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2016年2月14日に帰国!
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ケンゾー   イクエ


2007年10月 結婚
2012年09月 世界旅行に出発

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人生の達人を前に

2014.08.11 05:54|オーストリア☞EDIT
毎日お茶を1.5リットルくらいは飲んでいるイクエです。
たまにミネラルウォーターも買ってるけど、きりがないのでせっせと電熱コイルでお湯を沸かしてお茶を作っています。
ケンゾーが下痢なのですが、もしかしてこのせい?

このブログを読んでくださっていて出会うことができたウィーン在住のサトコさん。
サトコさんは世界遺産ヴァッハウ渓谷の近くに別荘をお持ちで、そこでゆったりと過ごさせてもらっている。

ただお世話になるだけでは心苦しいので、家庭菜園の水やりや草むしりをお手伝い。
庭にはいくつか浴槽のようなものが置いてあって雨水が貯められている。
自然の恵で使えるものは使おうという意識。

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緑がまぶしい!
じんわりといい汗をかいたあとは、もちろん冷えた白ワインやシュナップスをいただきます♡

サトコさんが「卵を買いに行こう」って誘ってくれた。
小さな小さな集落にお店なんかないけれど、すぐご近所で手に入るらしい。

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向こうに見える、屋根にソーラーパネルがあるのがサトコさんの別荘。
手前の家が卵屋さん。

卵屋さんっていっても、ふつうのご自宅。

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住んでいるのはおばあさんで、庭でニワトリを放し飼いにして育てている。

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サトコさんが持参したパックに産みたての卵をおばあさんが入れてくれた。
大きくて立派な卵。
おばあさんはこうやって、ご近所の人に卵を売っている。

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家に帰ると、ドゥッドゥッドゥッドゥッという音が遠くから聞こえてきた。
その音はどんどん近づいてくる。

外をのぞくと、サトコさんの義理のお父さんが芝刈り機に乗って登場〜♪

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だんなさんのクラウスさんの実家はこの近く。
おじいちゃんは、この家の草刈りを手伝いに来てくれた。
おばあちゃんを同伴して。

監視係のおばあちゃんはおじいちゃんのそばについて「あっちも刈りなさい」「ここがちゃんと刈られてないよ!」と厳しく指導。
夫婦の力関係がわかりますな。

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おじいちゃん、がんばって〜!

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おばあちゃんから「ちゃんときれいな花は残しておくように!」と指示を受けたみたいで、庭の野生のお花畑のなかには一本の小道だけできていた。

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イクエとケンゾーのために、おばあちゃんがご当地のスペシャル料理をつくってくれることに!
わ〜い!!

旅行をしていて思うのは、ほんとうに地元の人がおいしいって絶賛する料理はレストランでは食べられないということ。
やっぱり家庭料理がいちばんなんだよね。
だから旅をしていて家庭料理をごちそうになるっていうのはとてもラッキーで幸せなことなので、いつも大喜びする。

メインディッシュは「シュヴァインズブラーテン」という豚肉を使った料理。
いわば、ローストポーク。
おばあちゃんがもってきてくれたのは、とってもきれいで新鮮な豚肉。
生肉を見て「きれい」っていうのは違和感があるかもしれないけど、ほら、きれいでしょ。

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別荘にはおばあちゃんとおじいちゃんの若かりしころのすてきな写真が飾ってあって、おじいちゃんはイケメン、おばあちゃんは女優さんみたいだった。
その写真を見ていたら、横でサトコさんが「今はぜんっぜん違うのよ。すごく大きくなってるの。」って言ってたんだけど、たしかにこの何十年かでおばあちゃんはかなりビッグになっているようだ。

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ヨーロッパの女性ってみんなこんな感じなんじゃないかな。
いままで子どもも産んで、大変な子育てもして、孫もできて、そしておいしく食べて生きてきた。
幸せ太り?
なんだか微笑ましいくらい。

かたや、うちのだんなは・・・。

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ほっそ〜い。

幸せですか?
けっして妻が虐げているわけじゃないですよ。

細身のケンゾーが草取りをしている間に、おばあちゃんの手料理のできあがり〜♡

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オーブンで焼いたお肉はソースを吸い込んだのか、厚さがもとの3倍くらいになっていた。
こんがりと、でも柔らかくいい具合に焼けていて見ているだけでよだれがでる。

