観光客の行かない田舎町だからこそ
人よりも数倍、蚊に刺されやすいイクエです。
あしたからのアマゾンツアー、大丈夫かな。
青年海外協力隊のゆかちゃんが活動しているパストレオの街。
とくに何か観光地があるわけでもない。
でも、こんな場所にこそパラグアイの日常が詰まっている。

赤褐色の土。
南国を思わせる木々。
明るい日射し。
これまで旅してきたチリやアルゼンチンの風景とはまったく異なる。
生暖かい空気が体を包み込む。

街歩きをしていたら、ホームステイ先のリラに遭遇。
教育施設の開所式に参加中だったリラ。
手には、当たり前のようにマテ茶ポット。
こんな暑いところだから、冷たい「テレレ」をいつだって飲みたいのもうなずける。

暑いのは子どももいっしょ。
登下校中だって、アイスクリームを食べたいよね。

「ここ行ってみますか?」
ゆかちゃんが言った。
横長い平屋に入っていく。

ここは町の学校。
中に入るとすぐに職員室が。
女性の先生が活躍中。

突然の訪問にも関わらず「もちろん入って!」とうれしい返事。
校舎を見て納得。
日本の支援で建てられた学校だったんだ。

校庭を取り囲むように平屋の校舎が建っている。
大きな木が木陰をつくっていて、勉強も運動もめいっぱい楽しめそうな環境。

珍しい訪問者の存在に気づいて、教室から子どもたちが顔を出す。
みんな体操服みたいなのを着ている。

柔らかい笑顔。
聡明な瞳。
パラグアイの子どもたちってかわいい!

みんな楽しそうに勉強している。
生徒たちや先生の机、椅子もJICAが寄贈したものなんだって。
ひとつひとつにJICAのシールが貼ってあった。

小さな子どもたちの教室はかわいい内装。
こういう心遣いが、アフリカの公立学校のレベルとは違う。

教室内のトイレを使わせてもらったら、便器が小さくてとまどった。
こんな小さいトイレを使うのは保育園ぶり?
日本の小学校の便器よりも、子どもに配慮されたサイズだった。
びっくりしたのは、エアコンの効いたこんな部屋があったこと。

パソコン室!
パラグアイの通信会社が、それぞれの学校に建物とパソコンを寄贈してるんだって。
薄型パソコンで小さな子どもたちが学習中。

まだ一般家庭には普及していないパソコンはとても高価。
隣の学校では、パソコン室が開設された直後に泥棒が入ってパソコンを全部盗っていっちゃったんだって。
だからこのパソコン室には、窓に格子が取り付けられていた。
後ろの青いプレハブの建物がパソコン室。
壁には通信会社の宣伝がデザインされている。
その前で、なぜかバイクにまたがってポーズをとる女の子。
だれのバイクかな?

子どもって恥ずかしがりながらもカメラが大好き。
「ねえ!撮って撮って!!」
年頃の女の子たちも。

アルゼンチンやチリをまわってきたわたしは、パラグアイはもっと発展していると思っていた。
でも、アルゼンチンやチリとは雰囲気がぜんぜん違う。
昔ながらの素朴な生活をしている人たちが多い。
地方には大型スーパーなんてほとんどない。

パラグアイでは国民のおよそ4割が貧困層と言われている。
地方の人口の3割に当たる人が土地を持っていない。
農業で成り立っている国なのに、土地なし農民がとても多いのだそう。
いっぽう国富の43パーセントを、たった1割の富裕層が牛耳っているんだって。
貧富の差が激しい国。
自然は豊かなんだけどなあ。
いましっかりと教育を受けている子どもたちが、未来を切り拓いてくれたら。
いきいきとした子どもたちを見ていると、そんな気持ちを抱く。
パラグアイにはたくさんの可能性がある。

