グアテマラ人が守ってきたもの
ブログの更新が遅くなっています、イクエです。
先週一週間は大忙しで、以前働いていた会社に挨拶に行ったり、病院で検査を受けたり、そして新居を決めました。
来月から、福岡に住みます。
今は引越し準備でバタバタしています。

さて、グアテマラのチチカステナンゴの話。
マヤの先住民キチェ族の人たちが暮らしている高原の街。
この街のシンボルがサント・トマス教会。
チチカステナンゴの人たちの生きる支えとなっている。
教会の前の階段にはたくさんの人。
花の香りと煙りに包まれて、ここだけ世界が違うよう。

煙の中の花売りの人たち。
教会に手向けられるのは、菊が多い。
菊をお供えすることに、日本の仏事を思い出す。

教会を包み込む煙。
薪のように階段に木をくべて、それを囲み、炎を見つめ、祈りを唱える人たち。
空き缶にお香を炊いて、振り回し、煙を降らせる女性。

この教会は1540年に建てられたもので、カトリックの教会。
この街の守護聖人、聖トマスが祀られている。
カトリックの教会ではあるものの、わたしたちがイメージする教会とは違う。
カトリックに土着の宗教が融合した、独特のものであるから。
この教会が建てられる前、ここは先住民の人たちの大切な場所だった。
キチェ族の神聖な霊場だった。
それを侵攻してきたスペイン人たちが破壊し、その礎石を利用していまの教会を建てたのだった。

ここからは、キチェ族の国家の神話や歴史を綴った聖典『ポポル・ブフー』が発見されているのだそう。
スペイン人が侵攻してきたとき、マヤの古文書のほとんどが燃やされてしまった。
そんななか『ポポル・ブフー』はスペイン人たちに見つからなかった。
数少ない、生き残ったマヤの貴重な資料。
この地に住む人たちは、表向きはキリスト教に改宗しスペイン人に従いながらも、マヤの歴史に誇りを持ち、土着の信仰を心の拠り所にし続けてきた。
正面にはふたつの入口がある。
正面から見て右側の階段を上り、中に入る。
出るときは左側。
それがこの地のしきたり。

神聖な場所であるので、中は写真撮影禁止。
敬意を払いながら、右側から中へと入らせてもらった。
昼間とはいえ室内は電気がなく、暗い。
目が慣れるのに少し時間がかかった。
壁の高い位置には明かり取りの窓。
煙が充満しているため、空気には白く色がついている。
そこに光が斜めに差し込んでいる。
幻想的な光線。
床には一面の松の葉。
松の葉が敷き詰められた床には、高さ10センチ、1メートル四方の黒光りするいくつかの平らな四角い石。
その上には、蝋燭が何十本も立てられている。
怪しく揺らめく炎。
そこにひざまずき、祈る人たち。
唱えているのはキチェ語なので、呪文のよう。
黒い石で造られた十字架が、墓石のように床に建てられている。
そこに手向けられている黄色や白の菊の花束。
普通の教会とは、まったく違う。
ここにはステンドグラスもない。
礼拝用の横長の椅子もない。
外観は教会であり、名前はサント・トマス教会ではあるけれど、ここにはわたしの知らない風景がある。
奇妙で、少し怖ささえ感じる。
目に入るもの、匂い、そして小声でつぶやかれる呪文。
体で感じる異空間。
キリスト教と土着の宗教の融合と言われるけれど、土着の宗教の要素の方が強い。
お香と煙と花の香りが充満し、けむたくて、息苦しい。
でも、とても神秘的で厳粛で、美しさを感じた。
薄暗い教会から、外に出た。
太陽の光が眩しくて、クラクラする。
教会の中から突然外に出ると、異世界から戻ってきた気分。
露店が並び、活気がある。
現世に戻ったよう。

鮮やかな民族衣装に身を包んだ女性たち。
スペインが侵略し、マヤ文明を破壊し、代わりにキリスト教を布教し、スペイン語をしゃべらせるようにした。
それでもグアテマラの人たちは、今でも民族ごとに違う衣装を着て、自分たちの言葉をもち、先祖から伝わる教えを信仰している。
したたかで、誇り高く、気高い。

街から少し外れた場所に、小高い丘がある。
「パスクアル・アバフの丘」と呼ばれる、神聖な場所。
ここでは、毎日独特の儀式が行われているのだそう。
いったい、どんな儀式なんだろう。
あした、行ってみよう。
わたしたちは、マヤの文化が根付いているグアテマラの魅力にはまっていっていた。
先週一週間は大忙しで、以前働いていた会社に挨拶に行ったり、病院で検査を受けたり、そして新居を決めました。
来月から、福岡に住みます。
今は引越し準備でバタバタしています。

