トレッキングをしてへとへとになって帰ったあとはホームステイ先で和食を作ってふるまい、かわりにワインをごちそうになって、ブログを書く気力がなくなって歯も磨かずベッドに倒れて電気をつけっぱなしで寝るという日々を送っているイクエです。
3日も更新が途絶えてしまってすみません。
それなのにランキングの応援クリックをしていただき、順位がキープできていることに感謝申し上げます。
ブログのために旅をしている訳じゃないしブログに振り回されずに旅を楽しむことを充実させようと思っているけどやっぱり毎日更新したい!
ルワンダ唯一のリゾート、キブ湖のホテルでのんびり過したイクエとケンゾー。
アフリカで久しぶりにくつろげて、延泊したい衝動にかられながら宿をあとにする。

アフリカ縦断をする旅人にはこの宿はほんとうにおすすめ。
アフリカの一部の国をのぞいてWi-Fiが無料で使える宿はとても少ないし、あっても高い。
ドミトリーなんてのもない。
だけどこの宿にはドミトリーもWi-Fiもあるし、宿泊費も安い。
ルワンダに来たら、このホテルに泊まるためにここまで足をのばす価値はあると思う。
アフリカ旅の疲れをここでいったん解消させたらいいよ。
ホテル名は「Home St Jean。
ドミトリーで2500フラン(約400円)。
わたしたちのルワンダ旅もまもなく終わろうとしていた。
けれど、最後に行ってみたい場所があった。
この場所に行けば、わたしたちがルワンダに入国してからずっと抱え込んでいるモヤモヤが少しはなくなるかもしれない。
その場所を紹介してくれる人が海外協力隊員のやすこちゃん。
まずはやすこちゃんのいるキブンゴを目指す。


ミニバスに乗って首都のキガリのバスターミナルへ。
キガリのバスターミナルにはミニバスがたくさん待機していてバス会社もたくさんある。
バス会社の窓口で切符を買うシステム。
目的地のキブンゴまでの切符を購入して再びバスに。
キガリからキブンゴまでは運賃2000フラン(約320円)。
夜はやすこちゃん以外の協力隊員も集まってくれて食事をすることになっていたので、早めに着きたかったけど日が暮れてしまった。
車窓から見える月がやけに大きくてケンゾーと感動していたら「ミラクルムーン」と言われているもので、「後の十三夜」だった。
例年は一年に2回だけのお月見だけど、旧暦の閏月の影響で年に3度目のお月見が171年ぶりにくる現象なんだって。

日は暮れたけど、月夜で明るいなかやすこちゃんと落ち合った。
隊員の人たちが待つレストランへ。
やすこちゃんは右側の真ん中の女性。

うわさによると現地人から大人気なんだとか。
「内面も美しい人」を意味する現地語のあだ名で呼ばれている。
ここで活躍している隊員たちの任務は井戸の整備や清潔な水の普及だったり、学校の先生だったり。
いつもひとりで大変だけど、たまにこうやって隊員同士で集まって話すことでストレスが癒やされるみたい。
ひとりじゃないってこと、日本語で話せるってこと、同じ悩みを共有できるってことは、遠いアフリカの国で生活していくなかで大事だよね。
このレストランはみんなで集まる特別な日に利用するらしい。
何もない田舎のキブンゴ。
そんなキブンゴでいちばんの見せ物をきょうは手配してくれてるんだとか。
「キブンゴを訪ねてくる人には必ずといっていいほど、見せているんです。」
「朝から予約しているので、もうそろそろやってくると思うんですが。」
みんな時間を気にしてキョロキョロしている。
「どんなものがくるの?
大道芸とか、パレード?
もしかしてミッキーマウス!?」
「そんなものじゃ・・・。
大したことないかもしれないけど、ここではそれがいちばんの娯楽なんですよ。」
期待が膨らむ。
いや、正直に言えばルワンダの田舎の娯楽なんてきっと大したものじゃないんだろうなっていう気持ちのほうが強い。
厨房のほうが慌ただしくなってきた。
ゴホッゴホッと咳き込む音や軽い悲鳴のようなもの。
そしてもくもくと・・・。
これはもしかして?