ゆかちゃんのホームステイ先のお宅におじゃまさせてもらうことにした。
お庭が広くて、気持ちがいい。

放し飼いにされたインコが自由に木々に止まっている。
パラグアイではインコを飼うのが人気らしい。

わたしが小さいころ、じいちゃんがオウムを飼っていた。
名前は「ポンキー」だったけど、わたしはいつもテレビ番組とごっちゃになって「ポンキッキー」と呼んでいた。
それにポンキーはガチャピン色だったし、出っ歯だったから。
いつもヒマワリの種を、するどいクチバシでカリカリと食べていたポンキーを、わたしはあまり好きではなかった。
怖かった。
ある日、じいちゃんがポンキーを檻から出して放し飼いにしていたとき、ポンキーはわたしのスネを噛みやがった。
まだ保育園児だったわたしは、ますますポンキーが嫌いになった。
だからインコやオウムを見ると、いつもポンキーを思い出す。
わたしは一生、インコやオウムは飼わないと思う。

インコの似合うこの庭にはフルーツがたわわに実っている。
グレープフルーツまで。

庭にフルーツがある家っていいなあ。
そういえば、ケンゾーの実家には大きなビワの木がある。
毎年春になるとたくさんのおいしい果実をつける。
ケンゾーが子どものとき、食べたビワの種を面白半分で庭に埋めたら育ったんだって。
ビワってそんな簡単に育つのかな。
話はそれてしまったけど、ゆかちゃんのホームステイ先の娘さんが庭のグレープフルーツでジュースを作ってくれた。

砂糖を多めに入れて、甘酸っぱい新鮮ジュースのできあがり。
さわやかな柑橘の香りが、暑さを和らげてくれる。
ビタミン補給にもなるし、毎日でも飲みたい!

でもパラグアイの生活が板についてきたゆかちゃんは、グレープフルーツよりもこっちがいいのかも。
テレレ!!
得意げに「マイポット」からテレレを注ぐ。

パラグアイ人が愛して止まないテレレ。
でも、食事中は飲まないんだって。
テレレはひとつのカップにお茶を注ぎ、同じストローでみんなで回し飲みする。
食事中だとストローが汚れるから、衛生上好ましくないらしい。

ゆったりと時間が流れるパラグアイの田舎、パストレオ。
たしかに何もないけれど、だからこそ飾らないパラグアイ人の日常に触れられる。
パラグアイはわたしがイメージしていたよりものどかで、素朴だった。
これからどうなっていくのか、楽しみな国でもある。
そんなパラグアイで、協力隊のゆかちゃんはどんな仕事をしているのか。
次回、お伝えします ♪
あしたからのアマゾンツアー、大丈夫かな。
青年海外協力隊のゆかちゃんが活動しているパストレオの街。
とくに何か観光地があるわけでもない。
でも、こんな場所にこそパラグアイの日常が詰まっている。

赤褐色の土。
南国を思わせる木々。
明るい日射し。
これまで旅してきたチリやアルゼンチンの風景とはまったく異なる。
生暖かい空気が体を包み込む。

街歩きをしていたら、ホームステイ先のリラに遭遇。
教育施設の開所式に参加中だったリラ。
手には、当たり前のようにマテ茶ポット。
こんな暑いところだから、冷たい「テレレ」をいつだって飲みたいのもうなずける。

暑いのは子どももいっしょ。
登下校中だって、アイスクリームを食べたいよね。

「ここ行ってみますか?」
ゆかちゃんが言った。
横長い平屋に入っていく。

ここは町の学校。
中に入るとすぐに職員室が。
女性の先生が活躍中。

突然の訪問にも関わらず「もちろん入って!」とうれしい返事。
校舎を見て納得。
日本の支援で建てられた学校だったんだ。

校庭を取り囲むように平屋の校舎が建っている。
大きな木が木陰をつくっていて、勉強も運動もめいっぱい楽しめそうな環境。

珍しい訪問者の存在に気づいて、教室から子どもたちが顔を出す。
みんな体操服みたいなのを着ている。

柔らかい笑顔。
聡明な瞳。
パラグアイの子どもたちってかわいい!

