イスラエル「バハーイ庭園とバーブ廟」☆ 異教徒にも愛される宗教施設
きょう美容クリームを買ったイクエです。
年齢を考えてちょっと奮発して高いのにしました。
といっても日本円で2000円くらいだけど、同じ棚に300円くらいのもあったから高級なほうです。
きょうはイスラエルの世界遺産についてご紹介します ♪
イスラエルと言えば旧約聖書にも出てくる場所で、いまから4000年も前にアブラハムやその子孫がこの地に定住していたと伝えられている。
もっとも古くから街ができていた地域でもあるし、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の聖地でもある。
だからイスラエルの世界遺産と言えば、古代の遺跡や3つの宗教にちなんだものなんかを想像するかもしれない。
だけど、ここハイファにある世界遺産はちょっと変わっている。
それは、こちら。
街を臨む高台にある広大な庭園。
芝生や木々が秩序正しく茂り、ごちゃごちゃした下界の街とは別世界。
まっすぐに下へと延びるその先に金色に輝くドーム。
バハーイ庭園、そして金色のドームがバーブ廟。
「バハーイ」というのはイランで生まれた宗教。
19世紀にバーブ教というのができ、その後バハーイ教になった。
ユダヤ教でもキリスト教でもイスラム教でもない。
そんな宗教の聖地が、ここイスラエルにあるのだ。
バハーイ教徒は世界に300万人いると言われている。
「バハーイ教」なんて聞いたこともない新興宗教のように思えるかもしれないけれど、世界各国に信者がいる。
バハーイ教にとって大切な聖地であり、一年中美しい花が咲き乱れ、街のシンボルともなっているこの庭園は2008年に世界遺産に認定された。
世界遺産に認定されているとあって、バハーイ教なんて知らなかった人たちも各国からここを訪れるようになった。
ユダヤ人が建国したイスラエルでは、バハーイ教は弱小宗教だけどそれでもこの聖地が世界遺産になったことでツーリストが集まり、観光業に一役かっている。
このバハーイ教、実はイクエとケンゾーは知っていた。
正確に言えば、4か月前に訪れたイランではじめて知った。
トルコからイランに陸路で入って、最初に訪れた街マークー。
崖に囲まれたマークーに観光地らしい観光地はないけれど、『地球の歩き方』にバハーイ教の寺院跡があると書かれていたので行ってみたのだった。
コーランを否定するバーブ教、バハーイ教はイラン政府から弾圧されて、開祖のバーブは逮捕されここに監禁されていた。
『地球の歩き方』には「現在ではバーブ教徒、バハーイ教徒ともにムスリムからは異端と見なされていて、イランでは信徒はいないとされている」と書いてある。
だけどここで「バハーイ教徒」だと名乗る人たちと遭遇した。
そのバハーイ教徒のおじさんはとても紳士的で、イランにもバハーイ教徒がたくさんいること、そしてときに警察に殺されたり逮捕されたりしていること、そしてみずからも3年間刑務所に入っていたことなどを明かしてくれた。
そして、次の日の早朝に家族でここで祈るからよかったらおいでと誘われ、次の日もお会いしたのだった。
彼らが迫害を受けているイランで聞いた、静かに歌うような祈り。
彼らのことを思うとその祈りはとても物悲しく、切なく聞こえた。
バハーイ教は男女平等をうたっていて、イスラム教とは根本的に違う。
イランで生まれた宗教だけど、イランでは宗教活動ができない。
教典は外国で印刷されこっそり持ち込まれている。
「バハーイ教の聖地はとても美しいんですよ」。
おじさんはそのときにそう教えてくれた。
イランとの国交を断絶しているイスラエル。
イランを旅しただけのわたしたちでさえイスラエル入国に手間取った。
ましてイラン人がイスラエルに行くことなんてできない。
おじさんはきっと写真で何度も見ていたのだろう。
目の前に広がるのはマークーの険しい岩山とは正反対のまばゆい景色。
「おじさん、来ましたよ。」
そう思わずにはいられなかった。
