破壊されたのだそう。
修復されたけど、もし破壊されなければもっと歴史ある美しい橋が残っていたのだろうと思うと残念。


さて、豊かな水量のドナウ川を挟んで美しい建物が建ち並ぶ「ブダペスト」。
「星いくつ?」
「星、2つ!」
国会議事堂や王宮、教会・・・。
ブダペストの街には、歴史ある建物が点在していて街歩きが楽しい。

建物だけじゃなくて、ブダペストの世界遺産にはなんと地下鉄も含まれている。
1896年、ロンドンに次いで世界で2番目に古く、ユーラシア大陸では初めて開業されたんだって。
いまとなってはただの古い地下鉄だけど、そんな歴史ある地下鉄に乗って街を移動するのもいい。
さらに夜景もきれいだから、同じ場所でも時間帯によって違う景色を楽しめる。
街歩きに疲れたら、温泉でゆっくりしてもよし。
ブダペストの街は、チェコのプラハに似ている。
プラハには街の真ん中にモルダウ川が流れていて、街を見下ろす丘にはプラハ城が建っていた。
どちらが好きかと言われれば、プラハかな。
プラハのほうがカラフルな建物が多くて、華やか。
プラハが女性的ならブダペストは男性的。
ブダペストにはいぶし銀のような落ちついた美しさがある。

そんな静かで落ちついた歴史あるブダペストでは沈没(長期滞在)するバックパッカーが多い。
薄汚れたバックパッカーも、たまにはこんな美しくてコンパクトで街歩きが楽しい歴史ある場所で旅の疲れを癒やしたいよね。
いつまでもつかなあ。
カウチサーフィンを使ったホームステイのはずなのに、家の主はそこに住んでいなくて空き部屋をふたりだけで自由に使わせてもらっているイクエとケンゾー。
部屋はきれいだし気兼ねなくふたりだけで過ごせるし、居心地がよすぎてほとんど外出せずに部屋でくつろいでばかりいる。

でも、それはもったいない!
この歴史ある美しい建物が建ち並ぶブダペストは世界遺産になっているのだから。

いまでこそ「ブダペスト」と呼ばれるハンガリーの首都。
昔は「ブダ」と「ペスト」と言う街に分かれていた。
ブダペストの街の真ん中にはドナウ川が流れていて、この川の西側がブダ、そして東側がペスト。
まずは商業の街として栄えたペスト側から探索スタート♫
ペスト側でもっとも大きくて壮麗な建物がこちら。
この建物なんだと思う?

1885年から1902年にかけて造られたネオゴシック様式のこの美しい建物。
なんと現役の国会議事堂!
内部には691もの部屋があって、絵画や彫像などの調度品で埋め尽くされているうえ、トイレまでも細かい装飾がなされているのだそう。
このルネッサンス風の赤い屋根のドームは高さが96メートルあって目立つので、まさに街のシンボル。
お城のようでもあるし、大きな教会のようでもある。
赤いドームはイタリア・フィレンツェの大聖堂に似ている。

ドームの高さがなぜ96メートルなのかというと、ハンガリーができた896年にちなんでいるから。
896年にここに定住しはじめたマジャル民族はハンガリー人の祖先。
もともとマジャル民族は、ウラル山脈の東側に住んでいた遊牧民だったのだそう。
いわばアジア人。
ハンガリーのまわりのほかの国はラテン系やスラブ系だけど、ハンガリーだけ異質の存在。
だからハンガリーは「ヨーロッパに投げられたアジアの石」なんて言われることもあるんだって。
今では混血も進んでハンガリー人はアジア顏ではないけれど、それでも赤ちゃんのお尻には蒙古斑があってアジア人のなごりがあるのだとか。
それに、名前も日本と同じように名字・名前の順番なんだって。
そんなハンガリーの旗が国会議事堂には掲げられていた。

街の中でこの旗をよく見かけるんだけど、最初は「なんでイタリアの旗がこんなに多いんだろう」なんて失礼なことを思っていた。
色はいっしょだけど、イタリアは横縞じゃなくて縦縞。
豪華な国会議事堂の前には民族博物館。
むかしは最高裁判所として使われていた。

民族博物館の前には、地面と同じ高さに水が張られている。
向こう側は階段状になっていて一段低い場所に下りられるようになっているというシンプルな設計なんだけど、遠くから見ると人が水の中を歩いているみたいに見える。
こういう仕掛けが国会の前にあるという遊び心がいいね。

ブダとペストが合併したのは1873年。
それまではお隣オーストリアのウィーンに力で負けていたけれど、合併してから勢いのついたブダペストは合併後数十年で飛躍的な発展をした。
人口ではウィーンを超すまでになったんだって。

といってもやっぱりウィーンのほうが華やかだし、観光地としてもそれほどメジャーじゃない。
でもブダペストには日本人が大好きなアレが点在している。

コレ!
ウィーンのシェーンブルン宮殿を彷彿とさせる黄色い壁の横長の建物。
1913年につくられたこの施設。
入口を入ると、広い中庭のようなところに出る。
そこには・・・。

