Now,we are HERE!
訪れた国は78カ国
旅した期間は1257日
2016年2月14日に帰国!
プロフィール

ケンゾー   イクエ


2007年10月 結婚
2012年09月 世界旅行に出発

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日本


「もっとも意味のある」旅

2014.04.20 07:38|イスラエル☞EDIT
久しぶりにスカートを履いたイクエです。
ずっと寒いところでパンツだったから。
もうスカートいらん!とも思ってたけど持っててよかった。

さて、長くて濃かったイスラエル・パレスチナの旅も終わり。

「ふらりゆるり」な旅のスタイルのイクエとケンゾーですが、今回の旅ほど心が忙しかった旅はありませんでした。
「心が忙しい」というのは、怒りとか驚きとか悲しみとか優しさとかいっぺんにいろんな気持ちがわき起こったり、いろんなことを深く考えさせられたりしたと言う意味。

心は全然「ゆるり」なんてできませんでしたが、それでもゆっくりと時間をかけてイスラエルとパレスチナをまわりました。

きょうはそんな旅を終えての思いをつづります。
わたしの意見を長々と読むのは飽きちゃうかもしれませんが、おつきあいくだされば幸いです。


☆なぜ解決されない?3つの大問題!!

「パレスチナ問題」とよく言われるけれど、イスラエルとパレスチナを旅して確信したのは「パレスチナ問題」ではなく「イスラエル問題」と言うほうが適切だということ。
問題をつくっているのも、解決の鍵を握っているのもイスラエル。
イスラエルが生み出している問題にはさまざまありますが、大きなものは以下の3つだと思います。

1、イスラエルの侵攻 パレスチナ人の不当拘束
2、分離壁の建設
3、入植地の増設 水源地の占領



1、イスラエルの侵攻 パレスチナ人の不当拘束
イクエとケンゾーがパレスチナ自治区で最初に足を踏み入れた地域ジェニン。
この街で、イスラエル問題をまざまざと見せつけられました。

夜な夜なイスラエル軍が難民キャンプにやってきては、家々を襲撃していきます。
毎晩毎晩、「ダダダダダダ」「バーン!」という銃声や砲撃の音に包まれました。
これに対し、パレスチナ人はただじっと堪えることしかできません。
安眠の自由もないのです。

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さらに、パレスチナの若い男性を「テロリストの疑いあり」ということで連れ去って行きます。
ナブルスで知り合ったNGOスタッフの青年も「兄弟全員が逮捕された」と話していました。
侵攻とパレスチナ人の不当拘束を続けるイスラエルを見ていると、和平の実現よりもパレスチナ人を追い出しパレスチナ自治区を乗っ取ることを考えているのでは?と思わざるをえません。

2、分離壁の建設
イスラエル側が一方的に建設している壁。
高さ8メートルの壁でパレスチナを囲い込む作戦で、「テロから守るためのセキュリティフェンス」という名目で建設しているものです。

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だけど、現実にはイスラエルとパレスチナの境界を越えてパレスチナ側に入り込んで建設しています。
また、パレスチナ人の生活空間なんて考慮されずに壁ができているため、家が壁に囲まれていたり賑やかだった街の大通りに建てられています。

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特別な許可証がない限り、パレスチナ人は壁の外には行けず身動きが取れません。
壁のチェックポイントにはイスラエル軍が常駐していて、パレスチナ人は閉そく感を抱えたまま日常生活を送っています。

3、入植地の増設 水源地の占領
イスラエルは「セキュリティのため」と壁を作っておきながら、勝手に壁の内側のパレスチナ自治区にユダヤ人入植地をつくっています。
ユダヤ人の新興住宅地をつくり、ここに住む人には生活費などの面で優遇措置をおこなっています。
入植地への引越しをイスラエル国民に勧めていて、パレスチナ自治区には新しいユダヤ人の住宅がどんどん建設されています。

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入植地ができると、パレスチナ人はそこに入ることができなくなります。
ヘブロンでは500人のユダヤ人入植者を守るために2000人のイスラエル兵が常駐しています。

ずっと使っていた生活道路をパレスチナ人は通ってはいけないようになったため、登下校の子どもたちも迂回路を通らなければなりません。
写真の下の広い道路がユダヤ人専用道路、斜面の狭い道がパレスチナ人の道。
もちろん、パレスチナ人は車を運転することも禁止されています。

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ヘブロンの商店街の上には金網がはってありました。
これは上に住んでいるユダヤ人入植者が嫌がらせでゴミを投げるからです。
卵や水をかけてくることもあるそうです。

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また、水源地もイスラエルがぎゅうじっています。
パレスチナ自治区内であっても水があるところはイスラエルが支配しているため、パレスチナはイスラエルから水を買わなければいけません。