金色のドームが開祖バーブのお墓で内部は写真撮影が禁止されているけど、異教徒でも中に入ることができる。
床には細かな模様の美しい絨毯。
天井にはシャンデリア。
大理石のお墓の上にはキャンドルが飾られ、薔薇の花びらがちりばめられていた。
かといって派手さはなくて上品でしっとりしている。
室内は花の芳香で満たされていた。
「お墓や庭はこうしなければならない」なんていう決まり事はないらしい。
とにかく「美しい」と思うものを大事にしているようで、もらったパンフレットに「庭の調度品や彫刻に意味はない」と書かれていた。
飾られている彫刻は、中国っぽいものやヨーロッパっぽいもの、よくわからない動物がモチーフになっているものなどがあって、不思議な感じ。
一年中、豊かな緑とあざやかな花で満たされるように、その時期やこの土地にあった草木が植えられている。
サボテンもたくさん。
まん丸や尖ったもの、いろんな種類のサボテンが共存している。
バハーイ教は男女平等、偏見や貧富の差を取り除くこと、教育を普及させること、暴力を否定することなどを目指しているんだって。
庭園は斜面に沿ってできている。
金色のドームよりも下に広がる庭園は1960年代に造られたもの。
お墓よりも上に位置する庭園は1987年から2001年にかけておよそ250億円かけて造られたもので、普段は立ち入り禁止。
だけど毎日数回無料で行なわれているツアーに参加すれば敷地に入ることができる。
階段が続いていて、庭園は段々になって下へと続いている。
階段の両脇に沿って水が流れていて、心地よい水の音が響く。
金色に輝くドームは、真っ青な海をバックに太陽の光を反射して余計に輝きが増す。
この庭園の美しさを保つために100人の庭師が働いているらしい。
これだけお金や人手をかけている庭園だけど入場料などはいっさい払わなくていい。
しかもバハーイ教はほかの宗教を否定することもしないし、信者たちにほかの人への改宗活動を勧めていないので、ツアーに参加したところで宣教めいた話を聞かされることはない。
庭園のなかには、バハーイ教の指導者たちが会議をする場所や資料庫などの立派な建物もあったけど、こちらは立ち入り禁止。
宗教施設が街の真ん中にでーんとあるのは、ほかの宗教の人たちからするといい気持ちがしないかもしれない。
だけど、ここは例外。
美しい庭園が街の景観を良くしているし、でーんとあるからといって威圧感はまったくない。
むしろ、癒しスポットにもなっている。
そんな「街の顔」とも言えるバハーイ庭園。
夜になるとライトアップされ、街のメインストリートがそのまま庭園の階段へと続いているかのように見える。
メインストリートにはオープンテラスのレストランが建ち並んでいる。
そこに座って、この輝く庭園を見ながら地元の人や観光客が食事を楽しんでいる。
さて、美しい広大な庭園の宗教施設「バハーイ庭園とバーブ廟」。
「星いくつ?」
「星、1つ!」
とくに歴史があるわけでも、傑出した技術を使って造られているわけでもないので「へえ~!こんな庭園が世界遺産に選ばれているんだ」という意外性がある。
しかも、ユダヤ教徒の国イスラエルでバハーイ教というマイノリティーの宗教施設が街の顔になっているのにも驚きがある。
眼下に広がる街並み、頭上には澄み渡る空、遠くには真っ青な海。
そんな景色を楽しみながら、緑と花々で彩られた庭園を歩くのは気持ちがいいし穏やかな気分になれる。
いろんな宗教のいろんな施設があるけれど、もしかしたらここがもっとも万人に受け入れられるピースフルな宗教施設かも。
年齢を考えてちょっと奮発して高いのにしました。
といっても日本円で2000円くらいだけど、同じ棚に300円くらいのもあったから高級なほうです。
きょうはイスラエルの世界遺産についてご紹介します ♪
イスラエルと言えば旧約聖書にも出てくる場所で、いまから4000年も前にアブラハムやその子孫がこの地に定住していたと伝えられている。
