ちょいちょい妻にバカにされるふしがあるケンゾーです。
今朝もイクエが淹れたコーヒーを飲んでいたら、「ちょっと水が美味しくないけんイマイチだなあ。ま、ケンゾーには分からんと思うけど」って言われてしまった。
いやいやいや、俺けっこう違いの分かる男やけん。
ロライマトレッキング4日目。
この日は山の上を大移動する日。
およそ12km歩いて山頂を縦断、ガイアナ領に足を踏み入れ、ブラジル領で宿泊。
もちろんこんな山の上にイミグレーションなんてない。
事前にシモンの弟のアントニオが、サンタ・エレナのブラジル領事館で申請はしてくれている。
ガイアナは・・・いいみたい。
それにしても、「山頂を縦断」ってヘンな表現だね。
頂上が平らなテーブルマウンテンならでは。
ロライマの面積はおよそ3万平方キロメートル。
四国の2倍近くで中国地方と同じくらいの面積。
朝食はベネズエラ人が愛してやまないアレパ。
トウモロコシの粉を練って焼いたパンのようなもの。
粉チーズを振りかけて食べる。

腹ごしらえがすんだら出発。
きのうはたまに青空が顔をのぞかせていたんだけど、今朝は空一面分厚い雲に覆われている。
パラパラと雨まで降ってきてあいにくの空模様。
一瞬のうちにころころと天気が変わるロライマ山頂。
このあと晴れてくれればいいんだけど。

今日も先頭を歩くのはガイドのシモン。
3日間後ろ姿を見続けていて、「なにかに似てるんだよなあ」って思ってたんだけど、やっと合点がいった。
このストックを持って歩く姿、水戸黄門にそっくりじゃない?
ポーターの助さん格さんを従えて、黄門様ご一行のお通りだ。

♫ じ〜んせい 楽ありゃ 苦〜もあ〜るさ〜 ♫
どこまでも広がる岩場の上を黄門様についていく。
よく見るとうっすらと地面に道ができている。
この道から逸れてしまうと、きっとすぐに迷子になって生きては帰れないと思う。


大きな岩を回り込んだり、ときにはよじ上ったりしながら歩いていく。
足元は水溜りだらけ。
湿地帯のような場所も越えていくのであっという間に靴はずぶ濡れに。
靴も靴下もびしょ濡れになるもんだと思っていたほうがいい。


どこまで歩いても黒一色の世界。
ゴツゴツとした岩が造り上げる地球上とは思えない異質な空間。
原始の地球の姿をいまに留めるロストワールド。


シャーロック・ホームズの作家として有名な、コナン・ドイル。
彼のほかの代表作に『ロストワールド(失われた世界)』がある。
このギアナ高地が舞台になったもので、そこは太古の世界そのままだった。

黒い世界にかろうじて彩りを添えている植物たち。
決して派手ではないけれど、過酷な環境だからこそ美しさがより映える。




地面を埋め尽くすように生えている見たこともない植物。
放射状に生えている葉は硬くて先端はナイフのように尖っている。
これもロライマ固有の植物なのかな。

ロライマにはパイナップル科の原始的な植物が多く、逆にほかの地域にあるようなキク科やマメ科の植物は少ないらしい。
これが全部パイナップルだったらいいのに。

葉っぱがラッパ状になった食虫植物のブロチニア。
中に液体が溜まっていて、中に落ちた虫を溶かして食べる。
大きなものは長さが1mにもなるんだそう。
ちょっと怖いね。


跳べないカエル、オリオフリネラをまたまた発見。
ビヨンとした後ろ足と、いかにも頼り無さげな前足がかわいい。

1時間ちょっと歩いて休憩。
静まりかえった空間に、澄みきった水が流れるザーッという音だけが響き渡る。
歩きはじめてからまだ1人もほかのツーリストを見かけていない。
自分たちだけが世界に取り残されたかのよう。


ロライマの頂上には不思議な形をした奇岩がごろごろしている。
何億年という途方もない時間をかけて風と雨が岩の柔らかい部分を侵食して造り上げた自然の彫刻。
よく見ると、人間の顔やエイリアンのような形をした岩も。



だんだんと霧が深くなってきた。
「魔界に足を踏み入れようとしているのかも」
そんな突拍子もない想像を巡らすほど、ロライマの頂上は非現実的な世界。


深く白い霧の中に妖しく浮かびあがる黒いシルエット。
声を潜め身動きひとつせず人間を待ち受ける魔界の魑魅魍魎たち。
足を踏み入れたら最期、引き込まれてしまってもうこちらには戻って来られないようで恐ろしい。