従業員がダッシュで近づいてくる。
手元からは煙があがっている。
涙目で咳き込んでいて、一刻も早く手に持っているものを投げ出したがっているように見える。

さっとテーブルから離れる隊員たち。
これ、ルワンダの娯楽なんでしょ!
みんなしっかり見届けようよ!


「キブンゴの名物」とか「最大の娯楽」とか「唯一の見せ物」とかみんなが絶賛していたけど・・・。
これ、この前フーイエの中華料理屋さんに行ったときも見たような。
みんながいかに何もない田舎で暮らしているかがわかるよ。
この煙、写真以上に実際は強力。
目に触れると涙が出てくるし、吸い込むと喉が痛くなる。

煙の正体は鉄板焼きの湯気。
どうしたらこんなにもくもくと湯気が立ち上がるのかは謎。
大量のチリをふりかけているらしく、それが煙とまざって体のさまざまなところを刺激してくる。
目が痛いよ〜。
ジュウジュウという音と白い煙が収まると、鉄板焼きの食べどき。
いただきま〜す。

ピリ辛でアツアツで、中華風の味付けで、おいしい。
これが最大の娯楽なのかは微妙だけれど、味はまちがいない!
この街唯一の見せ物で歓迎してくれてうれしいよ。
みんなありがとう♡
きょうはやすこちゃんの家にお世話になる。
見かけは大きい家だけど、中はそんなに大きくない。

やすこちゃんのところにも専属のガードマンがいた。
正しくは、「マン」じゃなくて「ウーマン」だった。
ルワンダは治安がいいように思えるけどやっぱり危ないこともあるようで、隊員の家にはガードマンが常駐している。
やすこちゃんの家に不審者は侵入してこないけど、夜な夜なやっかいなものがやってくるらしい。

それは、大きなネズミ!
食べ物はもちろん、ソファなんかも喰いちぎられる。
壁に穴があいていてそこから入ってくるらしい。
防いでもいっしょで「いたちごっこ」ならぬ「ねずみごっこ」。
やすこちゃんはあきらめて共存している。
「貴重な和食の食材も被害にあってるんですよ!」
大事なふりかけの袋が破られている。
被害を免れた貴重な食材で、やすこちゃんが朝食を作ってくれた。
アフリカの地に日本の朝のシーンがあった。

やすこちゃんの家で1泊したあとは、やすこちゃんといっしょにキレへという隣町へ。
ここにわたしたちが訪ねたい場所がある。

「やすこちゃんは現地人から大人気」と聞いていた通り、バスターミナルに着くなり多くの男たちが寄って来た。
アイドルを見つけたようにどんどん人が集まってくる。

やすこちゃんに会えておしゃべりできるのがとても嬉しそうで、みんなニヤニヤしている。

やすこちゃんは男たちだけじゃなく老若男女から大人気で、ほかの隊員によると首都のキガリでもやすこちゃんは覚えられていて市場に行けば声をかけられるそう。
不思議な力をもつやすこちゃん。
ルワンダの現地語が堪能なこともその理由のひとつかもしれない。
ミニバスに乗って目的地のキレへに到着。
緑が豊かで平和そうなこの村も、20年前は血に染まった。

