洗濯機、掃除機、冷蔵庫、テレビ・・・。
帰国してひとつだけ買うことができるとしたら迷わず冷蔵庫を選ぶイクエです。
ちなみにケンゾーは帰国してまでも今と同じように毎日服を手洗いするのは嫌だから洗濯機だそうです。
でも冷蔵庫がないなら冷たい飲み物も飲めないし、食材の保存もできないもん。
さて、ロンドンと言ってここを思い浮かべる人はいないと思うけど、みんな名前は聞いたことがあるんじゃないかな。
この場所の名前を。
ここはグリニッジ。
グリニッジ天文台がある場所。
グリニッジ天文台って社会の時間で習った気がするけど、なんだったかな・・・。
まあ、その話はのちほど。
グリニッジ天文台を目指して歩いていると、食のマーケットが開かれていてたくさんの人でごった返している。
おいしそうな匂いをただよわせお肉を焼いている店やスウィーツのお店、インド料理の屋台にタイや中華料理の店・・・。
食文化が貧しいと言われるイギリスで、いろんな国のグルメを楽しめるマーケット。
そのなかで行列ができていて人気だったのは何のお店だと思う?
みなさんが食べているのは・・・・。
SUSHI!!
寿司だけじゃないのよ。
和食の屋台はほかにもあって、ここなんてかなりツウ好みの屋台だった。
「なす田楽」に「カレーうどん」、「たらの西京焼き」まで!
外国の人にとって和食と言えばSUSHIかTEMPRAだけど、こんなに和食にはレパートリーがあっておいしいってのを分っていただければうれしいですねえ。
久しぶりの和食の匂いで、もうイクエとケンゾーはよだれが出っぱなしだったんだけど、お値段が高いので断念。
唐揚げ5個2.5ポンド、日本円でおよそ430円。
5個ってこの串が5本ってことじゃないよ。
1本に5個刺さってるから1本のお値段。
高いよね。
でも、飛ぶように売れてるの!
「海外で日本料理店開いたら、儲けるよね。」
「味は普通でも日本人がやってるってだけで客がつくんやない?」
と、自分たちが日本料理店を開くことを妄想しながらグリニッジの観光ポイントへ。
ロンドンの郊外、テムズ川のほとりに位置するグリニッジ。
ロンドンは海に面していないけど、テムズ川を活かして世界の海を支配し、発展していった。
河港都市のグリニッジは世界遺産にも登録されている。
1869年につくられたカティー・サーク号。
この当時、世界最速を誇った大型快速帆船。
インド航路で中国のお茶やオーストラリアの羊毛などを運んでいたんだって。
グリニッジには海軍学校も置かれていて、今ではそれぞれの建物が博物館になっていて無料で入ることができる。
無料でこんなものもかぶることができる。
よくこんな重いもんかぶって、戦えたね。
まわりの人から笑われている気がしないでもないけどね。
旧海軍学校は、建物も壮麗。
外観ももちろんだけど、室内はもっと美しい!
