人の家に泊まる機会が格段に増えたイランの旅。
普段よりも念入りに服を洗濯しているケンゾーです。
ザックカバーや靴もこまめに洗わんとね。
時間はちょっと遡るけれど、9月22日はケンゾーの誕生日だった。
この旅を始めて2回目の誕生日、とうとう30代のラストイヤーを迎えてしまった。
ところで読者のみなさんは「夫婦で旅していてお互いの誕生日とかどうやって祝ってんの?」とか「プレゼントとかあげたりしてんの?」なんて疑問に思ったりするかな?
ちなみに、去年のケンゾーの誕生日は韓国の寺で座禅ツアーに参加中だった。
バースデーディナーは超シンプルな精進料理。
寺の中でほかの参加者とともに、もくもくと食べた。
もちろんイクエからのプレゼントはなし。

今年のイクエの誕生日はスリランカのビーチリゾート!
といってもシーズンオフで海は大荒れ。
レストランはたくさんあったけど、リゾートなのでどこも高い。
「もういっかあ」ってスーパーで食材を寄せ集め。
缶詰をメインディッシュにホテルの部屋でお祝い。
ケンゾーからのプレゼントはなし。

まあふたりとも誕生日を迎えて嬉しいって歳でもないし、四六時中いっしょにいるのでプレゼントをサプライズで用意することもできない。
ふたりで酒を飲みながらささやかにお祝いするくらいしかしないわけですよ。
そして今年も無事にやってきたケンゾーの誕生日。
今年はキルギスの沈没宿「南旅館」で迎えることに。
ふたりで生ビールとワイン、そしてでっかいケーキまで買って半ば強制的にほかの旅人にも祝ってもらおう。
ちなみにこのホールケーキは288ソム(約600円)。

美味しいシェア飯と酒、ケーキまで食べることができて「今年の誕生日は賑やかで楽しいな」とほろ酔い気分でいたそのとき。
「ちょっとこっち来て」と手招きするイクエ。
なんだろな?
部屋の隅まで行くと、イクエがニヤニヤしながら言ってきた。
「誕生日プレゼント欲しい?」
え?!プレゼント?!どういうこと?
イクエとずっといっしょにいたから、内緒で買うとかできんはずなのに。
ケンゾーの頭の中は?マークでいっぱい。
「いいけん、いいけん。プレゼント欲しい?」
「まあ、そりゃ欲しいけど」
イクエがため息をついた。
「はー、そうか・・・。
欲しいか・・・。
ほんとに欲しいとよね?
ふう・・・。」
プレゼントを渡すのをためらっているように思える。
イクエが言い出したのになんで!?
踏ん切りがつかないのを、強引にぬぐいさるようにイクエが言った。
「じゃあ、誕生日おめでとう。はい」
渡されたのはこのカード。

渡されたカードにはバースデーメッセージとともに謎の文字が。
『プレゼント なんと7万円!!(ただし◯◯の軍資金として)』
なんだよ軍資金って!
7万円ってけっこうな金額だよ。
なんの資金だよ!
わけ分かんないよ!!
ニタニタ顔のイクエからもう1枚カードを渡される。
そこには思いもよらない内容が。


「イラン自転車旅!!」
うわーお!!一瞬思考が停止したぞ。
「え? イクエ自転車旅したかったと?
ピーターやマリア(タジキスタンで出会ったサイクリスト)に影響された?」
「そんなことないよ。
イクエが自転車嫌いなの知っとるやろ?」
「もちろん知っとるけど。
じゃあなんで?」
「プレゼントやもん、しょうがないやん」
意味がわからん!!
ケンゾーは高校生のときに福岡市から北九州市まで1日かけて自転車で走ったことがあるくらいで、自転車での旅なんてまったくの素人。
イクエにいたっては自転車に乗ること自体苦手だ。
「自転車旅、俺はいいけど、イクエ大丈夫なん?」
「がんばるしかないやろ、プレゼントやもん」
今まで出会ったサイクリストから「イランは道路がきちんと整備されていて走りやすい」とか「イラン人は優しいので旅しやすい」っていう話はよく聞いていた。
自転車旅をするならイランしかない、ってイクエも思いきったんだろう。
でも走りやすいって言ったってイランはデカいよ!
広さは日本の4.5倍!
端から端までは2200kmもあるんだよ。