フツ族がナタや鎌を振り回し、ツチ族たちを襲った。
フツ族とツチ族は分かれて住んでいるわけではなく、同じ場所で隣人として暮らしていた。
顔見知りの人たちに襲われ、レイプされ、殺された。
わずか3か月間で人口の10パーセントから20パーセントの人たちが殺害されたと言われている。
虐殺の現場はルワンダのいたるところにある。
虐殺が収まったあとも虐殺の現場から離れた場所で暮らすなんて不可能に近く、つねに虐殺の歴史を感じながら生きざるを得ない。
フツ族とツチ族が分かれて暮らすなんてこともできず、その後も隣人として顔を合わせながら暮らしている。
つねに虐殺の事実に触れながら生きているけれど、やっぱり虐殺の話をするのはタブーで「ツチ」「フツ」なんて言葉も口にできない。
どうして共存することができているのか。
実はお互いいまも心の中では相手への恨みをもっているばかりか、その恨みは解消されないままどんどん大きくなっているのではないか。
いつか繰り返されるのではないか。
わたしたちはそんな疑問をもっていた。
どうして酷いことをされたのに、いっしょに暮らしていけるのか。
いっぽう、加害者側はどうして何人もの命をその手で奪ったのに逃げることなくいっしょに暮らしているのか。
とてつもなく大きな葛藤があるはずなのに。
「ルワンダ人はスーパーポジティブだから」と答えるルワンダ人もいる。
だけど「ポジティブ」なんて言葉で片付けられないほどの悲しみや憎しみがあると思う。
「傷を癒やす」
「相手をゆるす」
「過去を受け止めて未来へ向かって生きる」
共存していくにはそれを達成させないといけないけど、どうやって達成できているのか。
実は達成なんてできてなくて、どちらも大きな不満を抱えてしかたなく今だけ共存しているだけじゃないのか。
和解へのプロセスがわからなくて、わたしとケンゾーは腑に落ちないままルワンダの旅を続けている。
このキレへでその和解への取り組みを見ることができると聞いて、ここまでやってきた。
「償いの家」。
虐殺に加担し、隣人を襲い、殺した人たちが、虐殺の被害者のために家を建てるという取り組み。

平屋のこじんまりとした家が並んでいる。
これが家族を殺された人たちが、加害者に建ててもらった家。

「償いの家」が完成し、いまではさらに進んだ和解のためのプロセスが行なわれている。
それは加害者と被害者の人がいっしょになって養豚をするという取り組み。
ルワンダの大学で平和学を教えている佐々木和之さんと現地のNPOが行なっているもので、やすこちゃんも時々お手伝いに来ている。
やすこちゃんのJICAでの任務は井戸の整備や清潔な水の普及活動で、この和解の取り組みとは関係ないんだけど、時間を作って自発的に訪れているのだそう。
わたしたちが歩いていると、養豚に取り組んでいる女性が笑顔で迎えてくれてわたしの荷物までもって案内してくれた。
きっとこの女性も虐殺のときの被害者なのだと思う。

殺した人と襲われた人。
彼らがどうやっていっしょに活動しているのか。
わたしたちは緊張しながら、その場所へと向かった。
3日も更新が途絶えてしまってすみません。
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ブログのために旅をしている訳じゃないしブログに振り回されずに旅を楽しむことを充実させようと思っているけどやっぱり毎日更新したい!
ルワンダ唯一のリゾート、キブ湖のホテルでのんびり過したイクエとケンゾー。
アフリカで久しぶりにくつろげて、延泊したい衝動にかられながら宿をあとにする。

アフリカ縦断をする旅人にはこの宿はほんとうにおすすめ。
アフリカの一部の国をのぞいてWi-Fiが無料で使える宿はとても少ないし、あっても高い。
ドミトリーなんてのもない。
だけどこの宿にはドミトリーもWi-Fiもあるし、宿泊費も安い。
ルワンダに来たら、このホテルに泊まるためにここまで足をのばす価値はあると思う。
アフリカ旅の疲れをここでいったん解消させたらいいよ。
ホテル名は「Home St Jean。
ドミトリーで2500フラン(約400円)。
わたしたちのルワンダ旅もまもなく終わろうとしていた。
けれど、最後に行ってみたい場所があった。
この場所に行けば、わたしたちがルワンダに入国してからずっと抱え込んでいるモヤモヤが少しはなくなるかもしれない。
その場所を紹介してくれる人が海外協力隊員のやすこちゃん。
まずはやすこちゃんのいるキブンゴを目指す。


ミニバスに乗って首都のキガリのバスターミナルへ。
キガリのバスターミナルにはミニバスがたくさん待機していてバス会社もたくさんある。
バス会社の窓口で切符を買うシステム。
目的地のキブンゴまでの切符を購入して再びバスに。
キガリからキブンゴまでは運賃2000フラン(約320円)。
夜はやすこちゃん以外の協力隊員も集まってくれて食事をすることになっていたので、早めに着きたかったけど日が暮れてしまった。
車窓から見える月がやけに大きくてケンゾーと感動していたら「ミラクルムーン」と言われているもので、「後の十三夜」だった。
例年は一年に2回だけのお月見だけど、旧暦の閏月の影響で年に3度目のお月見が171年ぶりにくる現象なんだって。