さて、グアテマラのチチカステナンゴの話。
マヤの先住民キチェ族の人たちが暮らしている高原の街。
この街のシンボルがサント・トマス教会。
チチカステナンゴの人たちの生きる支えとなっている。
教会の前の階段にはたくさんの人。
花の香りと煙りに包まれて、ここだけ世界が違うよう。

煙の中の花売りの人たち。
教会に手向けられるのは、菊が多い。
菊をお供えすることに、日本の仏事を思い出す。

教会を包み込む煙。
薪のように階段に木をくべて、それを囲み、炎を見つめ、祈りを唱える人たち。
空き缶にお香を炊いて、振り回し、煙を降らせる女性。

この教会は1540年に建てられたもので、カトリックの教会。
この街の守護聖人、聖トマスが祀られている。
カトリックの教会ではあるものの、わたしたちがイメージする教会とは違う。
カトリックに土着の宗教が融合した、独特のものであるから。
この教会が建てられる前、ここは先住民の人たちの大切な場所だった。
キチェ族の神聖な霊場だった。
それを侵攻してきたスペイン人たちが破壊し、その礎石を利用していまの教会を建てたのだった。

ここからは、キチェ族の国家の神話や歴史を綴った聖典『ポポル・ブフー』が発見されているのだそう。
スペイン人が侵攻してきたとき、マヤの古文書のほとんどが燃やされてしまった。
そんななか『ポポル・ブフー』はスペイン人たちに見つからなかった。
数少ない、生き残ったマヤの貴重な資料。
この地に住む人たちは、表向きはキリスト教に改宗しスペイン人に従いながらも、マヤの歴史に誇りを持ち、土着の信仰を心の拠り所にし続けてきた。
正面にはふたつの入口がある。
正面から見て右側の階段を上り、中に入る。
出るときは左側。
それがこの地のしきたり。

神聖な場所であるので、中は写真撮影禁止。
敬意を払いながら、右側から中へと入らせてもらった。
昼間とはいえ室内は電気がなく、暗い。
目が慣れるのに少し時間がかかった。
壁の高い位置には明かり取りの窓。
煙が充満しているため、空気には白く色がついている。
そこに光が斜めに差し込んでいる。
幻想的な光線。
床には一面の松の葉。
松の葉が敷き詰められた床には、高さ10センチ、1メートル四方の黒光りするいくつかの平らな四角い石。
その上には、蝋燭が何十本も立てられている。
怪しく揺らめく炎。
そこにひざまずき、祈る人たち。
唱えているのはキチェ語なので、呪文のよう。
黒い石で造られた十字架が、墓石のように床に建てられている。
そこに手向けられている黄色や白の菊の花束。
普通の教会とは、まったく違う。
ここにはステンドグラスもない。
礼拝用の横長の椅子もない。
外観は教会であり、名前はサント・トマス教会ではあるけれど、ここにはわたしの知らない風景がある。
奇妙で、少し怖ささえ感じる。
目に入るもの、匂い、そして小声でつぶやかれる呪文。
体で感じる異空間。
キリスト教と土着の宗教の融合と言われるけれど、土着の宗教の要素の方が強い。
お香と煙と花の香りが充満し、けむたくて、息苦しい。
でも、とても神秘的で厳粛で、美しさを感じた。
薄暗い教会から、外に出た。
太陽の光が眩しくて、クラクラする。
教会の中から突然外に出ると、異世界から戻ってきた気分。
露店が並び、活気がある。
現世に戻ったよう。

鮮やかな民族衣装に身を包んだ女性たち。
スペインが侵略し、マヤ文明を破壊し、代わりにキリスト教を布教し、スペイン語をしゃべらせるようにした。
それでもグアテマラの人たちは、今でも民族ごとに違う衣装を着て、自分たちの言葉をもち、先祖から伝わる教えを信仰している。
したたかで、誇り高く、気高い。

街から少し外れた場所に、小高い丘がある。
「パスクアル・アバフの丘」と呼ばれる、神聖な場所。
ここでは、毎日独特の儀式が行われているのだそう。
いったい、どんな儀式なんだろう。
あした、行ってみよう。
わたしたちは、マヤの文化が根付いているグアテマラの魅力にはまっていっていた。