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お肉の隣のまん丸いものは、クヌーデル。
つぶしたじゃがいもに小麦粉などを混ぜてこね、湯がいたもの。
ぷにん、と弾力があるけど、見た目ほど重たくなく2、3個は食べられる。
この中にひき肉を入れたり、フルーツを入れてデザートにする応用料理もあるんだって。

ほかのサイドメニューはパスタのスープと、キャベツの酢サラダ「ザウアークラウツ」。

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サトコさんは「わざわざ作らなくてもいいよ」っておばあちゃんに言ってたけど「ダメ!この豚肉の料理にはサイドメニューはこれだって決まってるの!」って言って、わざわざこの2品も作ってくれた。

定番のセットメニュー。

みんなでいただきま〜す!!

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豚肉の一切れも大きいし、まん丸にこねたじゃがいももパスタのスープも炭水化物でお腹にたまるはずなのに、おいしくてたいらげてしまった。

おばあちゃん、ありがとう♡
ごちそうさまでした。

午後には近くの湖に車で泳ぎに行くことにした。

先に芝刈り機に乗って家を出ていたおじいちゃんを車で追い越していく。

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おじいちゃんも、芝刈りありがとう♡

わたしはペーパードライバーだし、オートマ限定免許なので、外国での運転はいつもケンゾーにおまかせ。
「痩せ過ぎなのにずっと運転させてすまないねえ」って思うようにはしているけど、こんなすてきな道。
運転するのをケンゾーも楽しんでいるみたい。

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空の青、大地の緑。
この組み合わせほどさわやかですがすがしくて、こころを晴れやかにする色はない。

なんか動いてる!っと思ったら、鹿が放牧されていた。

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鹿も青空の下、こんなところで心ゆくまで草を食べられたら幸せだろうね。

緑のなだらかな丘を越え、車は森の中に入っていく。
こんなひっそりとしたところに、突然湖があらわれる。

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静かな隠れ家のような場所だけど、地元の人には人気のレジャーの場所。
海水浴に行く感覚で、湖に遊びに行く。

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日本では「湖で泳ぐ」ことにあまりなじみがない。
(琵琶湖みたいな大きな湖だと泳ぐのかな。)

ヨーロッパの人に「わたしたちは湖にわざわざ泳ぎにいかないなあ。日本は島国だからだいたいどこからでも日帰りか1泊で海に泳ぎに行けるから。」って答えると「でも、海だと波があるでしょ。海でちゃぷちゃぷ遊ぶんじゃなくて、がっつり泳ぎたいときは波がない湖じゃないと!」って言われたことがある。

なるほどね。
湖は天然のプールって感じか。
たしかに近くに湖があるのなら、スポーツジムのプールじゃなくて大自然の中の湖で泳ぐ方がリラックスもできるよね。

ってことでやせっぽっちのケンゾーさんが、湖に泳ぎに行く。
もっと体を引き締めたいのかな(笑)。

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わたしはというと・・・。
水が冷たすぎるので、湖畔でごろーん。

見上げると、天に昇るような木々。

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足元を見ると、大量の・・・。

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アリ!
森だからしょうがないって我慢してここにとどまってたんだけど、どうもわたしたちのいたところだけアリの大群。
アリの通り道におじゃましちゃったみたい。

アリと格闘していたらかわいい森の妖精たちが、ひと泳ぎして帰ってきました。
サトコさんの娘さんアンナちゃん(後ろ)とお友だちのラーラちゃん。
小さいころから親友で、いまの2人の共通の趣味はカメラ。

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湖であそんだあとは、おじいちゃんとおばあちゃんの家に立ち寄る。
おじいちゃんとおばあちゃんは、クラウスさんの弟さん家族と暮らしている。
オーストリアの田舎の家って、おしゃれだね!