日は暮れたけど、月夜で明るいなかやすこちゃんと落ち合った。
隊員の人たちが待つレストランへ。
やすこちゃんは右側の真ん中の女性。

うわさによると現地人から大人気なんだとか。
「内面も美しい人」を意味する現地語のあだ名で呼ばれている。
ここで活躍している隊員たちの任務は井戸の整備や清潔な水の普及だったり、学校の先生だったり。
いつもひとりで大変だけど、たまにこうやって隊員同士で集まって話すことでストレスが癒やされるみたい。
ひとりじゃないってこと、日本語で話せるってこと、同じ悩みを共有できるってことは、遠いアフリカの国で生活していくなかで大事だよね。
このレストランはみんなで集まる特別な日に利用するらしい。
何もない田舎のキブンゴ。
そんなキブンゴでいちばんの見せ物をきょうは手配してくれてるんだとか。
「キブンゴを訪ねてくる人には必ずといっていいほど、見せているんです。」
「朝から予約しているので、もうそろそろやってくると思うんですが。」
みんな時間を気にしてキョロキョロしている。
「どんなものがくるの?
大道芸とか、パレード?
もしかしてミッキーマウス!?」
「そんなものじゃ・・・。
大したことないかもしれないけど、ここではそれがいちばんの娯楽なんですよ。」
期待が膨らむ。
いや、正直に言えばルワンダの田舎の娯楽なんてきっと大したものじゃないんだろうなっていう気持ちのほうが強い。
厨房のほうが慌ただしくなってきた。
ゴホッゴホッと咳き込む音や軽い悲鳴のようなもの。
そしてもくもくと・・・。
これはもしかして?

従業員がダッシュで近づいてくる。
手元からは煙があがっている。
涙目で咳き込んでいて、一刻も早く手に持っているものを投げ出したがっているように見える。

さっとテーブルから離れる隊員たち。
これ、ルワンダの娯楽なんでしょ!
みんなしっかり見届けようよ!


「キブンゴの名物」とか「最大の娯楽」とか「唯一の見せ物」とかみんなが絶賛していたけど・・・。
これ、この前フーイエの中華料理屋さんに行ったときも見たような。
みんながいかに何もない田舎で暮らしているかがわかるよ。
この煙、写真以上に実際は強力。
目に触れると涙が出てくるし、吸い込むと喉が痛くなる。

煙の正体は鉄板焼きの湯気。
どうしたらこんなにもくもくと湯気が立ち上がるのかは謎。
大量のチリをふりかけているらしく、それが煙とまざって体のさまざまなところを刺激してくる。
目が痛いよ〜。
ジュウジュウという音と白い煙が収まると、鉄板焼きの食べどき。
いただきま〜す。

ピリ辛でアツアツで、中華風の味付けで、おいしい。
これが最大の娯楽なのかは微妙だけれど、味はまちがいない!
この街唯一の見せ物で歓迎してくれてうれしいよ。
みんなありがとう♡
きょうはやすこちゃんの家にお世話になる。
見かけは大きい家だけど、中はそんなに大きくない。

やすこちゃんのところにも専属のガードマンがいた。
正しくは、「マン」じゃなくて「ウーマン」だった。
ルワンダは治安がいいように思えるけどやっぱり危ないこともあるようで、隊員の家にはガードマンが常駐している。
やすこちゃんの家に不審者は侵入してこないけど、夜な夜なやっかいなものがやってくるらしい。

それは、大きなネズミ!
食べ物はもちろん、ソファなんかも喰いちぎられる。
壁に穴があいていてそこから入ってくるらしい。
防いでもいっしょで「いたちごっこ」ならぬ「ねずみごっこ」。
やすこちゃんはあきらめて共存している。
「貴重な和食の食材も被害にあってるんですよ!」
大事なふりかけの袋が破られている。
被害を免れた貴重な食材で、やすこちゃんが朝食を作ってくれた。
アフリカの地に日本の朝のシーンがあった。