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イスラエルがパレスチナに水を売らなくなれば、パレスチナの人は生きていくことも難しくなります。
実際にヘブロンでホームステイしていたとき、断水になったことがありました。
イスラエルが突然水の供給を止めることは珍しくなく、1週間以上水が使えないことも多いそうです。

確かにパレスチナ人がテロを起こすことも、パレスチナのガザ地区がイスラエルに向けてミサイル攻撃をすることもあり、和平が実現されないのはパレスチナにも問題があるかもしれません。
しかし、上の3つの問題が解決されないかぎり、パレスチナ人の不満は募る一方でイスラエルへの憎悪が強くなるのは当然のことです。

国連もイスラエルの政策を不当だと指摘していますが、イスラエルはいっこうにやめません。
イスラエル・パレスチナの和平の鍵は、イスラエルが握っています。

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☆「パレスチナ寄り」ではいけないの?

わたしたちはイスラエルとパレスチナを旅しました。
最初に旅したイスラエルでは「イスラエル人は穏やかでまじめで優しいな。テルアビブの街になら住みたいな。」と好印象をもちました。
しかしそのあと旅したパレスチナでの出来事や人々の話が衝撃的過ぎて、「これはやっぱりイスラエル政府のやり方がおかしい!」と思うようになりました。

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このブログの読者の方から「あまりにもパレスチナ寄りなのではないか。」というご批判のコメントをいただきましたが、わたしたちとしては「パレスチナ寄りではいけないの?」というのが正直な感想です。
コメントをしていただいた方は「我々は日本人であり、まして政治にも首を突っ込まない者として・・・」とご指摘されていましたが、わたしたちが日本人であり政治にも関わっていないからといって、このイスラエル・パレスチナ問題に自分なりの考えや感情をもつことがいけないとは思いません。
日本では「中立」というのが一番で、少しでも自分の考えを述べると「あの人は右や左」とか「偏っている」と揶揄されます。
「輪を重んじる日本人」「多数に合わせる日本人」特有の気質なのかもしれませんが、わたしは日本にいるときからこのことに疑問をもっていました。
わたしたちはもちろん「イスラエル人が嫌い」とか「イスラエルの国家なんてなくなればいい」なんて思っているわけではありません。
ただ、パレスチナ人の思いを代弁する者でありたいなと思っています。

なにより、イスラエルとパレスチナの力関係を見ると圧倒的にパレスチナが弱者です。
まず、パレスチナを独立国家として認めている国のほうが世界的に見ると多いのですが、力をもった国(ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本など)が認めていません。
つまり国際社会はイスラエルに有利に動いています。
軍事力でもイスラエルが圧倒的に上ですし、アメリカではユダヤロビーがたくさん活動しています。
世界の金融、経済、マスコミのトップにはユダヤ人が多く、イスラエル支援のために働きかけています。
そんななか、ただの貧乏旅行者であるイクエとケンゾーがパレスチナ人の代弁者となったところで屁の突っ張りにもなりません。
それでも、弱者であるパレスチナに思いを寄せていく人間でありたいなと思います。

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☆不条理な世界が現実にはある

このブログのパレスチナ編ではあまりにも悲しい話が多かったと思います。
イスラエルのパレスチナ攻撃ばかり取り上げていたので、もしかしたら読者の方からすると「パレスチナのことばかり書いて。パレスチナも同じようにイスラエルを攻撃していて、イスラエル人の悲劇もあるでしょう。」と思われていた方も多かったかもしれません。
AとBの間で戦争が起きた場合、Aの残虐な行為もあればBの残虐な行為もある。
Aの悲劇もあればBの悲劇もある。
しかし、イスラエルとパレスチナの関係はそうではありませんでした。

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たとえば、パレスチナ人10人に「あなたの知り合いでイスラエル軍に不当に拘束されたり、撃たれたり、殺された人がいるか?」と質問すると1人は「いる」と答えるでしょう。
でもイスラエル人100人に「パレスチナ人に連れ去られたり撃たれたり殺された人がいるか」と質問しても誰もいないでしょう。
1000人に聞いてもいないかもしれません。
今ではほとんど起きていませんが、パレスチナ人による自爆テロだって武装したイスラエルに武力攻撃することやイスラエル政府に直接訴えることができないから、自分の命を捨ててまでテロを行なっているのです。
イスラエル・パレスチナの争いは「戦争」ではなく「イスラエルのパレスチナへの侵攻・占拠」なのです。

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「こんな不条理なことはないだろう」「パレスチナ側もイスラエルにひどいことをやっているだろう」と思われるかもしれませんが、そんな不条理なことが現実にはあるのです。


