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訪れた国は78カ国
旅した期間は1257日
2016年2月14日に帰国!
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ケンゾー   イクエ


2007年10月 結婚
2012年09月 世界旅行に出発

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天気が悪いからこそ フィッツロイ

2015.04.21 06:07|アルゼンチン☞EDIT
人生でパチンコをしたのは一回しかないイクエです。
ケンゾーと大阪に遊びに行ったときにノリでやったけど、あっという間に軍資金の千円が消えて「わーもったいない!つまらん!もう二度とやらん」って思いました。
ちなみにレース系のギャンブルは嫌いではなく、人生で競艇をやったのは1回、競馬は2回、アヒルのレースは3回です。

アウトドアブランド「パタゴニア」のマークのモチーフとなったフィッツロイ。

フィッツロイは雲に隠れることのほうが多いなんて言われているけど、きょうは気持ちのよい青空。
きのうの夜とはうってかわって、風もほとんどない。
天気が味方してくれている ♪

丘の向こうにちょっとだけフィッツロイが頭をのぞかせている。

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フィッツロイの標高は3375メートル。
でもあの鋭い岩山の頂上に登るなんて無理。
めざすのは、わたしたちが行けるギリギリのフィッツロイを間近で見られるポイント。

ふもとからそこまでは初心者でも3時間から4時間で着くのだそう。
日帰りも可能だけれど、わたしたちは朝日を浴びたフィッツロイを見るために途中のキャンプ場で1泊し、日の出前の早朝に登頂することにした。

人によってはふもとのゲストハウスを午前2時くらいに出て登頂する人もいるけれど、それだとずっと真っ暗ななか歩くことになる。
天気が良ければトレッキング中の眺めもいいし、明るいときに歩くのはいいと思う。

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登山開始から1時間半。
フィッツロイの全体を見られる展望ポイントにたどり着いた。
ふもとにどっさりと雪を抱え込んでいる山。
山頂には雪がない。
急斜面なので雪が滑って積もらないからなのかもしれない。
鋭くとがっているからこそ、かっこいい。

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フィッツロイは、真ん中のいちばん高い山のこと。
それぞれの山にはちゃんと個別の名前がついている。
およそ3400メートルのフィッツロイに対し、右側の低い山は2500メートルくらい。

フィッツロイだけではなく、フィッツロイと肩を並べあうほかの山々たちも神々しい。
ほかの山々があってのフィッツロイなのだ。
ブランド「パタゴニア」のマークのモチーフになっているのも、フィッツロイ単独ではなくこの山脈全体。

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右端の黒い山も氷河に覆われて迫力がある。
山肌が黒いから余計に氷河の青さがひきたつ。

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この凛々しい山脈を見ながらランチタイム。
なんてぜいたくな時間。
フィッツロイに雲もかかってないし、絶好の登山日和。

と思っていたら、どんどん風が強くなってきた!
寒いのでさっさとランチを済ませて登山再開。

あれ?
なんか雲行きが怪しくなってきた。

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きっとすぐに風も止んでくれるはず。
だってあんな澄み渡る青空だったんだもん。
でも・・・。

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いや、そんなはずないでしょ。
あれ?
あれ?あれ?

うそぉ〜。

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さっきまであんなに堂々とした姿を見せてくれていたフィッツロイは、猛スピードでわたしたちの前から消えてしまった。
こんなはずじゃ・・・。

太陽も厚い雲に隠されてしまった。
気温が急激に下がる。
さらには横殴りの風。
登山日和のはずが、登山不向き日和に。
こんな天気になると知ってたら、きょうは登らなかったのに。

そして霧雨まで。

山の天気ってほんとうにわからない。

「さむい!」って言いながら歩いていたら、正面からあったかそうなヤツが。

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こんなところにアルパカちゃん!!
モワモワの真っ白い毛。
つぶらな瞳。
雨に打たれながら、登山者の荷物を健気に運んでいる。

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アルパカちゃんに癒やされたのもつかの間。
雨は本降りになり、空はますますどんよりと。
近くの山さえも霧に覆われて見えなくなってきた。
もうフィッツロイがどの方角にあるかさえわからない。