やすこちゃんの家で1泊したあとは、やすこちゃんといっしょにキレへという隣町へ。
ここにわたしたちが訪ねたい場所がある。

「やすこちゃんは現地人から大人気」と聞いていた通り、バスターミナルに着くなり多くの男たちが寄って来た。
アイドルを見つけたようにどんどん人が集まってくる。

やすこちゃんに会えておしゃべりできるのがとても嬉しそうで、みんなニヤニヤしている。

やすこちゃんは男たちだけじゃなく老若男女から大人気で、ほかの隊員によると首都のキガリでもやすこちゃんは覚えられていて市場に行けば声をかけられるそう。
不思議な力をもつやすこちゃん。
ルワンダの現地語が堪能なこともその理由のひとつかもしれない。
ミニバスに乗って目的地のキレへに到着。
緑が豊かで平和そうなこの村も、20年前は血に染まった。

フツ族がナタや鎌を振り回し、ツチ族たちを襲った。
フツ族とツチ族は分かれて住んでいるわけではなく、同じ場所で隣人として暮らしていた。
顔見知りの人たちに襲われ、レイプされ、殺された。
わずか3か月間で人口の10パーセントから20パーセントの人たちが殺害されたと言われている。
虐殺の現場はルワンダのいたるところにある。
虐殺が収まったあとも虐殺の現場から離れた場所で暮らすなんて不可能に近く、つねに虐殺の歴史を感じながら生きざるを得ない。
フツ族とツチ族が分かれて暮らすなんてこともできず、その後も隣人として顔を合わせながら暮らしている。
つねに虐殺の事実に触れながら生きているけれど、やっぱり虐殺の話をするのはタブーで「ツチ」「フツ」なんて言葉も口にできない。
どうして共存することができているのか。
実はお互いいまも心の中では相手への恨みをもっているばかりか、その恨みは解消されないままどんどん大きくなっているのではないか。
いつか繰り返されるのではないか。
わたしたちはそんな疑問をもっていた。
どうして酷いことをされたのに、いっしょに暮らしていけるのか。
いっぽう、加害者側はどうして何人もの命をその手で奪ったのに逃げることなくいっしょに暮らしているのか。
とてつもなく大きな葛藤があるはずなのに。
「ルワンダ人はスーパーポジティブだから」と答えるルワンダ人もいる。
だけど「ポジティブ」なんて言葉で片付けられないほどの悲しみや憎しみがあると思う。
「傷を癒やす」
「相手をゆるす」
「過去を受け止めて未来へ向かって生きる」
共存していくにはそれを達成させないといけないけど、どうやって達成できているのか。
実は達成なんてできてなくて、どちらも大きな不満を抱えてしかたなく今だけ共存しているだけじゃないのか。
和解へのプロセスがわからなくて、わたしとケンゾーは腑に落ちないままルワンダの旅を続けている。
このキレへでその和解への取り組みを見ることができると聞いて、ここまでやってきた。
「償いの家」。
虐殺に加担し、隣人を襲い、殺した人たちが、虐殺の被害者のために家を建てるという取り組み。

平屋のこじんまりとした家が並んでいる。
これが家族を殺された人たちが、加害者に建ててもらった家。

「償いの家」が完成し、いまではさらに進んだ和解のためのプロセスが行なわれている。
それは加害者と被害者の人がいっしょになって養豚をするという取り組み。
ルワンダの大学で平和学を教えている佐々木和之さんと現地のNPOが行なっているもので、やすこちゃんも時々お手伝いに来ている。
やすこちゃんのJICAでの任務は井戸の整備や清潔な水の普及活動で、この和解の取り組みとは関係ないんだけど、時間を作って自発的に訪れているのだそう。
わたしたちが歩いていると、養豚に取り組んでいる女性が笑顔で迎えてくれてわたしの荷物までもって案内してくれた。
きっとこの女性も虐殺のときの被害者なのだと思う。

殺した人と襲われた人。
彼らがどうやっていっしょに活動しているのか。
わたしたちは緊張しながら、その場所へと向かった。
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