☆ぜひわたしたちができなかったことを

1か月間、イスラエル・パレスチナを旅してきました。
パレスチナではたくさんの出会いに恵まれいろんな話を聞くことができましたが、イスラエルではそれがなかなか果たせませんでした。
ブログの読者の方からすると「もっとイスラエルの人たちのことも知りたかった」と物足りなかったかもしれません。
わたしたちにも何度かイスラエルの人たちの意見を聞けるチャンスがありましたが、うまく果たせませんでした。

たとえば・・・。

・ユダヤ人のシャバット(安息日)の食事会のとき
このときはユダヤ人が80人くらいいました。
でもきっと聞いても「へ?」と言われることがわかりきっていたので聞けませんでした。
信仰心の強い彼らからするとユダヤ人は選ばれた民で、パレスチナ人の土地にユダヤ人が住むのは当然のことです。

・ベツレヘムのホームステイ先にイスラエル人グループが遊びに来たとき
夜にイスラエル人グループがお酒をもって遊びに来ました。
パレスチナ人がイスラエル側に入れないように、本来ならイスラエル人もパレスチナ側に入れないのですが現実には可能です。
パレスチナ自治区内にユダヤ人入植地があるので、「入植地の住民」のふりをしてパレスチナ自治区に入り、いったん入ってしまえば外国人ツーリストのふりをしてパレスチナ人街に潜入するという方法です。
パレスチナ人街では、彼らはヘブライ語(ユダヤ人の言葉)ではなくバレないように英語で会話します。
彼らにいっしょにビリヤードに行こうとも誘われましたが、疲れていたしパレスチナ自治区でそういう気分にもなれなかったので断りました。
今にして思えば、彼らからならいろんな話が聞けたかもしれないと後悔しています。

・元イスラエル兵士によるヘブロンツアーへの参加
イスラエルは徴兵制度の国です。

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兵士だったころにパレスチナで残虐なことをおこない、それを後悔している人もいます。
そしてイスラエルの間違った行いを指摘し、外部に伝えたいという人たちもいます。

そんな元イスラエル兵たちがつくったNGO「ブレイキング ザ サイレンス(沈黙を破る)」があります。
このグループでは、ヘブロンツアーを月に1度ほど開催していて参加すれば元兵士にヘブロンの街を案内してもらい、イスラエルやパレスチナ人双方の住民を訪ねて話を聞くことができます。
わたしたちもこれに参加を申し込みました。
月に一度の開催なので、それにあわせてイスラエル・パレスチナの滞在期限を延ばすことにし、旅程も決めていました。

しかし直前で中止になったのです。
そのため、わたしたちはツアーに参加できなくなりました。
中止の理由は、イスラエル政府が入植地への立ち入りを認めなかったからです。
また、このNGOの活動をよく思っていないユダヤ人は多く、ツアー中に住民から攻撃されることもあります。
それでも彼らは今のところどうにか活動を続けています。
今後、イスラエルに行かれる方はぜひこのツアーに参加されてみるといいと思います。

BREAKING THE SILENCE
http://www.breakingthesilence.org.il

また、彼らの活動を扱った土井敏邦監督の『沈黙を破る』というドキュメンタリー映画があります。
http://www.cine.co.jp/chinmoku/story.html

「なんか中国みたいだな。いや中国よりもひどいかも。」
イスラエル・パレスチナを旅していてケンゾーが言いました。
中国ではインターネットが規制されていて自国に不利な情報を国民は検索することができません。
中国はチベットを弾圧・占領していますが、国民はその実態を知らず「チベットを悪い独裁者ダライ・ラマから解放してあげている」と信じている人が多数です。
いまのイスラエルもそれに似たところがあります。

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なのでなかなかイスラエルの人から現在のパレスチナ問題への思いを聞き出すことは難しいかもしれません。
わたしたちが、イスラエル人と話すチャンスがありながらそれができなかったのは「どうせ彼らは知らないから。」というあきらめがあったからかもしれません。
そして彼らの意見を聞くことで、もっとわたしたちのストレスがたまるのではないかという怖れもあったからです。

中国人に「チベット問題をどう思う?」と聞くことに抵抗があるのと似ています。
それでももっとイスラエルの人に話を聞く努力をすればよかったなあと後悔しています。
ぜひ、今度パレスチナとイスラエルを旅する方には、わたしたちよりももっといろんなものを見聞きしてほしいなと思っています。

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世界一周をスタートして1年半。
「楽しい!」とか「感動した!」とかそんな旅の醍醐味とは違う感情をイスラエル・パレスチナでは味わいました。
言えることは、今までの旅のなかで「もっとも意味のある旅だった」ということです。
本当にこの地を訪れてよかったと思っています。

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