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わたしたちがもっていた情報が古かったからかどこかで勘違いしてしまったからか、あると思っていた場所にキャンプ場はなかった。
木造の小屋やあずまやがあって管理するスタッフもいたんだけど「ここにはキャンプ場はない。15分ほど戻ったところに泊まってね」と言われてしまった。
たしかにさっきテントがたくさん張られてあるエリアを通過したけれど、もっと山頂に近いここにもテントが張れると思ってきたんだけどなあ。

しょうがない、引き返すしかない。
雨と風の中を・・・。

こんな悪天候のなかにも、仲間がたくさんいることがせめてもの救い。
できるだけ風と雨を避けられる場所を選んでテントを張る。

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アフリカで買った中国産の3000円くらいのレジャーテント。
雨漏りしないかな。
吹き飛ばされないかな。

ゴアテックスの青い寝袋カバーを、いつものようにテントの上にかける。

キャンプ場のまわりは真っ白。
もう霧なんだか、雲なんだかもわからない。
このキャンプ場からもフィッツロイを間近で見られるらしいんだけど、どのあたりにあるのかさえさっぱりわからない。

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シトシトシトシト。
そしてときに、ザーザーザー。
雨はいっこうに止まない。

そして頭上の木々を揺らす風。
ゴオオオオオ〜。

もちろん外で料理なんてできない。
わたしたちはテントの中で、コンロに火をつけてささやかな夕食をとった。
ガスに火をつけてお湯をわかしスープを作り、ご飯を炊く。
あたたかい湯気がわたしたちを包み込む。
熱はどんどんとテントの天井にたまっていく。
上部にたまった熱気を手で扇ぎ、下へとおろす。

「あ〜、あったかーい!」
「これ、いいねえ。」

たしかにつかの間の時間、わたしたちは温かかった。

だけどそれから悲劇が襲った。
ご飯を食べ終わるとさっきの熱気が冷気となり、そして水滴となった。
テントが濡れてきた。
しかもひどい雨で外からも水がしみ込んでくる。
そして地面からも。
テントは狭いのでどうしても横になると、寝袋の足元の部分がテントに触れてしまい濡れてしまう。
寝袋を濡らさないように、寝袋の足元の部分をレインジャケットで包む。
それでもやっぱり濡れてくる。

寒い。

わたしたちはこの時点ですでにあしたの登頂をあきらめていた。
こんな天気で朝日なんて見られるわけがない。

とりあえず、今晩どうやってしのぐか。
強風でテントが揺れる。
吹き飛ばされないように、ふたりでテントを内側から抑える。

「風に負けるなよ〜!」
「がんばれ!がんばってくれ!!」

テントに語りかける。

あしたは朝日が見られると、わくわくしながら飲むはずだったブランデー。
でもブランデーを飲む目的は、体を温めるためと寝つきをよくするためにかわった。

でも、わたしは寒くてほとんど寝られなかった。

そして翌日。
もちろん朝日の時間はまっくら。
星も見えない。

わたしたちはテントのなかでおとなしく明るくなるのを待った。
太陽が上がるに連れて、少しだけ雲も薄くなっていった。
ちらりとフィッツロイらしき山肌は見える。

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イクエとケンゾーは、ここでどうするか。
きのうトレッキング途中できれいなフィッツロイを見られたから、それでよしとしてあきらめて下山するか。

わたしたちの答えは決まっていた。

「もう一泊ここに泊まろう。
 そして明日の朝、挑戦しよう。」

それでもダメだったら?
そしたら下山するしかない。
だって食料がない。
当初は1泊予定だったので、1泊分プラスアルファの食料しかもってきていない。
とりあえずあしたまでは、いまある食材をやりくりしてなんとかしのげる。

雨がやんだので、ようやくわたしたちはキャンプらしいことをすることができた。
外での食事作り。

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これだけでも気が紛れる。
ずっと狭いテントのなかで時間を潰すだけじゃ、気が滅入りそう。

そして、キャンプ場にかわいい子が遊びに来た。

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キツネさん。
キャンプ場のまわりをウロウロしていた。

昼になると雲の隙間から青空も見えてきた。

「あ、来た来た来た!」
「いまがチャンス!」

日が差し込んだタイミングを見計らって、寝袋やレインジャケットを干す。

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左側のハイビスカス模様のシートは、本来はシャワーカーテン。
アフリカで買ったもので、テントの床が濡れるのを防ぐために敷いている。

そして段ボールも。
段ボールは寝袋の下に敷くマット代わり。

ほかの登山客もいろんなものを干していたけれど、わたしたちがいちばんみすぼらしいかも。
アメリカ人のおじさんに「この段ボールは何に使ってるの?」って聞かれてしまった。
そして「登山には登山グッズが大事だよ」って言われてしまった。

はい、まったくそうであります!
おっしゃる通りでございます!