壁も、天井も。
立体的で人が今にも飛び出してきそう。
教会に描かれた宗教画とタッチが似ているけど、船や地球儀が描かれていて航海にちなんだものが多い。
じっくり鑑賞したいけど、首が痛くなる。
こんな素晴らしい建物は、いまは大学として使われている。
ロンドンの中心街から少し離れていてゆったりと時間が流れていて、緑の芝生が広がっていて、川からの風が気持ちよくて。
こんなところでキャンパスライフっていいよねえ。
学生たちが芝生に寝っ転がっておしゃべりしたり、お昼を食べていたり。
学生だけじゃなく、家族連れもここで休日を楽しんでいる。
大都会にこそ、こんな芝生のだだっ広い空間の癒しの場所が必要。
青空の下、芝生を歩いているだけですがすがしい気分になるし、みんなが思い思いにくつろいでいる姿を見るとなんかあたたかい気持ちになる。
日本にももうちょっとこんな場所があったらいいのにね。
日本の休日って、家で何もせずグータラするか、家族でショッピングセンターに行ったり遊園地に行ってお金を使って精力的に遊ぶか。
外でお金を使わずグータラするという選択肢もあっていいと思う。
日本人って外でくつろぐっていうのが苦手かもしれない。
くつろぐのは家。
公園では遊ぶ。
海では泳ぐ。
外国人って公園でもカフェでもビーチでも、ただ家にいるみたいにくつろいでいる。
公園でもビーチでも遊ぶでも泳ぐでもなく、寝っ転がって本を読んだりただ爆睡していたり。
青空の下でグータラするというのが、リフレッシュできるし疲れないしお金かからないし・・・帰国したら休日は外でグータラすることにしようっと。
グリニッジと言えば、グリニッジ天文台。
グリニッジの丘の上にたっている、かわいくて古めかしい建物が天文台。
ここにある時計が示す時刻が、世界の時刻の基準となっていた。
グリニッジ標準時。
天文台としての機能は今は別の場所に移ってしまっていまは博物館になっている。
それでもここは地球にとって特別な場所。
ここに引かれているのが本初子午線。
経度0度0分0秒。
行列ができているのは、この子午線の上で記念撮影するため。
この線が東半球と西半球を分けている。
ここでイクエとケンゾーも写真を撮りたかったけど、ここに入るには入場料がいる。
わざわざお金を払って、さらに並ぶのは大変なのであきらめることにした。
あきらめることにして、ぶらぶらしていたら発見した!
みんながいる建物の裏に、この線がつづいていることを。
体の半分が東半球、そして半分が西半球!!
いままで1年半以上旅をしてきたけど、旅のスピードが遅すぎてまだ東半球しか旅していない。
ようやく西半球に足を踏み入れたことを実感。
西半球と東半球をウロウロしたところで、ロンドンのあの観光地へ移動。
世界最大規模の大英博物館。
九州で育ったわたしは、けっこうないい年になるまで「ダイエー博物館」と思っていた。
スーパーのダイエーやダイエーホークス。
なんでイギリスにまで「ダイエー」がつくものがあるのか不思議だった。
ダイエーって世界的に有名な会社なのか、もしかしてダイエーは日本の会社じゃないのか、謎は多かったけど、そこまで興味もなかったので誰にも確認せずにいた。
イギリスでは観光地の入場料は高いけど、博物館や美術館は無料のところがほとんど。
この大英博物館も無料!!
だからか、人も多い。
大英博物館には世界の美術品や工芸品などありとあらゆるものが収蔵されている。
だから見て回るのに一週間あっても足りないと言われている。
だから、見たい物以外は素通りになっちゃうんだけど、無料でくれるパンフレットにも「これだけは見逃すな」みたいな展示品がいくつか紹介されていて、ちゃんと館内マップにもその場所にしるしがつけられている。
いちばんの目玉は、これ。
さすがに人だかりができている。
ロゼッタストーン。
ロゼッタストーンは古代エジプトの石碑。
紀元前196年にエジプトのメンフィスでだされた勅令が刻まれている。
このロゼッタストーンの発見は歴史上重要な意味をもったといわれている。
この碑文には同じ文章が3種類の文字で書かれている。
ヒエログリフのほかに民衆文字とギリシア文字。
そのため、照合しながらヒエログリフ(象形文字)が解明されることになったというのを、中学校か高校の英語の教科書で習った。
象形文字を見るたびに「よくこんな書くのがめんどくさい文字を使っていたな」って思うけど、これって漢字よりも簡単だよね。
そういえばよく外国人から「なんでそんなに書いたり覚えたりするのがめんどくさい漢字を使ってるの?」って聞かれる。
旧石器時代から近代まで世界中から集めたコレクションが展示されている大英博物館。
