いまお世話になっているホストファミリー5人全員が風邪をひいている。
イラン旅最後の最後に風邪をもらってしまわないかちょっと心配なケンゾーです。
この2か月、たくさんの親切や思い出をもらってきたけど、風邪はいらないなあ。
今回の世界遺産編はイラン観光のハイライト、エスファハーンのエマーム広場。
またの名をナグシェ・ジャハーン(=「全世界の図」)広場。
当時の世界トップレベルの建築技術を駆使した建物が広場を取り囲むように並び、政治、経済、信仰の場が集約された場所だったらしい。
文化の最先端の場所で、かつては『世界の半分』とまで呼ばれていたエスファハーン。
その見どころが凝縮されているエマーム広場とは、はたしてどんなところなのか?
エマーム広場はサファヴィー朝の第5代シャー(王)、アッバース1世が1598年から造り始めた広場。
訪れるとまず、中庭の大きさに驚かされる。

縦510m、横163mもある中庭では、かつてはポロ競技も行なわれていたそうだ。
中庭をぐるりと取り囲んでいる回廊には、ずらっとお土産屋さんが軒を連ねる。


この広場の正面に建つのがイスラ—ム芸術の集大成とも言われているマスジェデ・エマーム。
アッバース1世が着工を指示し、完成したのは彼の死後。
完成に26年の歳月を要している。

まずは広場に面した巨大なエイヴァーン(前室)が訪れる人を出迎える。
鍾乳石で造られた蜂の巣のような上部の飾りが美しい。


このエイヴァーンをくぐった先には最大の見どころ、中央礼拝堂が。
そこにはちょっと粋な演出が凝らされている。
通常なら真正面にあるはずの礼拝堂が・・・そこにはない。

じつは真正面じゃなくて45度斜めにずれているのだ。
門をくぐってすぐに見えるのではなく、右斜めに体を向けないとその美しい礼拝堂は視界に入ってこない。
斜めに設けられた、短い回廊を抜けると礼拝堂が、ドーンと構えて・・・?
あれ? ドーンとなにかがある。
なんじゃこの足場は!?

足場が邪魔してせっかくのすばらしい眺めが台無しだよ。
ど〜なってんだよ〜!!


これはどうやら前日にフィナーレを迎えたアーシュラーの儀式の残骸のようだ。
かなりショッキング。
撤収作業をしてるけど、数人しか作業員がいないのでまだまだ時間がかかりそう。
溜め息をつきながら中央礼拝堂へ。
まあさすがにこの中には足場はなかったのでよかったけどね。
中に入ると広い空間が広がっている。
壁一面を覆っているのは、イランで最高峰だと言われているタイル細工。
1ミリの隙間もなく埋め尽くされた繊細で鮮やかなデザインに圧倒される。


そして、上を見上げると・・・
宇宙が広がっていた。


ただひたすらに神に近づきたい一心で祈りの場を造っていくと、こんなデザインになるのだろうか。
イスラム教の意地や執念を感じる。
見ていると宇宙のかなたに引き込まれてしまいそうだ。

外から見ると分からないけれど、この美しい天井ドームは二重構造になっている。
そのため音が複雑に反響して、礼拝堂全体にこだまする。
中央の床に埋め込まれている床石の上に立ち声を出す。
サラウンド効果で反響した自分の声で取り囲まれる感じがする。
今度は手を一回「パン!」と叩く。
すると「パンパンパンパンパンパン・・・・」と10回ほど連続して響く。
ひとりで手を叩いているだけなのに、まるで大人数で拍手しているみたいに聞こえるから不思議だ。