でもシモンの、
「あれ、バナナを食べてるモンキーだよ!」
という一言で現実に引き戻される。
ああ、ほんとだ。
ゴリラがバナナ食べてるよ。

空を眺めて物思いにふける猿もいる。
いや、猿じゃなくてモアイかな。

歩きはじめて3時間。
霧のかなたにポツンと立つ三角形のシルエットが。
ロライマのハイライトのひとつ、プント・トリプレと呼ばれている3国地点に到着。


ベネズエラ、ブラジル、そしてガイアナにまたがっているロライマ山。
ここが3つの国が交わる国境ポイント。
ほんとは3つの国にまたがって写真を撮りたかったんだけど、記念碑があるからそれは不可能、残念。

ベネズエラとブラジルはちゃんとクリスタルを使って国名が埋め込まれているのに、ガイアナだけは何も無し。
落書きだらけでかわいそう。


みんなで記念の写真撮影。
周りが真っ白で何も見えないのが残念だけど・・・。
スタンプはないけど、これでガイアナにも行った!と言ってもいいかな?

きょうの目的地はさらに奥。
これからガイアナ領を突き進んでいく。
もちろん、出国スタンプも入国スタンプもない。
気づいたら今度はいつの間にかブラジル領へ入っていた。
大きな岩の割れ目をよじ登ったり、飛び石のようになった岩の上をスーパーマリオのようにジャンプしていったり。
アクロバティックなアスレチックで運動神経を競うテレビ番組みたい。


これまで見なかった木を発見。
しかもちょっとした林のように茂っている。
窪地になっているので、土が流されずに残っているのかも。


今朝7時半に出発して4時間。
11時半にキャンプ場、じゃなくてホテルに到着。
ここは、ブラジル領。
ブラジルで2泊3日過ごすことになる。
今回のホテルはホールのようになっていてかなり快適そう。

大きなU字型をした岩山で、真ん中が中庭のようになっている。
これで天気が良かったらきれいな星空を眺めることができるんだろうけど、残念!


いつものようにシモンはさっそく昼食の準備。
まるであつらえたかのように調理道具を置くスペースがあって料理もしやすそう。

8日間のロングプランでないとたどり着くことができないロライマの奥部へとやってきた3人。
さあどんな素晴らしい景色に巡り会えるのか。
ロライマの魅力はまだまだこれから ♫
今朝もイクエが淹れたコーヒーを飲んでいたら、「ちょっと水が美味しくないけんイマイチだなあ。ま、ケンゾーには分からんと思うけど」って言われてしまった。
いやいやいや、俺けっこう違いの分かる男やけん。
ロライマトレッキング4日目。
この日は山の上を大移動する日。
およそ12km歩いて山頂を縦断、ガイアナ領に足を踏み入れ、ブラジル領で宿泊。
もちろんこんな山の上にイミグレーションなんてない。
事前にシモンの弟のアントニオが、サンタ・エレナのブラジル領事館で申請はしてくれている。
ガイアナは・・・いいみたい。
それにしても、「山頂を縦断」ってヘンな表現だね。
頂上が平らなテーブルマウンテンならでは。
ロライマの面積はおよそ3万平方キロメートル。
四国の2倍近くで中国地方と同じくらいの面積。
朝食はベネズエラ人が愛してやまないアレパ。
トウモロコシの粉を練って焼いたパンのようなもの。
粉チーズを振りかけて食べる。

腹ごしらえがすんだら出発。
きのうはたまに青空が顔をのぞかせていたんだけど、今朝は空一面分厚い雲に覆われている。
パラパラと雨まで降ってきてあいにくの空模様。
一瞬のうちにころころと天気が変わるロライマ山頂。
このあと晴れてくれればいいんだけど。

今日も先頭を歩くのはガイドのシモン。
3日間後ろ姿を見続けていて、「なにかに似てるんだよなあ」って思ってたんだけど、やっと合点がいった。
このストックを持って歩く姿、水戸黄門にそっくりじゃない?
ポーターの助さん格さんを従えて、黄門様ご一行のお通りだ。

♫ じ〜んせい 楽ありゃ 苦〜もあ〜るさ〜 ♫
どこまでも広がる岩場の上を黄門様についていく。
よく見るとうっすらと地面に道ができている。
この道から逸れてしまうと、きっとすぐに迷子になって生きては帰れないと思う。


大きな岩を回り込んだり、ときにはよじ上ったりしながら歩いていく。
足元は水溜りだらけ。
湿地帯のような場所も越えていくのであっという間に靴はずぶ濡れに。
靴も靴下もびしょ濡れになるもんだと思っていたほうがいい。