イギリス固有の物なんてわずか。
このポートランドの壷。
ガラスの壷に繊細な彫刻がほどこしてある。
なんだか陶器の高級ブランドのウェッジウッドの商品みたいでしょ。
それもそのはず。
ウェッジウッドが手本にしたらしい。
でも、これがつくられたのが紀元前15年ごろだからすごいよね。
いったいどうやってこれらの遺跡を集めて、この博物館ができたのか。
きっかけはサー・ハンス・スローンという一人の人物。
内科医であり、考古学者であり、旅行家でもあった人。
なんかインディ・ジョーンズを思い出す。
彼が個人的に世界中で化石や標本や骨董品や絵画や書籍などおよそ8万点を収集したんだって。
1753年に92歳で亡くなったんだけど、彼の遺言で遺族に2万ポンドの代価を支払うことを条件にコレクションが国に寄贈されたのだそう。
当時のイギリス議会が保管場所や博物館の運営費を捻出するために、宝くじを発行。
彼のコレクション以外にもほかの人のコレクションの遺品も加わって、1759年に大英博物館がオープンしたんだって。
他の国からは「泥棒!返せ!」なんて批判されることもある。
アテネの彫刻もたくさんあって、ギリシア政府は返還を求めているけどイギリス側は「貴重な人類の財産をその時代に保存できる国がイギリス以外になかった」なんて反論しているらしい。
イランのペルセポリスで見たものと同じようなものもあった。
ペルセポリスは世界遺産だけど、遺跡が破壊されたり彫刻が原型を留めていない部分も多くて『がっかり遺産』なんて揶揄されることもある。
それって、こんなふうにいいところを持っていかれちゃったからなんじゃないかな。
でも、完璧なかたちのものを博物館で見るよりも、多少崩れていてもちゃんと本来の場所で見たほうが感動は大きい。
このほかにもイースター島の巨大なモアイ像や遺跡まるごと持ってきたんじゃないの?というものまで展示されている。
「盗んだ」ということに後ろめたさがあるから入場料が無料なのかも。
年間700万人が訪れるらしいから、入場料を徴収すればかなり儲けると思う。
入場も無料だし、写真も撮っていいし、もちろん絵だって描いていい。
展示品を前に持参の椅子に座って模写しているおじさんまでいて、不思議な感じ。
そうそう、展示品には日本のかぶとや刀とか浮世絵もあるよ。
こんな大きな展示品もある。
茶室まるごと!
日本のコーナーにはけっこうお客さんが多かった。
ヨーロッパ人にとって日本文化ってやっぱり人気なのかな。
でも、逆に日本人観光客にいちばん人気があると言われているのがこれ。
古代エジプトのミイラたち!
たしかに日本人ってミイラって見たいかもね。
吉村作治のテレビ番組の影響?
つくられたのは紀元前3000年とか紀元前1000年くらい。
亡くなったあとも自分の体が数千年も保存されて、こんなふうにガラスケースに入れられて現代の観光客たちから写真を撮られるってどうなんだろうね。
ミイラの展示室でこれを見たとき、ふたりでびっくりした。
こんなものもミイラにしてたの!?
知らなかった。
猫とか牛とか、魚まで!
ちゃんと魚型の棺おけまでつくってるし。
どんなセンス!?
これだけいろんな時代のいろんな国のいろんな種類のものが並んでいると、いくら貴重なものでもありがたみが薄れてくる。
すみのほうにちょこんと置かれ、みんなが素通りしていた展示品に釘付けになった。
これはあの有名な「クリスタルスカル」じゃないですか!
中米のアステカの遺跡から発見されたと言われるクリスタルスカル。
驚くべき高度な技術でつくられている。
何年か前に「世界の七不思議」とか「世界のミステリー」みたいなタイトルでよく特集されていた。
いったい何のためにその当時の人がこんなものをつくったのか。
当時の技術でどうやってつくったのか。
テレビでは現地の人にインタビューしたり、言い伝えを紹介したり、科学者が出てきてレーザー解析したり。
結局その謎は解けないんだけど、番組の最後はいつも「永遠の謎。だからこそわたしたちを魅了する。」みたいな締めくくりがされる。
まさか大英博物館にこのクリスタルスカルがあったなんて。
みんな素通りしてるけど、観なくていいの?
でも、説明書きを読んでがっかりした。
最近の研究によりそれはウソで何者かによって古くとも19世紀以降に作られたのが有力な説なんだって・・・。
このクリスタルスカルが大英博物館の展示から消えるのは時間の問題かも。
大英博物館を観て思ったこと。
やっぱり「大英」っていうのはやめたほうがいいと思う。
イギリスにちなんだものはほとんどないから「世界博物館」がいいね。
そしたら「ダイエー」とも間違わないし!
