Now,we are HERE!
訪れた国は78カ国
旅した期間は1257日
2016年2月14日に帰国!
プロフィール

ケンゾー   イクエ


2007年10月 結婚
2012年09月 世界旅行に出発

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30分で恋に落ちた恋人 そして別れ

2013.01.29 05:57|バングラデシュ☞EDIT
寝る前のストレッチが三日坊主になったイクエです。
がんばって続けないと・・・。

田舎町バゲルハット。
こののどかな村の雰囲気が大好きだ。

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歩いていたら、1人の男が話しかけてきた。

「ワニは見たか?」
「ワニ?」
「俺のワニを見たか?」

確かにみんなが水浴びをする池はあるけれど、こんな平和そうな場所にワニなんているんだろうか。

ワニ男が指差した。
「ほら、あそこ。ワニ。」
どこ? どこ?
え、あ! あれ!?

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めちゃくちゃデカい! 
思わず「あれ、本物?」と叫んだ。
正真正銘本物のワニは、気持ち良さそうに土の上でひなたぼっこしている。

「近くで見せてあげるからおいで。」
ワニ男が言った。

ワニ男の後ろでは池で洗濯をしている別の男性がいた。
男性は、ワニ男にはついていかない方がいいよ、と言いたげな表情でイクエたちを見つめて首を横にふっていた。
う~ん、どうしよう。
好奇心の方が勝って、ワニ男の後を歩きはじめた。

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ワニ男が言うには池にはワニが3匹住んでいて、ワニ男が餌付けをしてペットのようにかわいがっているのだそう。
ワニ男に質問した。
「ユー ライク クロコダイル?」
ワニ男はたどたどしい英語で、けれど自信をもってキッパリと答えた。

「イエス! ビッグ ライク!!
 ラブ クロコダイル♡」

そして、ワニにタッチして写真を撮れ!と強引に勧めてくる。
ぐいぐいワニに近づけられる。

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ワニはイクエの身長よりデカいし牙もある。
こわいよぉ。
ワニ男曰く、チキンを丸ごと一羽食べさせたばかりだから今はお腹いっぱいで噛みつかないのだそう。

でも、ケンゾー、噛まれそうになってるよ!
よそ見しちゃいかん。

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ひなたぼっこしているワニは2匹。
どっちも同じに見えるけど、ワニ男にとってはまったく違う2匹なんだろうな。
「こっちのワニにも触って写真撮れ」
もう1匹でじゅぶんだったけど断りにくいのでこっちでも触る。

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ワニ皮のバッグは触ったことはあるけれど、生きてるワニを触るのは初めて。
少しあぶらっぽい。
押してみると、表面は堅いのにふにふにとへこんで案外柔らかい。

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ワニが急に動き出した。
うわあぁ~と声を出して思わず後ずさり。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
ワニ男はそう言ってその場から離れない。
「噛まないの?」
ワニ男に聞いたら「somesome」って言った。
サムサムって、「まあ、たまにね」ってこと?
あぶないじゃん!!

別れ際、ワニ男に「撮影代」とか言って金を請求されるかなと思ったけど「サンキュー バイバイ」であっさり別れることができた。
たぶんワニ男は、どうしようもなくワニが大好きで、みんなに見せたいんだろう。

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最貧国バングラデシュで、わざわざチキンをワニのために与えているワニ男。
バングラデシュでチキン1羽は決して安くはない。
こんな最貧国で、ワニを餌付けするなんてコストのかかる贅沢な趣味をもっている。
ワニ男はたぶん、近所の人たちからは変人と思われてる。
入浴や洗濯、炊事など生活に欠かせない池にワニをおびき寄せるなんて、他の人たちにとっては大迷惑だ。
けれど、愛おしそうにワニを見つめるワニ男はなんだかとてもかわいかった。

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田舎町バゲルハット。
この町を大好きになったけど、もう出発する時間が迫っている。

バスターミナルに向かって歩きはじめたイクエとケンゾー。

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歩いていたらいつものように知らない人に話しかけられた。

「どこの国から来たの?」
「何日滞在してるの?」
「仕事で来たの?」

お決まりの質問。
バングラデシュを旅していると、このやりとりが1日30回くらいある。
煩わしくて適当に返事をするんだけど、みんなこっちの気持ちなんかお構いなしについてくる。

早足でバスターミナルに向かっていたけど、彼もずっとついてくる。
彼の名は「ミトゥクン」。
「いっしょに写真を撮らせてほしい」
この写真撮影会も1日5回は経験する。
きっと、俺は外国人にあったんだぜ!ってみんなに自慢するのだろう。
いっしょに写真を撮ったら満足して、帰ってくれるかな。

「うん、じゃあ撮ろう。」と答えたらミトゥクンは言った。
「背景が素敵な場所じゃないとダメだ。
 もうちょっと先にとてもきれいな景色のところがあるから。
 そこまで歩かせて。」