みんな楽しそうに勉強している。
生徒たちや先生の机、椅子もJICAが寄贈したものなんだって。
ひとつひとつにJICAのシールが貼ってあった。

小さな子どもたちの教室はかわいい内装。
こういう心遣いが、アフリカの公立学校のレベルとは違う。

教室内のトイレを使わせてもらったら、便器が小さくてとまどった。
こんな小さいトイレを使うのは保育園ぶり?
日本の小学校の便器よりも、子どもに配慮されたサイズだった。
びっくりしたのは、エアコンの効いたこんな部屋があったこと。

パソコン室!
パラグアイの通信会社が、それぞれの学校に建物とパソコンを寄贈してるんだって。
薄型パソコンで小さな子どもたちが学習中。

まだ一般家庭には普及していないパソコンはとても高価。
隣の学校では、パソコン室が開設された直後に泥棒が入ってパソコンを全部盗っていっちゃったんだって。
だからこのパソコン室には、窓に格子が取り付けられていた。
後ろの青いプレハブの建物がパソコン室。
壁には通信会社の宣伝がデザインされている。
その前で、なぜかバイクにまたがってポーズをとる女の子。
だれのバイクかな?

子どもって恥ずかしがりながらもカメラが大好き。
「ねえ!撮って撮って!!」
年頃の女の子たちも。

アルゼンチンやチリをまわってきたわたしは、パラグアイはもっと発展していると思っていた。
でも、アルゼンチンやチリとは雰囲気がぜんぜん違う。
昔ながらの素朴な生活をしている人たちが多い。
地方には大型スーパーなんてほとんどない。

パラグアイでは国民のおよそ4割が貧困層と言われている。
地方の人口の3割に当たる人が土地を持っていない。
農業で成り立っている国なのに、土地なし農民がとても多いのだそう。
いっぽう国富の43パーセントを、たった1割の富裕層が牛耳っているんだって。
貧富の差が激しい国。
自然は豊かなんだけどなあ。
いましっかりと教育を受けている子どもたちが、未来を切り拓いてくれたら。
いきいきとした子どもたちを見ていると、そんな気持ちを抱く。
パラグアイにはたくさんの可能性がある。

ゆかちゃんのホームステイ先のお宅におじゃまさせてもらうことにした。
お庭が広くて、気持ちがいい。

放し飼いにされたインコが自由に木々に止まっている。
パラグアイではインコを飼うのが人気らしい。

わたしが小さいころ、じいちゃんがオウムを飼っていた。
名前は「ポンキー」だったけど、わたしはいつもテレビ番組とごっちゃになって「ポンキッキー」と呼んでいた。
それにポンキーはガチャピン色だったし、出っ歯だったから。
いつもヒマワリの種を、するどいクチバシでカリカリと食べていたポンキーを、わたしはあまり好きではなかった。
怖かった。
ある日、じいちゃんがポンキーを檻から出して放し飼いにしていたとき、ポンキーはわたしのスネを噛みやがった。
まだ保育園児だったわたしは、ますますポンキーが嫌いになった。
だからインコやオウムを見ると、いつもポンキーを思い出す。
わたしは一生、インコやオウムは飼わないと思う。

インコの似合うこの庭にはフルーツがたわわに実っている。
グレープフルーツまで。

庭にフルーツがある家っていいなあ。
そういえば、ケンゾーの実家には大きなビワの木がある。
毎年春になるとたくさんのおいしい果実をつける。
ケンゾーが子どものとき、食べたビワの種を面白半分で庭に埋めたら育ったんだって。
ビワってそんな簡単に育つのかな。
話はそれてしまったけど、ゆかちゃんのホームステイ先の娘さんが庭のグレープフルーツでジュースを作ってくれた。

砂糖を多めに入れて、甘酸っぱい新鮮ジュースのできあがり。
さわやかな柑橘の香りが、暑さを和らげてくれる。
ビタミン補給にもなるし、毎日でも飲みたい!

でもパラグアイの生活が板についてきたゆかちゃんは、グレープフルーツよりもこっちがいいのかも。
テレレ!!
得意げに「マイポット」からテレレを注ぐ。

パラグアイ人が愛して止まないテレレ。
でも、食事中は飲まないんだって。
テレレはひとつのカップにお茶を注ぎ、同じストローでみんなで回し飲みする。
食事中だとストローが汚れるから、衛生上好ましくないらしい。

ゆったりと時間が流れるパラグアイの田舎、パストレオ。
たしかに何もないけれど、だからこそ飾らないパラグアイ人の日常に触れられる。
パラグアイはわたしがイメージしていたよりものどかで、素朴だった。
これからどうなっていくのか、楽しみな国でもある。
そんなパラグアイで、協力隊のゆかちゃんはどんな仕事をしているのか。
次回、お伝えします ♪