帰国してひとつだけ買うことができるとしたら迷わず冷蔵庫を選ぶイクエです。
ちなみにケンゾーは帰国してまでも今と同じように毎日服を手洗いするのは嫌だから洗濯機だそうです。
でも冷蔵庫がないなら冷たい飲み物も飲めないし、食材の保存もできないもん。
さて、ロンドンと言ってここを思い浮かべる人はいないと思うけど、みんな名前は聞いたことがあるんじゃないかな。
この場所の名前を。
ここはグリニッジ。
グリニッジ天文台がある場所。
グリニッジ天文台って社会の時間で習った気がするけど、なんだったかな・・・。
まあ、その話はのちほど。
グリニッジ天文台を目指して歩いていると、食のマーケットが開かれていてたくさんの人でごった返している。
おいしそうな匂いをただよわせお肉を焼いている店やスウィーツのお店、インド料理の屋台にタイや中華料理の店・・・。
食文化が貧しいと言われるイギリスで、いろんな国のグルメを楽しめるマーケット。
そのなかで行列ができていて人気だったのは何のお店だと思う?
みなさんが食べているのは・・・・。
SUSHI!!
寿司だけじゃないのよ。
和食の屋台はほかにもあって、ここなんてかなりツウ好みの屋台だった。
「なす田楽」に「カレーうどん」、「たらの西京焼き」まで!
外国の人にとって和食と言えばSUSHIかTEMPRAだけど、こんなに和食にはレパートリーがあっておいしいってのを分っていただければうれしいですねえ。
久しぶりの和食の匂いで、もうイクエとケンゾーはよだれが出っぱなしだったんだけど、お値段が高いので断念。
唐揚げ5個2.5ポンド、日本円でおよそ430円。
5個ってこの串が5本ってことじゃないよ。
1本に5個刺さってるから1本のお値段。
高いよね。
でも、飛ぶように売れてるの!
「海外で日本料理店開いたら、儲けるよね。」
「味は普通でも日本人がやってるってだけで客がつくんやない?」
と、自分たちが日本料理店を開くことを妄想しながらグリニッジの観光ポイントへ。
ロンドンの郊外、テムズ川のほとりに位置するグリニッジ。
ロンドンは海に面していないけど、テムズ川を活かして世界の海を支配し、発展していった。
河港都市のグリニッジは世界遺産にも登録されている。
1869年につくられたカティー・サーク号。
この当時、世界最速を誇った大型快速帆船。
インド航路で中国のお茶やオーストラリアの羊毛などを運んでいたんだって。
グリニッジには海軍学校も置かれていて、今ではそれぞれの建物が博物館になっていて無料で入ることができる。
無料でこんなものもかぶることができる。
よくこんな重いもんかぶって、戦えたね。
まわりの人から笑われている気がしないでもないけどね。
旧海軍学校は、建物も壮麗。
外観ももちろんだけど、室内はもっと美しい!