もっとも古くから街ができていた地域でもあるし、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の聖地でもある。
だからイスラエルの世界遺産と言えば、古代の遺跡や3つの宗教にちなんだものなんかを想像するかもしれない。
だけど、ここハイファにある世界遺産はちょっと変わっている。
それは、こちら。
街を臨む高台にある広大な庭園。
芝生や木々が秩序正しく茂り、ごちゃごちゃした下界の街とは別世界。
まっすぐに下へと延びるその先に金色に輝くドーム。
バハーイ庭園、そして金色のドームがバーブ廟。
「バハーイ」というのはイランで生まれた宗教。
19世紀にバーブ教というのができ、その後バハーイ教になった。
ユダヤ教でもキリスト教でもイスラム教でもない。
そんな宗教の聖地が、ここイスラエルにあるのだ。
バハーイ教徒は世界に300万人いると言われている。
「バハーイ教」なんて聞いたこともない新興宗教のように思えるかもしれないけれど、世界各国に信者がいる。
バハーイ教にとって大切な聖地であり、一年中美しい花が咲き乱れ、街のシンボルともなっているこの庭園は2008年に世界遺産に認定された。
世界遺産に認定されているとあって、バハーイ教なんて知らなかった人たちも各国からここを訪れるようになった。
ユダヤ人が建国したイスラエルでは、バハーイ教は弱小宗教だけどそれでもこの聖地が世界遺産になったことでツーリストが集まり、観光業に一役かっている。
このバハーイ教、実はイクエとケンゾーは知っていた。
正確に言えば、4か月前に訪れたイランではじめて知った。
トルコからイランに陸路で入って、最初に訪れた街マークー。
崖に囲まれたマークーに観光地らしい観光地はないけれど、『地球の歩き方』にバハーイ教の寺院跡があると書かれていたので行ってみたのだった。
コーランを否定するバーブ教、バハーイ教はイラン政府から弾圧されて、開祖のバーブは逮捕されここに監禁されていた。
『地球の歩き方』には「現在ではバーブ教徒、バハーイ教徒ともにムスリムからは異端と見なされていて、イランでは信徒はいないとされている」と書いてある。
だけどここで「バハーイ教徒」だと名乗る人たちと遭遇した。
そのバハーイ教徒のおじさんはとても紳士的で、イランにもバハーイ教徒がたくさんいること、そしてときに警察に殺されたり逮捕されたりしていること、そしてみずからも3年間刑務所に入っていたことなどを明かしてくれた。
そして、次の日の早朝に家族でここで祈るからよかったらおいでと誘われ、次の日もお会いしたのだった。
彼らが迫害を受けているイランで聞いた、静かに歌うような祈り。
彼らのことを思うとその祈りはとても物悲しく、切なく聞こえた。
バハーイ教は男女平等をうたっていて、イスラム教とは根本的に違う。
イランで生まれた宗教だけど、イランでは宗教活動ができない。
教典は外国で印刷されこっそり持ち込まれている。
「バハーイ教の聖地はとても美しいんですよ」。
おじさんはそのときにそう教えてくれた。
イランとの国交を断絶しているイスラエル。
イランを旅しただけのわたしたちでさえイスラエル入国に手間取った。
ましてイラン人がイスラエルに行くことなんてできない。
おじさんはきっと写真で何度も見ていたのだろう。
目の前に広がるのはマークーの険しい岩山とは正反対のまばゆい景色。
「おじさん、来ましたよ。」
そう思わずにはいられなかった。
金色のドームが開祖バーブのお墓で内部は写真撮影が禁止されているけど、異教徒でも中に入ることができる。
床には細かな模様の美しい絨毯。
天井にはシャンデリア。
大理石のお墓の上にはキャンドルが飾られ、薔薇の花びらがちりばめられていた。
かといって派手さはなくて上品でしっとりしている。
室内は花の芳香で満たされていた。
「お墓や庭はこうしなければならない」なんていう決まり事はないらしい。
とにかく「美しい」と思うものを大事にしているようで、もらったパンフレットに「庭の調度品や彫刻に意味はない」と書かれていた。