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太陽の光がふんだんに入る大きな家。
でもお庭にはこんなに小さなかわいい家も。

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中をのぞいたらテーブルと椅子。

ここでティータイム、はたまた昼からワインタイム。
そのあとはマットの上にごろんとなってお昼寝。
最高の休日の過ごし方かも。

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いや、べつに休日限定じゃなくてもいい。
ちょっと1時間くらいここでお昼休みを過ごせれば。

おばあちゃんは、ケーキ「グーゲルフプフ」を焼いてわたしたちを待っていてくれた。
料理上手なおばあちゃん、おいしいもので人を喜ばせ上手なおばあちゃん。

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こんなおばあちゃんを射止めたおじいちゃんも、むかしはイケメンだったわけで・・・。
おじいちゃんの若いころの写真。

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このオートバイ、サングラス、ショートパンツ。
60年くらい前かな。
当時のイケメンに間違いないでしょう。

このオートバイにおばあちゃんをのっけて、デートしてたんだって。
当時結婚することは親に反対されてたから、駆け落ちして教会で式をあげたらしい。
やるねぇ。

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イクエとケンゾーが世界旅行をしているというと、おばあちゃんたちは驚いた。
「わたしなんてこの村だけで生きていて、ウィーンにさえもたま〜にしか行かないのに。」

おじいちゃんとおばあちゃんは、この村だけで生きている。
だけど、この地でいろんなできごとを体験し、いろんな感情をもち、子どもを育て、孫をもち、幸せで満足で、豊かな人生を送ってきた。

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そんな人生の先輩を前にすると、いい年して目的もなくふらふらと漂って自分の根付くところをもたない自分がちょっと恥ずかしくもなるのです。
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別荘の地下には・・・

2014.08.10 06:27|オーストリア☞EDIT
帰国したらどうやって生きていこうか、そろそろちゃんと考えないとって思っているイクエです。
世界一周旅行者のその後について調べたんだけど、けっこう自営業をする人も多いんですね。
自分でカフェを開いたり、雑貨屋さんを立ち上げたり。

ひとつだけ名案が浮かんだんだけど、ケンゾーがJICAの海外協力隊員になるってこと。
「青年」じゃないですよ!「シニア」海外協力隊員。
残念ながらというか、幸運にもというか、ケンゾーのお年はもう「シニア」枠なの!!
シニア枠だと、家族同伴可だし手当も「青年」よりはもらえそう。
でも、問題はケンゾーの語学力が採用条件に満たないということと、結局先延ばしでそのあとはまた帰国して仕事を探さなきゃいけないということ。

なにかいい案はないかねえ。
この前、ケンゾーより1歳上の脱サラした日本人バックパッカーに会ったんだけど「帰国したらどうしますか」って聞いたら「タクシー運転手とかですかね」って言われた。
タクシー運転手かあ・・・。
ちなみにこれまでも宿で出会った若いバックパッカーたちからは「ケンゾーさんは、帰国したら道路工事現場の車誘導係でしょ」って言われてるからね。
みなさん、何かいい案はありませんかねえ?

前置きが長くなってしまった。
さて、このブログの読者のかたでウィーン在住のサトコさんに再び会いにいったイクエとケンゾー。
サトコさんとだんなさんのクラウスさん、娘さんのアンナちゃんと知り合えたのはブログをやっていたおかげ。
前回お会いしたとき「今度は別荘にいらしてください。お酒はいくらでも飲んでいいですから!」というサトコさんの甘いお誘いを真に受けて、レンタカーを借りてサトコさんとアンナちゃん、お友だちのラーラちゃんを乗せていざ別荘へ。

別荘があるのは、世界遺産ヴァッハウ渓谷沿いの山を登った小さな集落。

ヴァッハウ渓谷

ウィーンの家を出てまずはハイウェイを目指す。
何気なく通っている道。
何気なく窓の外を見ると、何気なくないあの有名な宮殿が見える。

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世界でも有名な観光地、マリア・テレジアが住んでいたシェーンブルン宮殿
ウィーンに住んでいると、この景色も何気ないものになるのだろうか。

ハイウェイに入ると、だだっ広い平原や田園、丘陵地帯が車窓から流れていく。

国土は北海道よりちょっと大きいくらいのオーストリア。
人口は840万人くらいで日本の10分の1にも満たない。

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オーストリアにはウィーンのように観光客を魅了する歴史ある都市があるいっぽう、多くはのどかな田舎町。
この国では、日本よりもずいぶんゆっくりと時間が流れているように感じる。

ハイウェイを下りると、そこはヴァッハウ渓谷。
緑豊かな渓谷に囲まれて、豊かな水を運ぶドナウ川。

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ここからさらに森に挟まれたくねくねの山道をのぼっていく。
外気がいっきに下がっていくのがわかる。
山道をのぼっていくこと30分あまり。