こちらは王族専用のモスクシェイフ・ロトゥフォッラー。
こじんまりとしているけれど、王族専用とあって気品にあふれている、気がする。



そしてこちらがアーリー・ガープー宮殿。
あ、これも修復中だ。
・・・ついてないね。

色鮮やかなタイルがしっかり残っている階段を踏みしめながら上の階へ。
400年前の王様も同じ階段を使ったのかと思うとなんだか感慨深い。

内部はモスクとは対照的な淡い色彩。
やっぱりこのくらいが落ちつくよね。


壁に描かれた絵柄がちょっと予想外。
なんだか中国っぽい。
この顔はどうみてもアジア顏だよね。


修復中のバルコニーからはエマーム広場を見下ろすことができる。
『世界の半分』とはちょっと大げさかもしれないけれど、当時の繁栄具合を垣間見ることができる。

そしておもしろいのが最上階にある音楽堂。
まさに蜂の巣のように穴がボコボコ開いている。


これは余分な音を効果的に吸収し、音響効果を最大限に生かすために計算されて開けられたもの。
穴の形もいろいろあるけど、これも計算されたものなのかな?
このデザインセンスは想像を絶するものがある。



ちなみに、表側はバルコニーが修復中でちょっと残念だけど、裏側はこんな感じでけっこうスタイリッシュ。

さて、かつては『世界の半分』と称えられていた「エマーム広場」。
「星いくつ?」
「星、2つ!」
「世界の半分」かどうかは疑わしいけれど、モスク、宮殿、中庭、回廊が醸し出す空間は、世界中に触れ渡っていた当時の繁栄を思わせるに充分。
足場が残っていたマスジェデ・エマームはかなり残念だったけれど、中央礼拝堂の天井ドームは一見の価値がある。
さらに、回廊の中には絨毯や銀食器などの伝統工芸やお土産屋が軒を連ねている。
見て回るだけでもなかなか楽しい。


ほかにも広場の北にあるゲイサリーイェ門も地味だけど、よく見るとウズベキスタンとの戦いが壁に描かれていておもしろい。



そしてこのエマーム広場、夜になるとガラッと雰囲気が一転。
回廊に灯がともり、池の水面に明かりを落とす。

闇夜に浮かび上がるマスジェデ・エマームの大きなエイヴァーンとドーム。
夜のほうが断然美しい。


昼間は清楚なイメージだったマスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラーは、ライトアップされると妖しい雰囲気に。


ぜひ昼だけでなく、夜も訪れることをお勧めします!
イラン旅最後の最後に風邪をもらってしまわないかちょっと心配なケンゾーです。
この2か月、たくさんの親切や思い出をもらってきたけど、風邪はいらないなあ。
今回の世界遺産編はイラン観光のハイライト、エスファハーンのエマーム広場。
またの名をナグシェ・ジャハーン(=「全世界の図」)広場。
当時の世界トップレベルの建築技術を駆使した建物が広場を取り囲むように並び、政治、経済、信仰の場が集約された場所だったらしい。
文化の最先端の場所で、かつては『世界の半分』とまで呼ばれていたエスファハーン。
その見どころが凝縮されているエマーム広場とは、はたしてどんなところなのか?
エマーム広場はサファヴィー朝の第5代シャー(王)、アッバース1世が1598年から造り始めた広場。
訪れるとまず、中庭の大きさに驚かされる。

縦510m、横163mもある中庭では、かつてはポロ競技も行なわれていたそうだ。
中庭をぐるりと取り囲んでいる回廊には、ずらっとお土産屋さんが軒を連ねる。


この広場の正面に建つのがイスラ—ム芸術の集大成とも言われているマスジェデ・エマーム。
アッバース1世が着工を指示し、完成したのは彼の死後。
完成に26年の歳月を要している。

まずは広場に面した巨大なエイヴァーン(前室)が訪れる人を出迎える。
鍾乳石で造られた蜂の巣のような上部の飾りが美しい。


このエイヴァーンをくぐった先には最大の見どころ、中央礼拝堂が。
そこにはちょっと粋な演出が凝らされている。
通常なら真正面にあるはずの礼拝堂が・・・そこにはない。

じつは真正面じゃなくて45度斜めにずれているのだ。
門をくぐってすぐに見えるのではなく、右斜めに体を向けないとその美しい礼拝堂は視界に入ってこない。
斜めに設けられた、短い回廊を抜けると礼拝堂が、ドーンと構えて・・・?
あれ? ドーンとなにかがある。
なんじゃこの足場は!?