天気はどんどんと回復していった。
どうか、どうか、お願い、あしたは晴れてください。

雲がまだあるとはいえ、太陽に照らされてキラキラと輝くフィッツロイが!

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「ちょっと歩いてみようか。」

ケンゾーが言うように、せっかくこんなきれいな場所にいるんだから、ずっとキャンプ場にいても仕方がない。
わたしたちはキャンプ場から少し引き返すかたちで、きのう歩いていないルートを歩くことにした。

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山肌はツヤツヤと輝いている。
雨のあとは空気がきれいになったようで、清々しい。

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ここからもフィッツロイが見える。
それはとても幻想的な姿だった。

フィッツロのお膝元の街、エル・チャルテン。
それは先住民の言葉で「煙を吐く山」という意味。

フィッツロイたちはまぎれもなく、煙を吐いていた。

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山肌からもわもわと煙が立ちのぼり、それが雲となって空へ空へと昇っていく。
雲の発生と動きはものすごく早くて、みるみるうちに雲が誕生しては空へ流れていく。

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それは見ていてまったく飽きない。
とても不思議な光景。

もはや単なる山じゃない。
生き物みたいに見えてきた。

「フィッツロイ山」じゃなくて「フィッツロイさん」「ミスター、フィッツロイ」。

「フィッツロイさん、温泉から上がった直後みたいやね。」
ケンゾーが言った。

ほんとうにそんなふうに見える。
湯上がり、フィッツロイさん。

フィッツロイさんのお肌から、ふわあ〜と湯気が出ている。

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きっと昨晩寒くて、たくさん雨や雪も降ったからこそ、温かくなったいまフィッツロイさんは湯上がり状態になっているのかもしれない。

天気に見放されたと思っていたわたしたち。
でもこんな幻想的なフィッツロイさんを見られて、じつは運がよかったのかもしれない。

「あ!虹みたいなのが、雲のところにほら!」

ふわふわとフィッツロイの周りを舞う雲が、七色に輝いている。

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雲が移動するたびに、七色の光も移動していく。
虹と言うよりもシャボン玉。
いくつものシャボン玉を、ぷくぅ〜ぷくぅ〜とフィッツロイさんたちは造り出していく。

ふわ、ふわ、ふわっと漂うシャボン玉。
消えたと思ったらまた新しいシャボン玉が生まれている。

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幻想的なフィッツロイさんたちを見ながら、わたしたちはキャンプ場へと戻った。
日が暮れる前に夕食を食べなきゃ。
少ない食材でできるものを。
ニンジンと魚の缶詰の炊き込みご飯。

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時間が経つにつれて天気はよくなっている。
これだときっとあしたはだいじょうぶ。

雲ひとつない青空、と言いたいところだけどフィッツロイさんたちはあいかわらず雲を吐き出して遊んでいる。
だからフィッツロイさんたちの頭上にだけ、ちぎれ雲が漂っている。

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フィッツロイさんだけじゃなくて、隣り合った山たちもそれぞれ山頂から煙を吐いている。
吐き出された雲は猛スピードで流れていくから、ほんとうに煙みたい。
火山じゃないのに火山みたい。

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「なんかさ、工場みたいやない?
 工場の煙突から煙が出とるみたい!」

「ほんと、工場や!」

まるでゴォ〜、ゴォ〜、ゴォ〜っと音を立てているかのよう。

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あいかわらずフィッツロイさんたちは煙を吐きつづけているけど、きっとわたしたちは朝焼けに染まる美しい山を見ることができる。
満天の星空が、そう確信させた。

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夜、ようやく工場の終業時間。
フィッツロイさんたちは眠りについたようだった。

フィッツロイさん。
あしたは、あなたたちに会いに行きます。

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