しかも、イランっていうと「砂漠」ってイメージがあるかもしれないけど、じつは5000mオーバーの山もあって起伏に富んだ地形をしている。
そんなところをド素人のふたりが自転車で旅することなんかできるのかな。
すぐにギブアップしてしまうかもしれない。
でも、受け取ってしまったプレゼント。
まあそうなったらそうなったでいいか。
「よくわからんけどプレゼントやけんやるっきゃないか」
「プレゼントやけんしょうがないよ」
こんなサプライズなプレゼントある?
もらって、「うわあ〜、やったー!うれしい!」って気持ちはないよ。
30代最後の誕生日にもらったのはほんとうの意味で「サプライズ」なプレゼント。
自転車旅なんて思いもしていなかったケンゾーとイクエだけど、イクエの消極的な思いつきでイランを自転車で旅することになった。
イクエなんてイランに入国する数日前から「あ〜あ〜。もうちょっとで自転車旅始まっちゃうよ。」ってかなり不安げだった。
そんなことなら言い出さんどきゃいいのに。
予算は7万円(この7万円の根拠もよくわかんない)。
自転車で旅するということは、キャンプの準備も必要だということだ。
ホテルがある街までたどり着けなかった日はテントで寝泊まりしないといけない。
自転車のほかにキャンピング用品をイランで買いそろえないといけない。
イランに入国して最初の大都市はタブリーズ。
よし、タブリーズで調達してタブリーズから自転車旅をスタートさせよう!
ということで、ここタブリーズでいったんバックパッカーは中断。
どのくらい続けられるかは予想もつかないけど、サイクリストになっちゃいます!!
まずは肝心の自転車選び。
3軒くらい自転車屋をはしご。
イランで自転車っていくらくらいで買えるんだろう。
ひとつは、レース用の自転車なんかも売っているかなり本格的な自転車屋。
1台5万円以上はする。
2台買ったら予算オーバー。
ということで、「街の自転車屋さん」という感じの庶民的な店で買うことにした。
展示してある自転車はマウンテンバイクばかり。
よくわかんないけど、マウンテンバイクで旅してるサイクリストはあまり見かけない気がする。
自転車旅にはマウンテンバイクは不向きなのかな?


背が小さい(148cm)イクエは24インチでもつま先が地面に着く程度。
イクエは「子ども用にしようかな」とか言いよるけど、さすがにそれはダメやろう。
このマウンテンバイクで1台2万円ちょい。
これくらいだったら予算内だ。
ちなみに、イランを旅し終えたら自転車は売ってしまう予定。
近くにもう1軒ほかの自転車屋を見つけたのでとりあえず買うのは保留。
あした買ってしまうぞ!
しかしー。
このときはまだ実感していなかった。
このイクエの思いつきの挑戦がふたりにとって無謀であるということを・・・。
普段よりも念入りに服を洗濯しているケンゾーです。
ザックカバーや靴もこまめに洗わんとね。
時間はちょっと遡るけれど、9月22日はケンゾーの誕生日だった。
この旅を始めて2回目の誕生日、とうとう30代のラストイヤーを迎えてしまった。
ところで読者のみなさんは「夫婦で旅していてお互いの誕生日とかどうやって祝ってんの?」とか「プレゼントとかあげたりしてんの?」なんて疑問に思ったりするかな?
ちなみに、去年のケンゾーの誕生日は韓国の寺で座禅ツアーに参加中だった。
バースデーディナーは超シンプルな精進料理。
寺の中でほかの参加者とともに、もくもくと食べた。
もちろんイクエからのプレゼントはなし。

今年のイクエの誕生日はスリランカのビーチリゾート!
といってもシーズンオフで海は大荒れ。
レストランはたくさんあったけど、リゾートなのでどこも高い。
「もういっかあ」ってスーパーで食材を寄せ集め。
缶詰をメインディッシュにホテルの部屋でお祝い。
ケンゾーからのプレゼントはなし。

まあふたりとも誕生日を迎えて嬉しいって歳でもないし、四六時中いっしょにいるのでプレゼントをサプライズで用意することもできない。
ふたりで酒を飲みながらささやかにお祝いするくらいしかしないわけですよ。
そして今年も無事にやってきたケンゾーの誕生日。
今年はキルギスの沈没宿「南旅館」で迎えることに。
ふたりで生ビールとワイン、そしてでっかいケーキまで買って半ば強制的にほかの旅人にも祝ってもらおう。
ちなみにこのホールケーキは288ソム(約600円)。

美味しいシェア飯と酒、ケーキまで食べることができて「今年の誕生日は賑やかで楽しいな」とほろ酔い気分でいたそのとき。
「ちょっとこっち来て」と手招きするイクエ。
なんだろな?
部屋の隅まで行くと、イクエがニヤニヤしながら言ってきた。
「誕生日プレゼント欲しい?」
え?!プレゼント?!どういうこと?
イクエとずっといっしょにいたから、内緒で買うとかできんはずなのに。
ケンゾーの頭の中は?マークでいっぱい。
「いいけん、いいけん。プレゼント欲しい?」
「まあ、そりゃ欲しいけど」
イクエがため息をついた。
「はー、そうか・・・。
欲しいか・・・。
ほんとに欲しいとよね?
ふう・・・。」
プレゼントを渡すのをためらっているように思える。
イクエが言い出したのになんで!?
踏ん切りがつかないのを、強引にぬぐいさるようにイクエが言った。
「じゃあ、誕生日おめでとう。はい」
渡されたのはこのカード。