壁も、天井も。
立体的で人が今にも飛び出してきそう。
教会に描かれた宗教画とタッチが似ているけど、船や地球儀が描かれていて航海にちなんだものが多い。
じっくり鑑賞したいけど、首が痛くなる。
こんな素晴らしい建物は、いまは大学として使われている。
ロンドンの中心街から少し離れていてゆったりと時間が流れていて、緑の芝生が広がっていて、川からの風が気持ちよくて。
こんなところでキャンパスライフっていいよねえ。
学生たちが芝生に寝っ転がっておしゃべりしたり、お昼を食べていたり。
学生だけじゃなく、家族連れもここで休日を楽しんでいる。
大都会にこそ、こんな芝生のだだっ広い空間の癒しの場所が必要。
青空の下、芝生を歩いているだけですがすがしい気分になるし、みんなが思い思いにくつろいでいる姿を見るとなんかあたたかい気持ちになる。
日本にももうちょっとこんな場所があったらいいのにね。
日本の休日って、家で何もせずグータラするか、家族でショッピングセンターに行ったり遊園地に行ってお金を使って精力的に遊ぶか。
外でお金を使わずグータラするという選択肢もあっていいと思う。
日本人って外でくつろぐっていうのが苦手かもしれない。
くつろぐのは家。
公園では遊ぶ。
海では泳ぐ。
外国人って公園でもカフェでもビーチでも、ただ家にいるみたいにくつろいでいる。
公園でもビーチでも遊ぶでも泳ぐでもなく、寝っ転がって本を読んだりただ爆睡していたり。
青空の下でグータラするというのが、リフレッシュできるし疲れないしお金かからないし・・・帰国したら休日は外でグータラすることにしようっと。
グリニッジと言えば、グリニッジ天文台。
グリニッジの丘の上にたっている、かわいくて古めかしい建物が天文台。
ここにある時計が示す時刻が、世界の時刻の基準となっていた。
グリニッジ標準時。
天文台としての機能は今は別の場所に移ってしまっていまは博物館になっている。
それでもここは地球にとって特別な場所。
ここに引かれているのが本初子午線。
経度0度0分0秒。
行列ができているのは、この子午線の上で記念撮影するため。
この線が東半球と西半球を分けている。
ここでイクエとケンゾーも写真を撮りたかったけど、ここに入るには入場料がいる。
わざわざお金を払って、さらに並ぶのは大変なのであきらめることにした。
あきらめることにして、ぶらぶらしていたら発見した!
みんながいる建物の裏に、この線がつづいていることを。
体の半分が東半球、そして半分が西半球!!
いままで1年半以上旅をしてきたけど、旅のスピードが遅すぎてまだ東半球しか旅していない。
ようやく西半球に足を踏み入れたことを実感。
西半球と東半球をウロウロしたところで、ロンドンのあの観光地へ移動。
世界最大規模の大英博物館。
九州で育ったわたしは、けっこうないい年になるまで「ダイエー博物館」と思っていた。
スーパーのダイエーやダイエーホークス。
なんでイギリスにまで「ダイエー」がつくものがあるのか不思議だった。
ダイエーって世界的に有名な会社なのか、もしかしてダイエーは日本の会社じゃないのか、謎は多かったけど、そこまで興味もなかったので誰にも確認せずにいた。
イギリスでは観光地の入場料は高いけど、博物館や美術館は無料のところがほとんど。
この大英博物館も無料!!
だからか、人も多い。
大英博物館には世界の美術品や工芸品などありとあらゆるものが収蔵されている。
だから見て回るのに一週間あっても足りないと言われている。
だから、見たい物以外は素通りになっちゃうんだけど、無料でくれるパンフレットにも「これだけは見逃すな」みたいな展示品がいくつか紹介されていて、ちゃんと館内マップにもその場所にしるしがつけられている。
いちばんの目玉は、これ。
さすがに人だかりができている。
ロゼッタストーン。
ロゼッタストーンは古代エジプトの石碑。
紀元前196年にエジプトのメンフィスでだされた勅令が刻まれている。
このロゼッタストーンの発見は歴史上重要な意味をもったといわれている。
この碑文には同じ文章が3種類の文字で書かれている。
ヒエログリフのほかに民衆文字とギリシア文字。
そのため、照合しながらヒエログリフ(象形文字)が解明されることになったというのを、中学校か高校の英語の教科書で習った。
象形文字を見るたびに「よくこんな書くのがめんどくさい文字を使っていたな」って思うけど、これって漢字よりも簡単だよね。
そういえばよく外国人から「なんでそんなに書いたり覚えたりするのがめんどくさい漢字を使ってるの?」って聞かれる。
旧石器時代から近代まで世界中から集めたコレクションが展示されている大英博物館。