足場が邪魔してせっかくのすばらしい眺めが台無しだよ。
ど〜なってんだよ〜!!


これはどうやら前日にフィナーレを迎えたアーシュラーの儀式の残骸のようだ。
かなりショッキング。
撤収作業をしてるけど、数人しか作業員がいないのでまだまだ時間がかかりそう。
溜め息をつきながら中央礼拝堂へ。
まあさすがにこの中には足場はなかったのでよかったけどね。
中に入ると広い空間が広がっている。
壁一面を覆っているのは、イランで最高峰だと言われているタイル細工。
1ミリの隙間もなく埋め尽くされた繊細で鮮やかなデザインに圧倒される。


そして、上を見上げると・・・
宇宙が広がっていた。


ただひたすらに神に近づきたい一心で祈りの場を造っていくと、こんなデザインになるのだろうか。
イスラム教の意地や執念を感じる。
見ていると宇宙のかなたに引き込まれてしまいそうだ。

外から見ると分からないけれど、この美しい天井ドームは二重構造になっている。
そのため音が複雑に反響して、礼拝堂全体にこだまする。
中央の床に埋め込まれている床石の上に立ち声を出す。
サラウンド効果で反響した自分の声で取り囲まれる感じがする。
今度は手を一回「パン!」と叩く。
すると「パンパンパンパンパンパン・・・・」と10回ほど連続して響く。
ひとりで手を叩いているだけなのに、まるで大人数で拍手しているみたいに聞こえるから不思議だ。

こちらは王族専用のモスクシェイフ・ロトゥフォッラー。
こじんまりとしているけれど、王族専用とあって気品にあふれている、気がする。



そしてこちらがアーリー・ガープー宮殿。
あ、これも修復中だ。
・・・ついてないね。

色鮮やかなタイルがしっかり残っている階段を踏みしめながら上の階へ。
400年前の王様も同じ階段を使ったのかと思うとなんだか感慨深い。

内部はモスクとは対照的な淡い色彩。
やっぱりこのくらいが落ちつくよね。


壁に描かれた絵柄がちょっと予想外。
なんだか中国っぽい。
この顔はどうみてもアジア顏だよね。


修復中のバルコニーからはエマーム広場を見下ろすことができる。
『世界の半分』とはちょっと大げさかもしれないけれど、当時の繁栄具合を垣間見ることができる。

そしておもしろいのが最上階にある音楽堂。
まさに蜂の巣のように穴がボコボコ開いている。


これは余分な音を効果的に吸収し、音響効果を最大限に生かすために計算されて開けられたもの。
穴の形もいろいろあるけど、これも計算されたものなのかな?
このデザインセンスは想像を絶するものがある。



ちなみに、表側はバルコニーが修復中でちょっと残念だけど、裏側はこんな感じでけっこうスタイリッシュ。

さて、かつては『世界の半分』と称えられていた「エマーム広場」。
「星いくつ?」
「星、2つ!」
「世界の半分」かどうかは疑わしいけれど、モスク、宮殿、中庭、回廊が醸し出す空間は、世界中に触れ渡っていた当時の繁栄を思わせるに充分。
足場が残っていたマスジェデ・エマームはかなり残念だったけれど、中央礼拝堂の天井ドームは一見の価値がある。
さらに、回廊の中には絨毯や銀食器などの伝統工芸やお土産屋が軒を連ねている。
見て回るだけでもなかなか楽しい。


ほかにも広場の北にあるゲイサリーイェ門も地味だけど、よく見るとウズベキスタンとの戦いが壁に描かれていておもしろい。



そしてこのエマーム広場、夜になるとガラッと雰囲気が一転。
回廊に灯がともり、池の水面に明かりを落とす。

闇夜に浮かび上がるマスジェデ・エマームの大きなエイヴァーンとドーム。
夜のほうが断然美しい。


昼間は清楚なイメージだったマスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラーは、ライトアップされると妖しい雰囲気に。


ぜひ昼だけでなく、夜も訪れることをお勧めします!
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