渡されたカードにはバースデーメッセージとともに謎の文字が。
『プレゼント なんと7万円!!(ただし◯◯の軍資金として)』
なんだよ軍資金って!
7万円ってけっこうな金額だよ。
なんの資金だよ!
わけ分かんないよ!!
ニタニタ顔のイクエからもう1枚カードを渡される。
そこには思いもよらない内容が。


「イラン自転車旅!!」
うわーお!!一瞬思考が停止したぞ。
「え? イクエ自転車旅したかったと?
ピーターやマリア(タジキスタンで出会ったサイクリスト)に影響された?」
「そんなことないよ。
イクエが自転車嫌いなの知っとるやろ?」
「もちろん知っとるけど。
じゃあなんで?」
「プレゼントやもん、しょうがないやん」
意味がわからん!!
ケンゾーは高校生のときに福岡市から北九州市まで1日かけて自転車で走ったことがあるくらいで、自転車での旅なんてまったくの素人。
イクエにいたっては自転車に乗ること自体苦手だ。
「自転車旅、俺はいいけど、イクエ大丈夫なん?」
「がんばるしかないやろ、プレゼントやもん」
今まで出会ったサイクリストから「イランは道路がきちんと整備されていて走りやすい」とか「イラン人は優しいので旅しやすい」っていう話はよく聞いていた。
自転車旅をするならイランしかない、ってイクエも思いきったんだろう。
でも走りやすいって言ったってイランはデカいよ!
広さは日本の4.5倍!
端から端までは2200kmもあるんだよ。

しかも、イランっていうと「砂漠」ってイメージがあるかもしれないけど、じつは5000mオーバーの山もあって起伏に富んだ地形をしている。
そんなところをド素人のふたりが自転車で旅することなんかできるのかな。
すぐにギブアップしてしまうかもしれない。
でも、受け取ってしまったプレゼント。
まあそうなったらそうなったでいいか。
「よくわからんけどプレゼントやけんやるっきゃないか」
「プレゼントやけんしょうがないよ」
こんなサプライズなプレゼントある?
もらって、「うわあ〜、やったー!うれしい!」って気持ちはないよ。
30代最後の誕生日にもらったのはほんとうの意味で「サプライズ」なプレゼント。
自転車旅なんて思いもしていなかったケンゾーとイクエだけど、イクエの消極的な思いつきでイランを自転車で旅することになった。
イクエなんてイランに入国する数日前から「あ〜あ〜。もうちょっとで自転車旅始まっちゃうよ。」ってかなり不安げだった。
そんなことなら言い出さんどきゃいいのに。
予算は7万円(この7万円の根拠もよくわかんない)。
自転車で旅するということは、キャンプの準備も必要だということだ。
ホテルがある街までたどり着けなかった日はテントで寝泊まりしないといけない。
自転車のほかにキャンピング用品をイランで買いそろえないといけない。
イランに入国して最初の大都市はタブリーズ。
よし、タブリーズで調達してタブリーズから自転車旅をスタートさせよう!
ということで、ここタブリーズでいったんバックパッカーは中断。
どのくらい続けられるかは予想もつかないけど、サイクリストになっちゃいます!!
まずは肝心の自転車選び。
3軒くらい自転車屋をはしご。
イランで自転車っていくらくらいで買えるんだろう。
ひとつは、レース用の自転車なんかも売っているかなり本格的な自転車屋。
1台5万円以上はする。
2台買ったら予算オーバー。
ということで、「街の自転車屋さん」という感じの庶民的な店で買うことにした。
展示してある自転車はマウンテンバイクばかり。
よくわかんないけど、マウンテンバイクで旅してるサイクリストはあまり見かけない気がする。
自転車旅にはマウンテンバイクは不向きなのかな?


背が小さい(148cm)イクエは24インチでもつま先が地面に着く程度。
イクエは「子ども用にしようかな」とか言いよるけど、さすがにそれはダメやろう。
このマウンテンバイクで1台2万円ちょい。
これくらいだったら予算内だ。
ちなみに、イランを旅し終えたら自転車は売ってしまう予定。
近くにもう1軒ほかの自転車屋を見つけたのでとりあえず買うのは保留。
あした買ってしまうぞ!
しかしー。
このときはまだ実感していなかった。
このイクエの思いつきの挑戦がふたりにとって無謀であるということを・・・。
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