どこまで歩いても黒一色の世界。
ゴツゴツとした岩が造り上げる地球上とは思えない異質な空間。
原始の地球の姿をいまに留めるロストワールド。


シャーロック・ホームズの作家として有名な、コナン・ドイル。
彼のほかの代表作に『ロストワールド(失われた世界)』がある。
このギアナ高地が舞台になったもので、そこは太古の世界そのままだった。

黒い世界にかろうじて彩りを添えている植物たち。
決して派手ではないけれど、過酷な環境だからこそ美しさがより映える。




地面を埋め尽くすように生えている見たこともない植物。
放射状に生えている葉は硬くて先端はナイフのように尖っている。
これもロライマ固有の植物なのかな。

ロライマにはパイナップル科の原始的な植物が多く、逆にほかの地域にあるようなキク科やマメ科の植物は少ないらしい。
これが全部パイナップルだったらいいのに。

葉っぱがラッパ状になった食虫植物のブロチニア。
中に液体が溜まっていて、中に落ちた虫を溶かして食べる。
大きなものは長さが1mにもなるんだそう。
ちょっと怖いね。


跳べないカエル、オリオフリネラをまたまた発見。
ビヨンとした後ろ足と、いかにも頼り無さげな前足がかわいい。

1時間ちょっと歩いて休憩。
静まりかえった空間に、澄みきった水が流れるザーッという音だけが響き渡る。
歩きはじめてからまだ1人もほかのツーリストを見かけていない。
自分たちだけが世界に取り残されたかのよう。


ロライマの頂上には不思議な形をした奇岩がごろごろしている。
何億年という途方もない時間をかけて風と雨が岩の柔らかい部分を侵食して造り上げた自然の彫刻。
よく見ると、人間の顔やエイリアンのような形をした岩も。



だんだんと霧が深くなってきた。
「魔界に足を踏み入れようとしているのかも」
そんな突拍子もない想像を巡らすほど、ロライマの頂上は非現実的な世界。


深く白い霧の中に妖しく浮かびあがる黒いシルエット。
声を潜め身動きひとつせず人間を待ち受ける魔界の魑魅魍魎たち。
足を踏み入れたら最期、引き込まれてしまってもうこちらには戻って来られないようで恐ろしい。


でもシモンの、
「あれ、バナナを食べてるモンキーだよ!」
という一言で現実に引き戻される。
ああ、ほんとだ。
ゴリラがバナナ食べてるよ。

空を眺めて物思いにふける猿もいる。
いや、猿じゃなくてモアイかな。

歩きはじめて3時間。
霧のかなたにポツンと立つ三角形のシルエットが。
ロライマのハイライトのひとつ、プント・トリプレと呼ばれている3国地点に到着。


ベネズエラ、ブラジル、そしてガイアナにまたがっているロライマ山。
ここが3つの国が交わる国境ポイント。
ほんとは3つの国にまたがって写真を撮りたかったんだけど、記念碑があるからそれは不可能、残念。

ベネズエラとブラジルはちゃんとクリスタルを使って国名が埋め込まれているのに、ガイアナだけは何も無し。
落書きだらけでかわいそう。


みんなで記念の写真撮影。
周りが真っ白で何も見えないのが残念だけど・・・。
スタンプはないけど、これでガイアナにも行った!と言ってもいいかな?

きょうの目的地はさらに奥。
これからガイアナ領を突き進んでいく。
もちろん、出国スタンプも入国スタンプもない。
気づいたら今度はいつの間にかブラジル領へ入っていた。
大きな岩の割れ目をよじ登ったり、飛び石のようになった岩の上をスーパーマリオのようにジャンプしていったり。
アクロバティックなアスレチックで運動神経を競うテレビ番組みたい。


これまで見なかった木を発見。
しかもちょっとした林のように茂っている。
窪地になっているので、土が流されずに残っているのかも。


今朝7時半に出発して4時間。
11時半にキャンプ場、じゃなくてホテルに到着。
ここは、ブラジル領。
ブラジルで2泊3日過ごすことになる。
今回のホテルはホールのようになっていてかなり快適そう。

大きなU字型をした岩山で、真ん中が中庭のようになっている。
これで天気が良かったらきれいな星空を眺めることができるんだろうけど、残念!


いつものようにシモンはさっそく昼食の準備。
まるであつらえたかのように調理道具を置くスペースがあって料理もしやすそう。

8日間のロングプランでないとたどり着くことができないロライマの奥部へとやってきた3人。
さあどんな素晴らしい景色に巡り会えるのか。
ロライマの魅力はまだまだこれから ♫
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