小さな集落をいくつか抜けて、田園地帯に出た。

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田園のなかに家がぽつぽつと点在している。
「集落」と呼ぶにはあまりにも家々の数が少なく、それぞれの建物が離れている。
サトコさんの別荘は、そんなところにあった。

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なんてかわいらしい家。
まわりには野生の花が咲き乱れ、「こんなところに住みたいなあ」と思わせる空間に仕立てている。

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冬には一面銀世界になるんだって。
それはそれで美しいだろうけど、初夏に来てよかった〜。
だってこんなにさわやかなんだもん。

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サトコさんとクラウスさんは15年くらい前にこの古い建物を買ったのだそう。
家の下の崖を平らにしたり、壁に大きな窓をつけたり、自分たちで時間をかけてちょっとずつ手直ししたんだって。

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屋根の上のソーラーパネルは最近つけたもの。
といっても、別荘だからたまにしかこの家を使わないし、電気もそんなに使わない。
このソーラーパネルでつくられる電力を、電力会社に売っているんだって。
パネルの設置にお金はかかるけれど、10年くらいで元を取れるみたい。

家は、横に長い平屋。
じつはここ、もともとは牛小屋として使われていたところなんだって。
天井にはその名残が残っている。

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右側も壁と小さな明かり取りの窓があっただけだったけど、大きな窓を取り付けて開放的な雰囲気に。
部屋には光がさんさんと入るし、なによりここから見える景色に見とれてしまう。

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朝靄に包まれる幻想的な朝、太陽を受けて緑が輝く日中、夕陽に照らされて淡い色合いになる夕方。
時間とともに刻々と変わる景色は、まるで一本の映画を観ているかのよう。
この景色を見ながらコーヒーでも、いや、ワインでも飲むのは最高だね。

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奥行きのある部屋の突き当たりには、ウィーンのご自宅と同様グランドピアノと本棚。
グランドピアノはもちろんサトコさんの、大量の本はクラウスさんの趣味。

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本はここに収まりきれずに、ほかの部屋にも本棚があってびっしり並んでいた。
ウィーンの家でも床が落ちるんじゃないかと思うほどに本がたくさんあるけれど、クラウスさんはいったい何千冊の本をもっているんだろう。
あんなに毎日忙しそうに日本人のツアーガイドの仕事をやってるけど、読むヒマあるのかな。
それとも、旅行のシーズンオフのときは休みも多くなるのだろうか。

でも、これだけ本に囲まれていると「老後も安心だ」って思う。
「安心」って言うのはお金の面じゃなくて精神面で。
「退職して時間がたっぷりできたら毎日好きな本を読んでゆっくり過ごそう」って思えるし、それが楽しみにもなる。
「仕事辞めたら何もすることがない。どうやって生きていこう・・・。」なんて不安は起きないもんね。

現にこんなすてきなところで、好きな趣味に没頭してゆっくりと暮らしていけたら最高だろうなって思う。

でも、サトコさんに言わせると「ずっとここに住むのは退屈だと思う。ウィーンのほうが文化的なものにも触れられるしお友だちとも会えるし刺激もある。」

それもわかる。
とくにサトコさんは音楽に造詣があるので、ウィーンのほうが一流の音楽に触れられる。

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いっぽう、クラウスさんはこんな田舎が好きらしい。
それもそのはず、クラウスさんはここから歩いて10分ぐらいの集落で生まれ育っている。
クラウスさんのご両親はいまもそこに住んでいる。

こんなまったく違う2人が、しかも国の違いというハンディも乗り越えて結婚したからおもしろい。
でも、やっぱりお似合い。

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わたしたちにはゲスト用の寝室を貸してくれた。
ここにシーツをかけてベッドメーキング。
ベッド脇のグリーンのランプがアンティークでステキ。

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アンティーク集めはクラウスさんの趣味のようで、ときどき蚤の市でお宝を仕入れてくる。
キッチンにはこんな大きな計りが。
「クラウスがもってきたのよぉ」とちょっとあきれ顔で言うサトコさん。

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そんな多趣味なクラウスさんの趣味の世界が、この家の地下に広がっていた。
床の扉を開けると、地下へと通じる階段。

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薄暗くてひんやりとする。
さて、いったいここには何が?

ううぉぉお〜!
わたしたちも大好きなやつやん!