彼が言う「とてもきれいな景色」のところまで結局500メートルくらい歩いた。
「ここ、ここが素晴らしい場所!」
は? ここ!?
本当に?
そこはただの民家の前だった。

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ケンゾーの肩に腕をまわしているのがミトゥクン。
ヒゲの男性は彼の同僚。
2人ともNGOで働いていて、エイズ予防のプロジェクトを担当しているんだそう。

撮影が終わってもミトゥクンは帰るそぶりを見せず、ずっとついてくる。
道路沿いのお茶屋さんや露店の人たちから
「どこの国から来たの?」「何しにこの国に来たの?」と声をかけられるけど
イクエたちのかわりにミトゥクンが得意げに答える。
「ふたりは日本人で旅行で来てるんだ!」

イクエたちを見て立ち止まって話しかけてくる人もいる。

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そんな人にもミトゥクンはまるで、イクエたちのマネージャーのように「だめだめ。ふたりは急いでいるから。」と言って振り払う。

彼が熱い眼差しをして、言った。
「ぜひ、自分の家に寄ってほしい。
 お茶をごちそうしたい。お願いだ。」
「でもねえ、時間もないし・・・。」
「お願い!
 俺の家はすぐそこだから!!」
「すぐそこって、どこ?」
「ここからたった2キロくらい!」

2キロってすぐそこじゃないじゃん!
お誘いをお断りしたら、彼はとてもとても悲しそうな顔をした。
家族や近所の人に「日本人の友達だぜ」って紹介したかったんだろうけど、ごめんね。

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結局バスターミナルまでミトゥクンはついてきて、切符売場のほったて小屋の中に入っていっしょに腰掛けた。

そして、まるで大好きな恋人に別れを告げるかのように言った。
「悲しいけれど、俺は仕事に戻らないといけない。
 昼休みが終わってしまう。」
「オッケー。ありがとう。じゃあね。」
けれど彼は帰ろうとはせずに、かわりに深いため息をついた。
腕組みをして思い詰めたような顔をしている。

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5分が過ぎてもミトゥクンは座ったまま。
「このままふたりと過ごしたい。
 でも、仕事に遅れると上司に怒られるんだ。
 だから、行かなきゃいけない。」

うんうん、わかってるよ。
だからもう行っていいよ。

でも行こうとしない。

「今度、いつこの町に来る?
 今度こそ絶対、俺の家に来てくれ!」
「イエス」とは答えるものの、この田舎の町に再び来ることなんてないんだろうな・・・。
そんなイクエたちの気持ちとは逆に、彼は一生懸命自分の住所を紙に書いている。

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「仕事に戻りたくないけど、お別れしないといけない。
 遅刻したら上司から電話で怒られるから。」

さっきからそればっかりを繰り返している。
言い始めて、もう20分はたっている。
だから、もう行っていいってば!

彼の携帯に電話がかかってきた。
もう昼休みはとっくに過ぎていて、上司から怒られているようだ。
それでもその場を離れようとしない。

そしてとうとう、その時が来た。
イクエたちの乗るバスがやってきたのだ。
「じゃあね、ありがとうね!」

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席に座って、前を見たらミトゥクンも乗り込んでいた!
目が潤んでいる。

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ずっとイクエたちを見つめていたけど、バスが出発するので車掌から降ろされた。

長年つきあってきた恋人と永遠の別れをするかのようなミトゥクン。
だけど、イクエたちと出会ったのはわずか30分くらい前。
しかも「日本人でツーリスト」くらいの情報しかもってない。
それでも、彼にとっては一生に一度会うか会わないかの日本人。
ただそれだけで、彼は恋に落ちてしまったのだ。

彼はきっとイクエとケンゾーとの出会いを運命の出会いと感じている。
そして今日を、この30分間を、けっして死ぬまで忘れないのだろう。
泣くのを我慢するかのように唇を噛み締めて、精一杯の微笑みで手を振る彼。

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バスは無情にも出発した。

結局イクエとケンゾーは、彼の名前と仕事くらいしか聞いていない。
彼が何歳なのか、結婚してるのか、そんなことさえ知らない。

あれ?
なんで、こんな感動的な別れになっているんだっけ?

まあ、いいや。

一瞬で恋に落ち、わずか30分で永遠の別れをしたバゲルハットの恋人よ。
どうか純真なままのあなたでいてね

Comment

No title

このCrocちゃんはFreshwater Crocですよね?
Aussieでは最も危険なワニの一種でクロコダイルファームの飼育員も始めは恐れるぐらいですよ。
それに意図も簡単に触るなんて、、、すごい!
ちょっと、うらやましいですけど、自分には怖くてできないなぁ。笑

Hiroくんへ

えっ!そんなデンジャラスなワニやったん?!
それを聞いて、何もなく無事でよかったなと胸を撫で下ろしてるよ。
ワニに噛まれて旅をリタイアとか笑い話にもならんよね。