イギリス固有の物なんてわずか。
このポートランドの壷。
ガラスの壷に繊細な彫刻がほどこしてある。
なんだか陶器の高級ブランドのウェッジウッドの商品みたいでしょ。
それもそのはず。
ウェッジウッドが手本にしたらしい。
でも、これがつくられたのが紀元前15年ごろだからすごいよね。
いったいどうやってこれらの遺跡を集めて、この博物館ができたのか。
きっかけはサー・ハンス・スローンという一人の人物。
内科医であり、考古学者であり、旅行家でもあった人。
なんかインディ・ジョーンズを思い出す。
彼が個人的に世界中で化石や標本や骨董品や絵画や書籍などおよそ8万点を収集したんだって。
1753年に92歳で亡くなったんだけど、彼の遺言で遺族に2万ポンドの代価を支払うことを条件にコレクションが国に寄贈されたのだそう。
当時のイギリス議会が保管場所や博物館の運営費を捻出するために、宝くじを発行。
彼のコレクション以外にもほかの人のコレクションの遺品も加わって、1759年に大英博物館がオープンしたんだって。
他の国からは「泥棒!返せ!」なんて批判されることもある。
アテネの彫刻もたくさんあって、ギリシア政府は返還を求めているけどイギリス側は「貴重な人類の財産をその時代に保存できる国がイギリス以外になかった」なんて反論しているらしい。
イランのペルセポリスで見たものと同じようなものもあった。
ペルセポリスは世界遺産だけど、遺跡が破壊されたり彫刻が原型を留めていない部分も多くて『がっかり遺産』なんて揶揄されることもある。
それって、こんなふうにいいところを持っていかれちゃったからなんじゃないかな。
でも、完璧なかたちのものを博物館で見るよりも、多少崩れていてもちゃんと本来の場所で見たほうが感動は大きい。
このほかにもイースター島の巨大なモアイ像や遺跡まるごと持ってきたんじゃないの?というものまで展示されている。
「盗んだ」ということに後ろめたさがあるから入場料が無料なのかも。
年間700万人が訪れるらしいから、入場料を徴収すればかなり儲けると思う。
入場も無料だし、写真も撮っていいし、もちろん絵だって描いていい。
展示品を前に持参の椅子に座って模写しているおじさんまでいて、不思議な感じ。
そうそう、展示品には日本のかぶとや刀とか浮世絵もあるよ。
こんな大きな展示品もある。
茶室まるごと!
日本のコーナーにはけっこうお客さんが多かった。
ヨーロッパ人にとって日本文化ってやっぱり人気なのかな。
でも、逆に日本人観光客にいちばん人気があると言われているのがこれ。
古代エジプトのミイラたち!
たしかに日本人ってミイラって見たいかもね。
吉村作治のテレビ番組の影響?
つくられたのは紀元前3000年とか紀元前1000年くらい。
亡くなったあとも自分の体が数千年も保存されて、こんなふうにガラスケースに入れられて現代の観光客たちから写真を撮られるってどうなんだろうね。
ミイラの展示室でこれを見たとき、ふたりでびっくりした。
こんなものもミイラにしてたの!?
知らなかった。
猫とか牛とか、魚まで!
ちゃんと魚型の棺おけまでつくってるし。
どんなセンス!?
これだけいろんな時代のいろんな国のいろんな種類のものが並んでいると、いくら貴重なものでもありがたみが薄れてくる。
すみのほうにちょこんと置かれ、みんなが素通りしていた展示品に釘付けになった。
これはあの有名な「クリスタルスカル」じゃないですか!
中米のアステカの遺跡から発見されたと言われるクリスタルスカル。
驚くべき高度な技術でつくられている。
何年か前に「世界の七不思議」とか「世界のミステリー」みたいなタイトルでよく特集されていた。
いったい何のためにその当時の人がこんなものをつくったのか。
当時の技術でどうやってつくったのか。
テレビでは現地の人にインタビューしたり、言い伝えを紹介したり、科学者が出てきてレーザー解析したり。
結局その謎は解けないんだけど、番組の最後はいつも「永遠の謎。だからこそわたしたちを魅了する。」みたいな締めくくりがされる。
まさか大英博物館にこのクリスタルスカルがあったなんて。
みんな素通りしてるけど、観なくていいの?
でも、説明書きを読んでがっかりした。
最近の研究によりそれはウソで何者かによって古くとも19世紀以降に作られたのが有力な説なんだって・・・。
このクリスタルスカルが大英博物館の展示から消えるのは時間の問題かも。
大英博物館を観て思ったこと。
やっぱり「大英」っていうのはやめたほうがいいと思う。
イギリスにちなんだものはほとんどないから「世界博物館」がいいね。
そしたら「ダイエー」とも間違わないし!