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でっぷりとした瓶。
大きなフラスコのような瓶。

まるで中世の実験室。
はたまた魔女が魔法のクスリを調合する隠れ家か。

いえいえ、ここはー。

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酒蔵!!

取り寄せたワインのストック。
そして自家製シュナップス(蒸留酒)。
それを容れるための空き瓶。

サトコさんはここに来る前から「今度は別荘にいらしてください。お酒はいくらでも飲んでいいので。」って甘い言葉をささやいていた。

「いくらでもって言ったって、常識的な量だよね」なんて疑いながらもその言葉を信じたくてわたしたちはここまでレンタカーで来たのだった。
これだったら、ほんとに「いくらでも」やん!

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ここに滞在中、イクエとケンゾーはサトコさんに勧められるまま、汗をかいたら昼から冷えた白ワイン、ちょっと疲れたときは度数高めのシュナップス、夕食といっしょに赤ワイン、というふうにほんとうに「いくらでも」お酒を楽しませてもらうことになった。

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つまみはこんなもの。

くるみに、新鮮なアスパラガス。

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さらにこんなうれしいものまで。

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サトコさんのお母様が2か月に一度くらいは日本のものを段ボールで送ってくれるんだって。
だからサトコさんの家には日本の食べ物や日本のシャンプーやサランラップがたくさんあって、ここは日本?って錯覚することがある。
お母様の愛情がそんな空間をつくりだしていたんだ。

日本のつまみを食べながら、オーストリアのお酒を飲む。

ここだと不思議と変な酔い方をしない。
心地よく、ほどほどに酔える。
健康的にお酒を飲める。
それは、ここのロケーションがそうさせているのかもしれない。

グラスを傾けながら見えるのは、こんな景色。

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すぐそこには森が広がっていて、朝方には鹿がやってくることもあるんだって。

この集落にはほんのわずかな世帯しかいない。
おじさんがトラクターを動かしているのが見えたり、向こうの家で飼っているニワトリが遊びにきたり。

そしてこの家の裏には、木々が生い茂っている。

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別荘の敷地にはたくさんのモミの木が自生している。
クリスマスになると毎年ここから1本切って、アンナちゃんが飾り付けするんだって。
庭にある本物のモミの木から好きなのを選ぶってうらやましい。
日本だと折りたたみ式のニセモノだもんね。

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モミの木はどんどん生えていて、毎年1本切っても追いつかないほど。

モミの木のすぐそばにモゾ、モゾっと動く変なものがいる!

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あなたのすみかだったのね。

こんにちは!
ハリネズミくん。

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サトコさんは家庭菜園もしている。
畑と温室があって、ちょっとした野菜をつくっている。

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雄大な自然に囲まれ、ときにはかわいい動物たちと遭遇し、野菜をつくり、おいしいお酒を飲む。
こんな贅沢な日々がここではあたり前。

日が傾きはじめた。

火をおこさなくちゃね。

庭にはたくさんの薪が山積みされている。

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ハプスブルク家の薪。
マリア・テレジアやマリー・アントワネットでおなじみのあの王家。
ハプスブルク家はいまも広大な敷地や森をもっていて、そこで伐採されたものなんだって。
ハプスブルク家の紋章が入ったトラックで運ばれてくるらしい。

べつにハプスブルク家の薪だからといってプレミアがついているわけでもないし、ほかの薪と変わらない。
ただ、それだけオーストリアの日常にいまもハプスブルグ家の存在を垣間見ることができる。

この薪を釜戸にくべていく。

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キッチンのコンロはIHでもないし、ガスでもない。
ここに薪を入れて火をおこせば、横のオーブンも使えるし、上に鍋やフライパンをのせればコンロになる。
ここで薪を燃やせば部屋もあったまるし、この裏の部屋には保温タンクがあってシャワーで使うお湯もこの薪で温められるしくみ。

火を起こすのは面倒くさいし火の調節も難しいけど、薪さえあれば何でもできる。

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一日こんなことをやっていると忙しいけど、でもそれは気持ちの良い忙しさ。
「暮らす」ことの原点。

日本にいると電気もガスも使えてとても利便性が良くて楽だけど、暮らすためにお金を稼ぐことに忙しい。

どっちも暮らすための忙しさだけど疲労感はまったく違う。

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暮らすためには忙しいことをしないといけないけど、幸せを感じられる忙しさがいいな。
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