宮殿のような黄色い建物に囲まれて存在しているのはプール!じゃなくて温泉!!
じつはハンガリーは温泉大国。
ここブダペストには100以上の源泉があって、公衆浴場も50か所くらいあるんだって。
なかでも、このセーチェニ温泉は華麗な建物と広くて開放的な温泉が大人気。
でも利用料はけっこうお高くて1回2000円以上しちゃうから、窓から見学だけさせてもらった。
観光客のみなさんは、プールサイド(温泉サイド?)にビキニで寝転んでリラックスしていた。
奥には足湯のようなスペースも。
お湯に浸かったり、寝転んで休憩したり。
一日中楽しめる場所だけど、日焼けしそう。

この温泉を有名にしているのが、プールの中にチェス盤が取り付けてあること。
お湯に浸かったまま、頭を抱え込んでチェスに興じるおじさんたち。

このセーチェニ温泉はローマ時代の公衆浴場をイメージしてつくられたんだって。
ローマ時代から公衆浴場は市民たちの憩いの場、出会いの場、おしゃべりの場、だったんだろうね。

ブダペストのペスト側を見たので、こんどはブダ側へ行ってみよう!
ペスト側は平らな土地だけど、ブダ側は丘が続く丘陵地帯。
さらに、商業で栄えたペスト側は交通量も多く活気があるけど、ブダ側は王宮がそびえて落ちついた雰囲気。
丘の上には上品な建物が並び、ペスト側にはない気品さがあふれている。

街の中央にドナウ川が流れているブダペストではクルーズも人気。
ゆっくりと変わる景色を優雅に船上から楽しむのもいいかも。
橋を渡ってブダ側に着いて、最初に目に入ったのはさきほど紹介した対岸の国会議事堂。
離れるほど美しく見える。
川沿いに建つという立地が、ますます華麗さを引き立てている。

丘になっているブダ側。
古い建物に沿うように階段があり、上へ上へとのぼっていく。

高くそびえる白い塔に、カラフルな屋根の建物はマーチャーシュ教会。

1541年にオスマン朝に占領されたときは、この教会はモスクに改装されたのだそう。
けれどオスマン朝が撤退してからは、ふたたびカトリック教会に。
波乱の歴史を生き抜いてきた建物。

もうそろそろ陽が沈むころ。
青かった空が、色を落としはじめる。
太陽の光を受けて輝いていた白亜の教会も、柔らかいグレーに。

落ちついたたたずまいのブダの街が、ますます上品さを帯びる時間帯。
この街の魅力が引き出される夕暮れ時。


昔はこのあたりには魚市場があったのだそう。
その場所に建つ石灰石でつくられた要塞、漁夫の砦。
ここからは夕陽を浴びる川向こうのペストの街を見下ろせる。

「ドナウのバラ」と例えられることもあるブダペスト。
夕陽に照らされる国会議事堂は、たしかにドナウ川のほとりに咲き誇るバラのよう。

川沿いに停泊している長い船は、ホテル。
ずっとここに停泊し、宿泊客を迎えている。
街の中の2本の塔に大きな丸屋根の建物は、聖イシュトヴァーン大聖堂。
1905年に造られたもので、8000人を収容できる大きな教会。

夕陽を受けるブダペストの街も美しいけど、日が落ちてからも新たな魅力を見せてくれる。
太陽の光に代わって、あたたかいオレンジの灯りがこの街を照らす。


日本のようにギラギラしたネオンサインや高層ビルの窓からもれる蛍光灯の光がない。
だからこそ、ライトアップされた街のランドマークたちが夜でも主役になれる。

存在感たっぷりで威厳のあるたたずまいの王宮。
街を静かに見下ろしている。

ドナウ川に架かるくさり橋。
ブダとペストを結ぶ橋は9本あるけど、第二次大戦のときにはすべて破壊されたのだそう。
修復されたけど、もし破壊されなければもっと歴史ある美しい橋が残っていたのだろうと思うと残念。


さて、豊かな水量のドナウ川を挟んで美しい建物が建ち並ぶ「ブダペスト」。
「星いくつ?」
「星、2つ!」
国会議事堂や王宮、教会・・・。
ブダペストの街には、歴史ある建物が点在していて街歩きが楽しい。

建物だけじゃなくて、ブダペストの世界遺産にはなんと地下鉄も含まれている。
1896年、ロンドンに次いで世界で2番目に古く、ユーラシア大陸では初めて開業されたんだって。
いまとなってはただの古い地下鉄だけど、そんな歴史ある地下鉄に乗って街を移動するのもいい。
さらに夜景もきれいだから、同じ場所でも時間帯によって違う景色を楽しめる。
街歩きに疲れたら、温泉でゆっくりしてもよし。
ブダペストの街は、チェコのプラハに似ている。
プラハには街の真ん中にモルダウ川が流れていて、街を見下ろす丘にはプラハ城が建っていた。
どちらが好きかと言われれば、プラハかな。
プラハのほうがカラフルな建物が多くて、華やか。
プラハが女性的ならブダペストは男性的。
ブダペストにはいぶし銀のような落ちついた美しさがある。

そんな静かで落ちついた歴史あるブダペストでは沈没(長期滞在)するバックパッカーが多い。
薄汚れたバックパッカーも、たまにはこんな美しくてコンパクトで街歩きが楽しい歴史ある場所で旅の疲れを癒やしたいよね。