飾られている彫刻は、中国っぽいものやヨーロッパっぽいもの、よくわからない動物がモチーフになっているものなどがあって、不思議な感じ。
一年中、豊かな緑とあざやかな花で満たされるように、その時期やこの土地にあった草木が植えられている。
サボテンもたくさん。
まん丸や尖ったもの、いろんな種類のサボテンが共存している。
バハーイ教は男女平等、偏見や貧富の差を取り除くこと、教育を普及させること、暴力を否定することなどを目指しているんだって。
庭園は斜面に沿ってできている。
金色のドームよりも下に広がる庭園は1960年代に造られたもの。
お墓よりも上に位置する庭園は1987年から2001年にかけておよそ250億円かけて造られたもので、普段は立ち入り禁止。
だけど毎日数回無料で行なわれているツアーに参加すれば敷地に入ることができる。
階段が続いていて、庭園は段々になって下へと続いている。
階段の両脇に沿って水が流れていて、心地よい水の音が響く。
金色に輝くドームは、真っ青な海をバックに太陽の光を反射して余計に輝きが増す。
この庭園の美しさを保つために100人の庭師が働いているらしい。
これだけお金や人手をかけている庭園だけど入場料などはいっさい払わなくていい。
しかもバハーイ教はほかの宗教を否定することもしないし、信者たちにほかの人への改宗活動を勧めていないので、ツアーに参加したところで宣教めいた話を聞かされることはない。
庭園のなかには、バハーイ教の指導者たちが会議をする場所や資料庫などの立派な建物もあったけど、こちらは立ち入り禁止。
宗教施設が街の真ん中にでーんとあるのは、ほかの宗教の人たちからするといい気持ちがしないかもしれない。
だけど、ここは例外。
美しい庭園が街の景観を良くしているし、でーんとあるからといって威圧感はまったくない。
むしろ、癒しスポットにもなっている。
そんな「街の顔」とも言えるバハーイ庭園。
夜になるとライトアップされ、街のメインストリートがそのまま庭園の階段へと続いているかのように見える。
メインストリートにはオープンテラスのレストランが建ち並んでいる。
そこに座って、この輝く庭園を見ながら地元の人や観光客が食事を楽しんでいる。
さて、美しい広大な庭園の宗教施設「バハーイ庭園とバーブ廟」。
「星いくつ?」
「星、1つ!」
とくに歴史があるわけでも、傑出した技術を使って造られているわけでもないので「へえ~!こんな庭園が世界遺産に選ばれているんだ」という意外性がある。
しかも、ユダヤ教徒の国イスラエルでバハーイ教というマイノリティーの宗教施設が街の顔になっているのにも驚きがある。
眼下に広がる街並み、頭上には澄み渡る空、遠くには真っ青な海。
そんな景色を楽しみながら、緑と花々で彩られた庭園を歩くのは気持ちがいいし穏やかな気分になれる。
いろんな宗教のいろんな施設があるけれど、もしかしたらここがもっとも万人に受け入れられるピースフルな宗教施設かも。
【旅 info.】
バハーイ庭園とバーブ廟
すべて無料、持ち物検査あり。
手足を露出した服装は立ち入り拒否されることもあるので注意。
バーブ廟は正午には閉まるので午前中に見学を。廟内は撮影不可。
バーブ廟周囲の庭園は午後も入ることができる。
上部の庭園を見るにはツアーに参加する必要がある。
ツアーは1日数回、ヘブライ語と英語ガイドがある。
ツアーは庭園の一番上の入口が集合場所。
頼めば日本語パンフレットが無料でもらえる。
バハーイ庭園とバーブ廟
すべて無料、持ち物検査あり。
手足を露出した服装は立ち入り拒否されることもあるので注意。
バーブ廟は正午には閉まるので午前中に見学を。廟内は撮影不可。
バーブ廟周囲の庭園は午後も入ることができる。
上部の庭園を見るにはツアーに参加する必要がある。
ツアーは1日数回、ヘブライ語と英語ガイドがある。
ツアーは庭園の一番上の入口が集合場所。
頼めば日本語パンフレットが無料でもらえる。